どこが「身を切る改革」なのか──。日本維新の会に重大な「政治とカネ」の問題が浮上している。

“身内”に公金を流し、利益を得るシステムが蔓延している疑いが強まっているのだ。


 すでに、維新の藤田文武・共同代表(44)が、自身の公設秘書が経営する会社に公金を支出していたことが明らかになっている。2017~24年にかけて、公設秘書が代表を務める会社「リ・コネクト」に、「ビラ印刷」などを発注し、約1507万円の公金を支出していた。


 似たような構図が、次々に見つかっているのだ。


 藤田氏は、公設秘書が経営する会社に公金を支出するだけでなく、旧知の大阪市議が設立した広告会社「デザインビレッジ」にも、広報物を発注し、19~24年の間に約606万円の公金を支出していた。一方、その大阪市議は23~25年、「リ・コネクト」に印刷代などとして約258万円の公金を支出していたという。


 要するに、互いに関係する会社にそれぞれ公金を支出し、仲間内で利益を上げていた形だ。「毎日新聞」電子版が、11日詳細に報じている。


 毎日新聞によると、「デザインビレッジ」には、藤田氏以外にも、9人の国会議員が政党支部などを通じて計1000万円以上の公金を支出していたという。


 さらに、梅村聡衆院議員は、豊中市議が代表を務める会社に「宣伝広告委託業務料」として約180万円、石井苗子参院議員は葛城市議が代表を務める会社に「印刷代など」として約107万円、公金を支出していたという。


 藤田氏が、秘書が経営する会社に公金を流していたことが発覚した時、維新の“創業者”である橋下徹弁護士は、「政治家がよくやりがちな選挙を利用した公金着服のビジネスモデルの疑いあり」と指摘していた。


■「金権腐敗の自民党と変わらない」


 いずれにしろ、これほど次々に公金還流が見つかるのは、やはり異常なのではないか。

政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。


「維新の議員は、二言目には『身を切る改革』と口にしますが、言っていることと、やっていることが違いすぎます。キャバクラ代まで政治資金で払っていた。これでは、金権腐敗の自民党と変わらない。キレイゴトを口にしている分、よほどタチが悪い。国民の多くは、驚き、呆れ返っているのではないか。二度と『身を切る』などと口にしないことです」


 いったい、どれだけの議員が“身内”に公金を支出しているのか、維新は自らすべてを明らかにすべきだ。


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