女優でエッセイストの吉行和子さんが2日、肺炎のため亡くなった。90歳。
1935年8月9日生まれ、東京都出身。父は作家の吉行エイスケ氏(享年34)、母は1997年に放送されたNHK連続テレビ小説「あぐり」のモデルになった吉行あぐりさん。あぐりさんは2015年に107歳で肺炎で亡くなったが、98歳まで現役美容師を続けていたという。
「日本の美容業界に影響を与えたあぐりさんは、夫を亡くし、女手ひとつで3人の子供を育てました。働く女性の先駆けとして波瀾万丈な人生を朝ドラで描いています。しかし、和子さんの兄で作家の淳之介さん(享年70)、妹で詩人の理恵さん(享年66)を先に亡くしている。あぐりさんは90歳から娘・和子さんと海外旅行に出かけるなど活動的だったことも、明かされています。90歳で亡くなった和子さんが残された最後の子どもでした」(女性誌ライター)
■母親は107歳だったが90歳は長寿なのか?
SNSでは《あぐりが107歳死去と長寿だったので娘和子90歳で訃報に驚いた》《あぐりさんがもっと長寿だったから早すぎる感じしちゃうね》などと吉行さんの死去には悲しみとともに驚きの声も上がっている。
ちなみに平成初期に、双子で100歳を迎えた「きんさんぎんさん」がCMやテレビ出演で人気となった。2000年に亡くなった成田きんさん(享年107)、翌01年に亡くなった蟹江ぎんさん(享年108)がいる。
昨年3月には読売新聞のインタビューできんさんの四男で93歳の息子が長寿の秘訣を語っている。
となると、気になるのは、老化抑制に寄与するといわれる「長寿遺伝子」は関係しているのか、ということだろう。
日本健康経営専門医機構代表理事の東貴大氏(医師)が言う。
「長寿遺伝子については過去に論文が複数残されており、世界的に発見されています。ただ、寿命は長寿遺伝子によるものが20~30%、環境遺伝子によるものが70~80%といわれています。長寿の方は、生まれてからの生活習慣など環境的要因の方が強く影響していると考えられます。また、長寿遺伝子と呼ばれるものには『FOXO3』や『サーチュイン遺伝子』などがありますが、『ミトコンドリア関連遺伝子』と呼ばれるものに関しては母親の遺伝系統から引き継がれるとみられており、母親のみが100歳を越える長寿で子供も同じくらい長生きの場合はその遺伝子を引き継いでいるといえるでしょう」
吉行さんの場合も、きょうだいに比べて長寿だったことから、あぐりさんの長寿遺伝子を引き継いでいる可能性があるという。
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