米国とイスラエルがイランの最高指導者ハメネイ師の「斬首作戦」を決行してから、7日で1週間。国際法を無視した攻撃が続く中、取り沙汰されているのがイランの後継体制だ。
目下、後継の最高指導者として有力視されているのは次男のモジタバ師(56)だ。精鋭の革命防衛隊と密接な関係を持つ筋金入りの対米強硬派で、イラン・イラク戦争にも参加。米国にとっては、2019年に制裁対象に指定した要警戒人物である。中東情勢に詳しい放送大の高橋和夫名誉教授が言う。
「ポイントは父親が最高指導者だったことです。イランの現体制は王政を打破して生まれているので、ハメネイ師としては息子を後継とする世襲は望んでいなかったといいます。それでもモジタバ師が有力視されているのは、革命防衛隊など軍勢力の支持が厚いからでしょう。今の指導層はモジタバ師を最高指導者の有力候補とすることにより、ハメネイ師亡き後も体制は変わらないという強いメッセージを打ち出す狙いがあるのではないか」
イランの体制転換を目指して反体制派組織との協力を模索するトランプにとっては面白くない。5日、米メディアのインタビューでモジタバ師について「私には受け入れられない」と明言。「平和と調和をもたらす人物が必要」と訴え、「私が任命に関与する必要がある」とまで言い放った。
イスラエルも警戒している。
当然、イランも黙っていない。アラグチ外相は5日、米NBCのインタビューで「(後継者選びは)イラン国民の問題であり、誰も干渉できない」と強調。地上侵攻をチラつかせる米国に「(踏み切れば)米軍にとって大惨事になる」と警告し、「イランは停戦を求めていない」と戦闘継続への意欲もにじませた。
後継者次第では戦争のドロ沼化は必至だ。トランプも「4~5週間」の想定を超えて攻撃を続ける意思を示している。
■11月中間選挙にらむ
「トランプ氏としては、ベネズエラを急襲して体制転換させた成功体験と同じシナリオを描いていたのでしょう。当初のプランよりも時間がかかっているのは間違いありません。11月の米中間選挙をにらみ、どのあたりでやめるのがベストなのか、戦争の行方は米国次第です。トランプ氏が後継者選びに関与するのは不可能だと思いますが、仮に米国側が推す後継者がいたとしても、イラン国内で生きていけるとは思えません」(高橋和夫氏)
米国とイスラエルの暴挙に世界中が振り回されている。いい迷惑だ。
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