長距離格安航空会社(LCC)のエアアジアXバハッド(AirAsia X Bhd.)は2025年10月31日、キャピタルAバハッド(Capital A Bhd.)との間で進めてきた、同社の航空事業買収取引について、株式売買契約書に定められたすべての前提条件が履行または免除されたと発表した。これにより、キャピタルA傘下のエアアジア・アビエーション・グループ・リミテッド(AirAsia Aviation Group Limited)およびエアアジア・バハッド(AirAsia Berhad)の航空事業買収提案が、重要なマイルストーンを達成した。


その他の写真:イメージ

 この買収提案は、エアアジアXの下で「エアアジア・グループ」と呼ばれる統合されたエアライン・プラットフォームの基盤を形成するもので、エアアジアXは「世界初のローコスト・ネットワーク航空会社」として新たな段階へ進化することを目指す。

 統合へ最終段階、前提条件をクリア

 今回、統合への主要な課題が解決された背景には、すべてのステークホルダーの同意書の確保、エアアジアXに対する10億リンギット(約317億円)の私募コミットメントレターの確保、さらに10月17日付のタイ当局による規制免除などが挙げられる。
エアアジアXのダトー・ファム・リー・イー会長は、今回の進展を「エアアジアが次の段階へと進化する上で非常に重要な一歩」と評価。エアアジアおよびエアアジアXがアジアにおけるLCCの先駆者であることを強調し、今回の統合で誕生する「エアアジア・グループ」が世界初のローコスト・ネットワーク航空会社として新たな挑戦を始めると述べた。

 ナローボディ機活用、グローバル接続を強化

 統合後のエアアジア・グループは、東南アジアを世界的なローコスト・メガハブとしてさらに強化する体制を整える。アジア、オーストラリア、中東、ヨーロッパといった主要地域へのネットワーク拡大を通じ、地域経済への波及効果を高めながら、より多くの顧客に快適で安価な旅行を提供する方針だ。
この変革は、革新的なナローボディ機を駆使したグローバル接続戦略に基づき、世界初のローコスト・ネットワーク型航空会社を構築するという、エアアジア・グループの長期的ビジョンと一致する。具体的には、短距離運航の効率性と長距離運航の到達範囲を組み合わせることで、より低価格でシームレスな旅を提供することを目指す。

 LCCとしてアジアを牽引してきたエアアジアグループは、今回の統合を機に、短距離・長距離路線の強みを融合させた新たなビジネスモデルを確立し、世界の航空市場における存在感を一層高める構えだ。

【編集:eula】
編集部おすすめ