日本の警察でこれを行ったら、賛否が大きく分かれることだろう。

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 韓国の警察が、超危険な飲酒運転をしていた自動車を止めるために、命がけの手段に出た。


 深夜の大田市の警察に飲酒運転の通報が入った。車は進行しているようで、通報を受けた場所の近隣各所に先回りして張り込んでいた。
路地からのろのろとゆっくり出てきた怪しい車両。パトカーを発見したのだろう、突如として急加速して逃走した。パトカーも負けない速度で並走し、停車を求めた。運転手は「了解」と返答しながらも停車する様子を見せない。その車の前に立ちふさがるようにパトカーは停まった。いったん停車するかに見えた乗用車は、パトカーの脇をすり抜けて再度三度猛スピードで走りだした。停まる気=捕まる気などさらさらないのだ。
のろのろといっても路地は時速80~90キロ出していたし、逃げる際は130~140キロで暴走していた車。8車線の交差点でも停まるわけなどなく、時間が時間だったために事故が起きなかっただけの話。このままカーチェイスを行えば、他の車両や歩行者を巻き込む可能性は大きい。


 パトカーは、逃走車両への追突を決行した。しかし、少し速度は落ちたものの車はなお逃走した。そして、駐車場に入りこみ、車止めなどにぶつかりながら進んでいたところに、パトカーは二度目の追突をして、やっと車を止めさせた。

 運転していた男の呼気からは血中濃度0,119%(韓国の飲酒運転基準は0,03%)。ひどい酩酊状態でも、よく逃げるという本能だけは動いたものだ。ただ、裸足だったところをみると、最後に飲んだ地点で車の運転は止められて然るべく状況だった。

 もうパトカーは使い物にはならない状態になっていたが、警察のコメントでは「パトカーは警察官の移動手段だけが任務ではない。あらゆる任務に対応すべき手段だ。必要とあれば廃車を恐れず迷わず使う。今回は適切な方法だった」。

 韓国市民からは、賞賛の声が多かった。

 ちなみに、この警察は、西部警察ではなく、「韓国東部警察」だった。

【編集:fa】
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