【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】


 ことし最後のこのコラム、1年を振り返ってみると華々しい芸能ニュースはあまりなく、モヤモヤが残るばかりだ。


 まず思い出すのは、中居正広(53)とフジテレビの問題。

中居の当時社員だった女性に対する「仲間うちで飲もう」という提案が、結局は彼の自宅でふたりっきり、性暴力があったとされる。フジテレビの記者会見はこれまで例のない長さであったのにもかかわらず、プライバシー保護のため当事者が誰かも明らかにせず、その被害内容も発表されていない。中居側は「強制的な性的行為は確認されなかった」として、「性暴力認定」をした第三者委員会に人権救済を申し立てるとしていたが、グズグズで分からない状況が続いている。


 もうひとつ、日本テレビの番組降板と芸能活動休止の国分太一(51)も日テレから「重大なコンプライアンス違反があった」と発表されたものの、その内容は一切明らかにされていない。国分自身が謝罪会見したが、「答え合わせ」はされずじまい。共演者で元TOKIO城島茂松岡昌宏に事情説明がなかったことで、こちらと日テレの関係までおかしくなっている。パワハラかセクハラがあったのだろうという臆測だけが独り歩きだ。


 古い話で申し訳ないが、パワハラと聞くと故・山城新伍さんのことを思い出す。役者としての活動のほかにバラエティーでは言いたい放題だった。ある時、芸能人のパーティーに山城さんが姿を見せたことがあった。


 僕らワイドショーは集まって会場入り口の隅で出席した芸能人の囲み取材を続けていた。その際、フジテレビの若い社員ディレクターが山城さんを呼びに行ったが、少し話した後、山城さんの「なんでおまえの指図を受けなきゃならんのだ!」という声を荒らげた言葉が聞こえてきた。

その女性ディレクターが若くジーパンにトレーナー姿で「この若造が」というのがあったのかもしれないし、頼み方がどうだったのかも知らないが、今ならパワハラ認定されてもおかしくない。その女性ディレクターも負けずに怒っていて、「もう二度と(山城と)仕事をしない」と叫んでいたものだ。


 彼女は後に映画部のプロデューサーとなり、編成のかなりいいポジションに就いた。山城さんがその後、フジの仕事をしたという話は聞かず、この件の影響があったのかもと思っている。


 こんな話は昔は日常茶飯事だったが、現在は輪をかけてパワハラ・セクハラ認定されたタレントはマズい。細心の注意を払わなければならない時代ということだ。


(城下尊之/芸能ジャーナリスト)


編集部おすすめ