2026年2月23日、フィリピン南部のダバオ港ササ埠頭第08・09岸壁で、海上自衛隊の最新鋭護衛艦「しらぬい」および練習艦「やまぎり」の特別公開が行われた。在ダバオ日本国総領事館が主催したこの見学会には、現地に居住する在留邦人やその家族ら約70人が参加。
南シナ海情勢が緊迫の度を増す中、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた日本とフィリピンの安全保障協力を象徴する寄港となった。

その他の写真:2026年2月23日撮影 ダバオ港ササ埠頭第08・09岸壁

 海上自衛隊第3護衛隊群(大湊)に所属する護衛艦「しらぬい」と、若き自衛官の教育を担う練習艦「やまぎり」である。参加者たちは期待に胸を膨らませて乗艦した。

 艦内では、現役の自衛官による丁寧な解説が行われた 。特に注目を集めたのは、「しらぬい」の甲板に設置された最新鋭の兵装である。参加者たちは、対空ミサイルや対潜水艦用ミサイルを短時間で連続発射できる「垂直発射装置(VLS)」の説明板を熱心に見つめていた。また、艦首に鎮座する「Mk45五インチ単装砲」の圧倒的な存在感に、多くの参加者が感嘆の声を漏らしていた。格納庫付近では、対潜戦の要となる哨戒ヘリコプター「SH—60K」の性能や任務についてのパネル展示が行われ、自衛官が参加者からの質問に答える姿が見られた。

 会場には、フィリピンでの生活や文化を独自の視点で発信し、多くのファンを持つ著名ユーチューバーの「エクエク」氏の姿もあった。エクエク氏は自らカメラを手に、艦内の様子や自衛官への取材を精力的にリポートし、実況撮影を行っていた。さらに会場にはダバオのテレビメディア各社も取材に訪れており、現地における日本への関心の高さがうかがえた。

 参加した40代の日本人男性は「遠く離れたダバオの地で、日本の国旗を掲げた最新鋭の護衛艦を間近で見ることができ、非常に誇らしく感じる。
隊員の方々の規律正しい態度にも感銘を受けた」と感慨深げに語った。また、フィリピン人の配偶者を伴って参加した居住者も多く、家族連れが甲板上で記念撮影を楽しむ光景が各所で見られた。

 今回の特別公開は、海上自衛官たちの教育航海の一環であり、寄港地での国際親善活動としての側面も持つ。日本政府は近年、フィリピン軍へのレーダー提供や巡視船の供与など、同国との防衛協力関係を急速に強化している。ダバオはドゥテルテ前大統領の本拠地であり、現在はその娘であるサラ氏が次期大統領選への立候補を表明している政治的に重要な土地だ。この地での艦艇公開は、日本のプレゼンスをミンダナオ島においても示す重要な機会となった。

 約45分間の限られた公開時間であったが、参加者たちは機能美にあふれる艦艇の細部まで見学し、海上警備の最前線にある技術力と精神性を肌で感じ取っていた。
【編集:Eula】
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