突然ですが、筆者は今年の元日の記事のなかで、2018年のクラウドファンディングのトレンドは「睡眠」になると予測しました。この予測が正しかったことを証明するかのように、実際、今年に入ってからもたくさんの睡眠グッズがKickstarterやIndiegogoで発表されています。睡眠トラッカーやスマートな睡眠誘導ライトなど、似たようなコンセプトでありながらもデザインや機能が微妙に違うものが、いろいろ開発されているんですね。


【2018年クラウドファンディング予測】デジタルデバイスは3つのコンセプトを中心に動く!

そんななか今回注目したいのは「寝づらい場所での睡眠サポート」。飛行機で長時間フライトをする場合、「寝るのに適していない環境で寝なければいけない」ことが多々あります。特にエコノミークラスでの移動となると、席がそれほど倒せないことに加えて、どんな体勢をとっても首が前や横に倒れてしまうので、どうしても疲れてしまいますよね。

飛行機の旅をより快適に! スヤスヤ寝れるようになる座席設置型「ネックピロー」

そんな問題を解決するために開発されたのが「NapUp Fly」。現在、Kickstarterで資金募集中の本製品は、飛行機の座席の上部に紐で取り付けてユーザーの頭をサポートします。座席とヘッドレストが別々になっている場合は隙間に紐を通して縦に、それらが一体となっている場合は横に巻いて取り付けます。

飛行機の旅をより快適に! スヤスヤ寝れるようになる座席設置型「ネックピロー」

本製品は、頭の高さに合わせて位置を調節することによって、頭部を前方と横からサポートしてくれる設計。もちろんアイマスクとしても機能します。

首の周りに枕を装着する方がいますが、これでは頭が前に倒れるのを防ぐことができません。しかしNapUp Flyなら、身体がどう傾いても問題ありません。

価格がスタンダード版より1000円ほど高いものでは高品質のスピーカーも装着。リラックスできる音楽を聴きながら眠りにつくことができそうです。必要であれば目の部分だけをめくることも可能。使用しない時は専用のキャリーケースにコンパクトに収納できます。

上の動画の冒頭では、男性が様々な体勢で寝ようとしている姿が描かれていますが、このシーンに共感を覚える方も多いのではないでしょうか? 実際、インターネットで「How to sleep on plane(飛行機での寝方)」と検索すると何千万件もの記事がヒットします。たくさんの人たちが飛行機での睡眠で苦労していることがよくわかりますね。

NapUpのCEOであるBen Cohen-Gazitさんは、アメリカのテクノロジー系メディアDigital Trendsに「NapUp Flyは顔全体をハグしてくれるもの」だと述べていますが、確かによく眠れそうですね。

資金の調達目標は11月30日までに3万ドル。10月25日時点でその51%を達成しています。限定100個の「アーリーバード」プライスでは1つ約4000円(日本への発送は約1000円別料金)。これが完売したら価格は1つ約4400円となります。スピーカー付きのモデルは約5500円。

Kickstarterのコメント欄には「AirAsiaのようなLCCの座席はヘッドレストがわかれてないけど、それでも使えるのか?」「座席に取り付けることで、後ろの乗客の邪魔にならないか」?といった質問が書き込まれていますが、「ヘッドレストがわかれていない場合は横向きにストラップすることができます」「後ろの乗客の邪魔にはならないですよ」とNapupはそれぞれ回答しています。

飛行機の旅をより快適に! スヤスヤ寝れるようになる座席設置型「ネックピロー」

Kickstarterの紹介ページにはWolfson Medical CenterのYair Lampl博士の解説も載せられています。

「飛行機での移動中に睡る方たちに最もよく起きるのは、頭が左もしくは右に極端に曲がり、不自然なポジションになってしまうこと。これによって背骨に不快感をもたらし、こむら返り(ふくらはぎがつること)、肩こり、頭痛などの痛みを伴う症状が生み出されます。さらに悪くなると、病気になることもあります」

さらに、Lampl博士は「NapUp Flyはこのような不健康な姿勢を防ぎ、身体の重心のバランスが取れた姿勢をキープすることで睡眠を安定させてくれます」と述べています。

 

もちろん、飛行機での睡眠問題の理想的な解決策はファーストクラスでの移動ですが、ファーストクラスに乗れない私のような一般の人たちにとってNapUp Flyは魅力的ですよね。座席への取り付けは少し大げさな気もしますが、10時間を越えるフライトであれば、その価値はあるかもしれません。

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