【城下尊之 芸能界ぶっちゃけトーク】
先日の連休の最終日に知り合いと電話で話していたら、「土曜日にインフルエンザとわかったけど、今日は熱も下がったし明日から普通に会社に行く」と言い出した。
僕が怒って「まだウイルスをばらまいているんだから休むべき。
芸能界でも自分が病気にかかったことを公表したくないというタレントは多くいる。今はSNSで病気を知らせるケースも増えているが、基本的には仕事に影響するというので内密にすることが多い。
僕が経験したケースでは、故・田中邦衛さん(写真左)がいた。胃の手術をして退院するという極秘情報を得て、田中さんの自宅のインターホンで留守番の人に取材を申し込んだのだが、いつまで経っても帰宅しない。
夜になってテレビ局に田中さんの事務所から連絡が入り、「製薬会社、それも胃腸薬のCMに出演中なのでマズいです。なんとか勘弁して」と言ってきたそうで、プロデューサーから「(田中さんが)大変なことになるから黙って帰社して忘れろ」と指示が出た。僕も「そりゃ、そうだ」と思ったものだ。
■徳永英明も…
歌手の徳永英明(65=同右)が、当時あまり知られていなかった「もやもや病」(2001年発症)でコンサートツアーをキャンセルしたことがあった。その直後、「子供の運動会に姿を見せる」という情報を得て、学校で待ち構えていると本人がやってきた。彼は子供を学校の中に入れてから、こう相談してきた。
「ツアーの保険に入っているが、まだ損害の補償が決定していない。そんな時に元気な様子を伝えられても困る」
補償金が入らなければツアーの制作側や演奏者などにお金が出せない……。スクープだったが、もちろん報道はあきらめた。後に徳永本人とテレビ局内で出くわし、感謝されたことを思い出す。
芸能人は代わりになる人間がいない。仕事の継続性を考えると、割と重い病気ほど伏せておく必要があるようだ。例えば役者の場合は、ワンクールだと3カ月以上、撮影が続く。制作側は何かあったら大きな損害が出るので、最初から病気持ちを避け他の役者にしておこうと判断する可能性が高い。歌手だって同じ。芸能人が病気を内緒にしたくなるのは当然だ。
公表することで同じ病に悩んでいる人を勇気づけたり、治療研究が進むことを期待できたりするかもしれないが、命にかかわるような病気は、プライバシーの観点からも別の問題だろう。
(城下尊之/芸能ジャーナリスト)

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