フィリピン南部ミンダナオ島の中心都市ダバオで、手頃な価格で地元の食文化を存分に楽しめるビュッフェレストラン「アブハン(ABUHAN)」が、市民や観光客の間で人気を集めている。フィリピン観光省の出先機関や、日本、オーストラリア、イタリアへのビザ発行を代行する窓口が軒を連ねるビル内に位置し、道路を挟んだ向かい側には市の運転免許センター(LTO)がある。
行政手続きや旅行相談に訪れる人々が絶え間なく行き交う拠点において、同店は「ダバオの日常の味」を象徴する場所となっている。

その他の写真:2026年1月6日撮影

 店内の魅力は、何と言ってもその圧倒的なコストパフォーマンスだ。ビュッフェの価格は一人335ペソ(約870円)。昨年12月の改定で付加価値税(VAT)込みの現行料金となったが、依然として値頃感は強く、連日多くの客で賑わいを見せている。提供されるのは、牛テールをピーナッツソースで煮込んだ「カレカレ」や、カリカリに揚げられた豚肉、新鮮な海藻のサラダといった伝統的な家庭料理が中心。素材の持ち味を活かした素朴ながらも奥深い味わいが、訪れる者の胃袋を満たしている。なお、コーラなどのソフトドリンク類は別料金で、一律50ペソとなっている。

 中でも来店客がこぞって絶賛するのが、デザートコーナーにあるアボカドアイスクリームだ。南国特有の濃厚なコクとクリーミーな舌触りがありながら、後味は驚くほどすっきりとしている。取材に訪れた日も、食事を終えたばかりの客がアイスクリームの入った什器の前に列を作り、何度もおかわりをする光景が見られた。色とりどりの伝統菓子や新鮮な果物と並び、このアイスクリームは同店の「看板メニュー」として確固たる地位を築いている。

 官民の重要拠点が集まる利便性の高い立地と、本場の味を気軽に堪能できる敷居の低さ。
活気あふれる異国情緒の中で、フィリピンの豊かな食文化の一端に触れることができるこの店は、現地を訪れる日本人旅行者にとっても、見逃せない選択肢の一つと言えるだろう。
【編集:Eula Casinillo】
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