「法律のプロ」を自称してきた“策士”には相応の代償が必要だ。今年1月に自殺した元兵庫県議をめぐり、名誉毀損の疑いで逮捕・送検された政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)に対する包囲網は日増しに狭まる。

減刑狙いの工作は失敗。国政への唯一の足がかりの副党首はゴタクを並べて離党。資金源にしてきたN党は崩壊必至。執行猶予中の立花容疑者は自分の身すら守れず、服役する公算が大きくなってきた。


 実業家の堀江貴文氏の運転手から政治家に転身したN党副党首の斉藤健一郎参院議員は17日、唐突に離党を発表。「統制不能となった責任は私にあります」とし、立花逮捕後に生じた党運営の混乱を理由に挙げたが、界隈では「斉藤クーデター」と呼ばれている。N党に詳しい選挙ウォッチャーちだい氏はこう言う。


「斉藤離党はN党崩壊のダメ押し。N党は金づるも権威も失った。斉藤氏は国会議員に毎月100万円支給される調査研究広報滞在費(旧文通費)をすべてN党に納め、いわば上納金が党運営などにあてられていました。N党は斉藤氏が事務所を構える参院会館をアジト化し、定例会見は会議室を使っていた。定期収入がなくなる中、費用がかさむレンタルスペース利用は非現実的ですし、国会から離れれば取材陣の足も遠のくでしょう」


 国会では無所属で活動する斉藤氏は数合わせで自民党と統一会派を組んだものの、立花逮捕で解消。

「N党と手を切り、晴れて無所属となったことで時期を見計らって自民入りを狙っている」(野党関係者)とも言われる。転んでもタダでは起きない連中だ。


 斉藤離党の引き金となったのは、世間をア然とさせた立花側の節操のなさだ。弁護人の石丸幸人弁護士が14日、立花容疑者を県警に刑事告訴して6月に受理された元県議の妻に示談を申し入れ、罪を認める方針を表明。立花容疑者は「違法性が阻却されるだけの根拠があった。不起訴または無罪を確信している」と主張していたのに、百八十度方向転換。遺族感情を無視した示談交渉は当然、拒否された。


「昨年7月の東京都知事選に出馬した石丸氏は、N党のポスター枠販売に協力した人物です。立花氏の弁護人になったことで脚光を浴び、自身のユーチューブチャンネルの動画再生回数がケタ違いに急増。初の大フィーバーに浮かれて、ユーチューブで弁護方針を配信し始め、ヒンシュクを買っています」(ちだい氏)


 立花容疑者はNHKに対する威力業務妨害罪などで懲役2年6月、執行猶予4年の判決が2023年に確定。執行猶予期間中のため、別の事件で拘禁刑(2年超)となれば前の刑と合わせて服役することになる。


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 立花容疑者は深刻なメンタル不調もささやかれている。

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