【芸能界クロスロード】


 4月期の改編を「過去10年で最大規模」と意気込んでいたフジテレビ


 先陣を切って、3月29日にスタートした谷原章介司会の日曜朝の情報番組「SUNDAYブレイク.」は個人1.2%、世帯2.3%と目を疑うような低視聴率。

同日の「サンデーモーニング」(TBS)が12.5%(世帯)と王者の貫禄を見せつけ、日本テレビの「シューイチ」も8.7%(同)と2位を確保と、2強の牙城に迫るどころか、足元にも及ばなかった(視聴率はビデオリサーチ調べ/関東地区)。


 放送を前に谷原は「ゆったりと週明けへの活力を養ってもらえるような番組にしたい」と語っていたが、その言葉もむなしく感じる。


 日曜朝は各局とも力の入る時間帯。ニュース、スポーツ、エンタメ、生活情報など扱う話や切り口に違いはあれ、情報番組にチャンネルを合わせる一番のポイントは司会者にある。


「サンモニ」は関口宏から引き継いだ元NHK膳場貴子。出しゃばり過ぎず、やさしい口調のしゃべりはお父さんたちにすこぶる評判がいい。「シューイチ」は軽いノリが主婦に人気のタレント・中山秀征の司会。タイプは違うが、安定した2人に谷原が挑むのが、日曜朝の構図になった。


 谷原は芸能界の登竜門だった男性誌モデルから俳優に転身。「花より男子」でデビュー。ドラマでキャリアを積むなか、32歳の時にバラエティー番組の司会を機にTBSの人気番組「王様のブランチ」の2代目司会に就任。物腰の柔らかい爽やかなイケメンで人気を博した。


 就任3カ月後、いしだ壱成の元妻である元タレントと結婚。彼女の連れ子と後に誕生した5人の子供を合わせ6人の子育てと仕事を両立させ好感度も一気にアップした。公私ともに充実期に入った頃、俳優と司会の二刀流に悩み、先駆者の故・児玉清に相談。「助言を受け挑戦を決意した」といわれている。


 2015年、児玉が司会を務めた「パネルクイズアタック25」の3代目に起用されたのも必然だった。NHK「うたコン」の司会は今年で10年を迎えたが、二刀流もいつの間にか司会業に軸足を移していた。


 女性人気の高い谷原を21年からフジが「めざまし8」の司会に起用。初めて情報番組を担当したが、平日の朝でも2桁視聴率を取るテレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」と、日テレの「DayDay.」の後塵を拝した。昨年「サン!シャイン」に衣替えも1年で打ち切りになった。


「情報番組の司会には向かない」の烙印を押された形の谷原。俳優業に軸足を戻すことも考えられるが……。


「雑誌モデル出身俳優は阿部寛反町隆史竹野内豊らは主演クラスで活躍中。

他にも50代の俳優は木村拓哉大沢たかおと粒ぞろい。その中に谷原が割って入らなければならない」(テレビ関係者)


 谷原の事情も考慮したのか(?)フジは3度目の情報番組のチャンスを与えたが、初回から深夜番組並みの数字では巻き返しは至難の業。テレビ関係者は、「最低1年は続けるだけに、内容やゲストで斬新なものを求められるが、今のフジにその力があるかは疑問です」という。


■14時間連続の生放送を敢行


 出はなをくじかれたショックも癒えないなか、フジの平日は「ライブ感重視。パワーアップ」のキャッチで朝から夕方にかけての14時間連続の生放送を敢行する。これまでないタイムテーブルだが、息が続くか心配は尽きない。


 ドラマは他局のように放送前から期待できるものはなく、蓋を開けてみないとわからないのがフジの現状。期待外れに終わらないことを祈りたい。


(二田一比古/ジャーナリスト)


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