「おー、すごいじゃないですかぁ」


 部下たちからこう称えられたエリート自衛官は、虚栄心が満たされたという。


 防衛省は5日、学歴を詐称した書類を人事担当者に提出した情報本部所属の30代の1等陸尉を停職4日の懲戒処分としたと発表した。


 きっかけは3年前。陸尉は部下たちと雑談中、「〇〇大学を卒業した」とポロッと有名大学の名前を口にし、部下たちから一目置かれて引っ込みがつかなくなったという。


 それで2023年度以降、異動希望や家族構成、経歴などを記した書類を人事部に提出する際、つじつまを合わせるため、出身大学ではない大学名を記入していた。


「人事担当者が異動調整で本人と面接した際、書類に書かれていた大学について『証明できるものあるの?』とたずねたら、動揺する様子を見せた。担当者が入隊時の書類を確認したところ、申告した大学と異なることが判明したため、証明書類の提出を求めた。陸尉は25年春、学位記の画像を提出したが、パワーポイントで自作したような、誰が見てもすぐにニセモノだと分かるものだった。大学に照会するまでもなく、即座に『何だコレは』となり、問いただしたら、詐称に至るいきさつを説明した」(総務部担当者)


 陸尉が所属する情報本部は防衛相直轄の国内最大の情報機関。安全保障分野の情報収集や分析が主な任務で、大卒の陸尉は幹部職員だ。


 本人は「以後気を付けます」と反省しきりだそうだが、なぜ停職4日の処分なのか。


「免許証など公的書類の偽造と照らし合わせ、内部部局と協議した上、懲戒の基準に沿って決定しました。学歴を詐称したからといって本人の利益にはならず、自衛隊に損害を与えてもいません。とはいえ、詐称した以上、何の処分もなしというわけにはいきません。

自衛隊では、出身大学が昇任や人事評価で有利に働くことはありません。内部の試験に受からなければならず、あくまで本人の能力次第です」(前出の担当者)


 張らなくていいミエを張ったばかりに、経歴に傷が付いてしまった。


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