9月29日にスタートしたNHK連続テレビ小説「ばけばけ」。高石あかり(22)演じる主人公のトキの父親・松野司之介を演じているのは岡部たかし(53)で、朝ドラ出演は2017年度の「ひよっこ」から数えて6作目。
さらに注目を集めているのが、トキの通う小学校の教師・谷川原先生を岡部の息子、岡部ひろき(24)が演じていることだ。正確には“共演”ではないが、父子が揃って同じ朝ドラに出演するのはこれが初めてではない。ひろきは「虎に翼」にも出演、寅子が判事として赴任した新潟地方裁判所に勤務する判事補・入倉始を演じた。
父親であるたかしは、大河ドラマはこれまで5作品。朝ドラと合わせると11作品に出演していることになる。こうしたことから、ひろきの起用は“親の七光”にも映りそうだが、NHKのドラマ制作関係者によれば、そうではないという。
「ひろきさんがたかしさんの息子であることを公表したのは、24年4月放送のTBS系『情熱大陸』で、たかしさんの特集の回でした。それ以前から、ひろきさんは朝ドラでは23年度前期の『らんまん』、21年の大河ドラマ『青天を衝け』にも出演しており、これまで地上波ドラマはデビューから8作出演しています。そのうちの4作が朝ドラと大河ドラマです。NHKのお気に入りの俳優であることは間違いないでしょうが、独自にキャリアを築いてきたことがうかがえます」
■佐藤浩一と寛一郎のケースも
NHKが親子俳優を起用するケースは決して珍しいことではない。佐藤浩市(64)と息子の寛一郎(29)は、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で同一作品に出演している。
「岡部ひろきさんや寛一郎さんは“親の七光”というよりは、実力で役を勝ち取ったと言っていいでしょう。ただ、親子であることが、全く影響していないかというとそうとも言い切れません」
こう語るのは、前出のNHKドラマ制作関係者だ。
「父親が有名な俳優であれば、素性がはっきりしているし、身辺調査が難しくない。問題を起こして途中降板といった心配が格段に減ります。NHKは若手俳優が有名になる前から自前で発掘し、ドラマなどで育てる歴史があります。実力派俳優の子供が俳優ということをいち早く知る状況にありますし、スポンサーの目を気にする必要もないので、早くから良い役につけて御用達俳優にするのは驚くことではないでしょう」
ただ、一部例外もあるようで……。
「今年6月、NHKBSで放送された『藤子・F・不二雄SF短編ドラマ』シリーズの『タイムマシーンを作ろう』で、市村正親さんと優汰さんが父子で共演しました。これは明らかに、長年、NHKに貢献してきた正親さんと母親である篠原涼子さんに対する“配慮”もあると思います」(同)
もっとも、優汰も“先物買い”で、気付けばNHKドラマのレギュラーに加わっていそうだ。
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