とうにエープリルフールは過ぎたのに、高市政権がウソのような後手対応だ。イラン情勢の悪化と世界的な石油危機に国民不安が高まる中、今ごろになって「中東情勢に伴う重要物資の安定的な供給確保のためのタスクフォース」を設置。

高市首相は来日したマクロン仏大統領と一緒に、ドラゴンボールの「かめはめ波」ポーズに興じていたが、国民不安を置き去りでは「だんだん心離れてく」だけだ。


 イスラエルと米国が仕掛けたイラン攻撃のせいで、石油の供給不安は日増しに強まっている。特に石油化学製品が大半を占める医療資材に関しては、治療に直結するだけに不安解消が待ったなしの状況だ。


「医療用グローブの出荷制限など、汎用品の供給にまで綻びが出ています。グローブは3~5割も値上がり、発注してから1~2日でモノが届く大都市圏ですら2週間を要する場合があるとか。個数制限も生じています。これから先、フェースシールドなど他の道具にも同じ影響が及ぶのではないか。政府には一刻も早く対応して欲しい」(ある歯科医師)


 こうした状況になって初めて、高市政権の“危機管理”が始動。2月末のイラン攻撃開始から1カ月が過ぎた今、ようやく安定供給のためのタスクフォースを立ち上げた。攻撃直後から石油化学製品の原料となるナフサ(粗製ガソリン)の調達難が指摘されていたにもかかわらずだ。


 危機管理もへったくれもない後手後手の対応だから、3日の参院予算委員会でも政府答弁は歯切れが悪かった。


■数字は一切、ヒタ隠し


 立憲民主党の山内佳菜子議員が医療資材の供給不安についてただすと、厚労省の森真弘審議官は「業界団体を通じて安定供給にあたっての懸念や課題の調査を進めている」「透析回路といった海外から輸入しているケースについては、直ちに供給が滞るとの報告はない」と強弁。

肝心の調査・ヒアリングの内容については、上野厚労相が「需給両面から積極的な情報収集を進めながら必要な対策を経産省と一緒に進めていきたい」とお茶を濁した。


「調査している」「直ちに供給が滞ることはない」と繰り返すだけで、在庫量や供給見通しなどの数字は一切、ヒタ隠し。山内議員が不安払拭のための情報公開を求めても、上野厚労相は「供給見通しなども含めた情報について整理を進めていくことが必要」「(情報公開は)重要な課題」とノラリクラリ。すでに医療現場ではモノ不足や値上がりが生じているのに、有事とは思えない能天気ぶりだ。


「医療資材の供給不安、コスト増による経営悪化の懸念に加え、ガソリン価格の高騰は往診を直撃します。このままでは医科・歯科にかかわらず、二重苦、三重苦がのしかかります」(前出の歯科医師)


 高市首相が掲げる「危機管理」は早くも看板倒れ。「何が起きても気分はへのへのカッパ」では笑えない。


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 イラン攻撃に伴う医療崩壊のリスクから目をそらしてきたツケが、医療現場・病人を不安に陥れている。関連記事【もっと読む】【さらに読む】などでも詳しく報じている。


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