まだ首相になっていないのに閣僚人事とは、随分と気が早いものだ。


 自民党の高市総裁が首相指名選挙で選出された場合、閣僚として片山さつき元地方創生相、松島みどり元法相を起用する方向だという。

17日の毎日新聞朝刊が報じた。


「初の女性宰相」への就任が確実視されている高市総裁は、刷新感アピールのため重要ポストでの女性起用を重視。閣内では5人以上を登用したい意向だという。女性の重用自体は結構なことだが、片山氏と松島氏といえば、過去、大臣を務めていた時期に疑惑が炸裂。大炎上した経緯があり、永田町では「大丈夫か?」という声が上がっている。


「片山さんは地方創生相時代の2018年、有権者にカレンダーを配布した公職選挙法違反疑惑で大炎上した。松島さんは法相だった14年に地元の祭りで有権者にうちわを配布した公選法違反疑惑が浮上。辞任に追い込まれています。2人とも今年の総裁選で高市さんの推薦人でしたから、論功行賞なのでしょうが『問題が指摘された2人を閣内に入れるのは危険なのでは』と不安視されています」(官邸事情通)


■裏金議員にも躊躇なし


 さらに、党内人事にも疑問符がつく。自民は17日の総務会で、裏金事件の“震源地”である旧安倍派の柴山昌彦元文科相と江島潔参院議員を政調会長代理に充てる人事を了承した。柴山氏と江島氏は収支報告書への不記載が発覚しただけでなく、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の関連団体との接点も分かっている。裏金2728万円の萩生田光一元政調会長を幹事長代行に任命していたが、高市総裁は問題議員を要職に就けることに全く躊躇がない。


「高市さんは裏金議員の起用について『特に人事に影響ない。しっかりと働いてもらう』と問題視しない姿勢を鮮明にしています。まあ、総裁選では萩生田さんをはじめ、複数の旧安倍派議員から支援してもらっていますから、邪険にできないのでしょう」(自民関係者)


 総裁選での高市応援団のうち、女性議員は生稲晃子外務大臣政務官や山谷えり子元国家公安委員長、小野田紀美参院内閣委員長ら、一風変わった議員が多い。次期内閣では、“激ヤバ”閣僚が続出してもおかしくない。ドミノ辞任なんて事態になれば、目も当てられないだろう。


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