【芸能界クロスロード】


 WBCを独占中継するネットフリックス。


 地上波は試合前の選手の様子と、試合後は静止画を中心として振り返るだけの放送。

それでも国民の最大関心事。触れないわけにもいかず苦心の様子が手に取るようにわかる。テレビ関係者は「地上波が盛り上げるほど、WBCへの関心は高まり“ネトフリ”に入る人が増えている」という。ライバルのはずの配信をテレビ各局がサポートする前代未聞の形に呆れるワイドショーの出演者もいた。


 配信時代を象徴するようなWBC中継の、通称“ネトフリ”。宣伝も抜かりない。野球中継の間に4月から配信される「地獄に堕ちるわよ」のCMを流す。


 2000年代のテレビ界を席巻した占い師・細木数子の生きざまを描いた話題作。主演を務めるのは女優復帰したばかりの戸田恵梨香


 東京ドームの応援席に戸田がゲスト出演するなど、民放並みの番宣。配信に不慣れな高齢者の関心も高まり、これを機にネトフリの契約を継続させる効果を見込んでいるのだろう。


 近年、配信は勢いを増すばかり。

ドラマも次々とヒット作を連発。ネトフリの「地面師たち」や「忍びの家」。Disney+では真田広之の「SHOGUN 将軍」がエミー賞で18冠を受賞。ネットで見られなかった人のために異例の映画館での上映も行った。シーズン2には“Snow Man”の目黒蓮も出演者に名を連ねており、さらなるヒットが期待されている。


「世界配信されるだけでなく、制作費も俳優のギャラも破格。魅力ある世界になっていて、配信に進出する俳優は今後も増えていく」(芸能関係者)


 振り返れば、昭和の俳優は映画が主体だった。主役、脇役問わず「映画俳優」と呼ばれ覇を競った。


 ドラマ全盛期になると、映画からの転身組も含めドラマ俳優が生まれ映画とドラマの二輪時代に移行。そして、配信の出現でついに三輪の時代を迎えた。


 タレントや歌手は無縁の配信世界だが、俳優には仕事する場が増え、「俳優志望者は増え、事務所も俳優の育成に力を入れている」そうだが、トラブルを起こした俳優にとってはありがたい復活の場である。


永野芽郁米倉涼子


 19年にコカイン使用で起訴された俳優のピエール瀧

執行猶予付きの判決を受け、映画やドラマから配信に主戦場を切り替えて活動を続けている。


 昨年4月、田中圭との不倫疑惑で仕事を自重していた永野芽郁は今年“ネトフリ”で「僕の狂ったフェミ彼女」に主演。女優復帰を果たす。テレビ関係者の話。


「もともと実力、人気を兼ね備えた女優。役の幅も広い。配信から映画、ドラマに徐々に戻り、ゆくゆくは失ったCMにも復帰する青写真でしょう」


 昨年、薬物疑惑に揺れた米倉涼子も不起訴になったことで、Prime Original映画「エンジェルフライト THE MOVIE」が配信中。窮地の米倉を配信が救った形だが、米倉はテレビ女優のイメージが強い。いずれテレビ復帰を目指すと思われるが、ハードルは高い。不起訴とはいえ、自宅に家宅捜索が入り違法薬物があったのは事実。なぜ薬物があったのか? 説明のないままでは消化不良だ。スポンサーのある地上波は依然として起用しにくい。


 今後は配信・映画で活路を見いだすことになりそうだが、50歳になっても美貌・スタイルはさらに磨きがかかり“クールビューティー”は健在。医師や悪女など役は限られるが、むしろドラマよりも自由に動ける。「復帰組」も含め、配信ドラマが俳優界の起爆剤になってきた。


(二田一比古/ジャーナリスト)


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