8日投開票の石川県知事選は、現職の馳浩知事(64)が前金沢市長の山野之義氏(63)との接戦に敗れ、再選を逃した。大勢判明は深夜にズレ込み、保守分裂となった選挙の序盤から馳氏と山野氏が拮抗。

地元記者も「最後までどちらが勝つかまったくわからなかった」と漏らすほどだった。


 もともと馳氏の苦戦が予想されていた。2年前の能登半島地震から被災地は復興が思うように進まず、県民から現職の馳氏に厳しい目が向けられている。また、馳氏は発災時は都内に帰省中で、「初動対応が遅れたのではないか」との批判の声も根強い。


 そんな厳しい選挙戦で馳陣営が打ち出したのが、“サナエ全面推し”だ。選挙中に陣営が配布した政治活動用ビラには、高市首相の写真をデカデカと配置。その横には「現職知事とタッグを組んで能登半島の創造的復興を力強く進めてまいります」との文言がある。さらに、街頭演説で掲げるのぼりにも、高市首相の顔が並んで印刷されていた。


 極め付きは、本人登場だ。先月28日午後に金沢市内で開かれた馳氏の集会に、高市首相が出席。「総理大臣を呼びつける、こういう知事を失っちゃいかん」と、軽口を叩いた。同日には、イスラエルと米国がイラン攻撃を開始。

高市首相はその情報を把握しながらも選挙応援を優先し、出張を強行したことが物議を醸している。


 現地を取材したジャーナリストの横田一氏が言う。


「馳さんは自身の発信を控え、高市人気にあやかろうとする意図がミエミエでした。私が取材していても、馳さんが囲み取材に対応することがなかった。7日のマイク納めの後も報道陣の取材に応じず、地元メディアは困った様子でした」


■大物議員も駆けつけ総力戦


 馳氏のもとには、自民の大物議員が続々と駆け付けた。


 林芳正総務相や、有村治子総務会長、野田聖子元総務相のほか、馳氏がかつて所属していた旧安倍派から、西村康稔選対委員長、稲田朋美元防衛相、橋本聖子元五輪相が現地入り。さらに、与党の日本維新の会からも、吉村洋文大阪府知事、藤田文武共同代表、馬場伸幸前代表らが応援に訪れた。


「裏を返せば大物たちが連日応援入りを迫られるほど、馳さん本人の人気がなかったということ。これだけの与党が総力を挙げて応援した現職が落選するのは、前代未聞でしょう」(横田一氏)


 高市人気に丸乗りした挙げ句、敗れた馳氏。赤っ恥もいいところだ。


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 イスラエルと米国がイラン攻撃を開始した情報を把握しつつも、馳氏の応援演説に駆け付けた高市首相。能天気すぎる対応は、関連記事【もっと読む】【さらに読む】でも詳しく報じている。


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