高市旋風が吹き荒れた2月の衆院選。自民党の公式YouTube広告は1億6000万回再生を超え話題を呼んだ。

政党広告自体は違法とは言えないが、その一方で自民候補の陣営が違法な有料選挙広告をネットに流していた疑いが浮上した。


 日刊ゲンダイの調べで「選挙違反」が発覚したのは、鷲尾英一郎議員(新潟4区=当選)の陣営。選挙期間中にYouTube有料動画広告を配信した疑いで、新潟県警に刑事告発状を受理されたことが、選挙区関係者への取材で明らかになった。


■高市首相の動画で本人が自らの名前とスローガンを


 確認された広告動画では、話題の高市首相のメッセージが冒頭に流れた直後、高く積もった雪を背景にした鷲尾氏本人が突然カットイン。「新潟4区は鷲尾英一郎です」と語っている。背景の一部には「支部長 鷲尾英一郎」「新潟県第四支部」「自由民主党」の文字が赤地に白抜きで大書されている。本人が自らの名前とスローガンを語りかける内容で、新潟4区の有権者に向けて配信された。広告は3パターン作成され、1本あたり11万回以上再生。くしくも今回の鷲尾氏の得票数とほぼ同数にあたる。選挙期間の後半に集中投入された。


 広告出稿をしたのは選挙プランナー兼広告代理店のJ社。自民党の選挙関連業務への関与をSNSでアピールし、鷲尾氏の著書の広告なども手掛けてきた会社だ。

公選法142条の6は選挙期間中の候補者による有料ネット広告を禁じており、政党名義の広告であっても候補者の顔や氏名を前面に押し出した場合は選挙運動用と判断されるおそれがある。さらに、J社への報酬支払いが公選法違反の買収にあたる疑いもある。


 当選7回のベテランである鷲尾氏が公職選挙法を知らなかったとは考えにくい。実態はどうなのか。日刊ゲンダイはJ社と鷲尾事務所の双方に質問状を送付したが、鷲尾事務所は回答を約束しながら期限までに応じず、J社からも回答はなかった。


 2023年の江東区長選でも同様の手口で公選法違反が摘発され、有罪判決を受けている。今回のケースはどうなるのか。捜査の行方が注目される。


(桜井杏里/ジャーナリスト)


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