現地メディアによると、インドネシアのジャワ海で2026年9月13日未明に通信を絶ち行方不明となっていた大型カーフェリー「Virgo Transport 8(ビルゴ・トランスポート8)」(旧日本船「フェリーくるしま」)について、同船が沈没し、これまでに101人が救助されたが、6人の死亡が確認されたことが判明した。依然として136人の行方が分かっておらず、国家捜索救助庁(Basarnas)などが懸命の捜索を続けている。


その他の写真:Wikipediaから、「フェリーくるしま」

同船は乗客・乗員計243人と車両89台を乗せ、12日に東ジャワ州スラバヤを出港した。南カリマンタン州バンジャルマシンに向けて北上していたが、13日午前2時(中部インドネシア時間)ごろ、バンジャルマシンの南南西約150キロ付近の海域(マサレンボ諸島近海)で悪天候に見舞われた。

船長から「波高が最大3メートルに達し、船が大きく傾斜している」と緊急の連絡が入った直後に通信が途絶したという。

■ 海軍や航空機を投入、官民一体の捜索網を展開

未曽有の海難事故を受け、国家捜索救助庁は14日、対策本部を東ジャワ州スラバヤおよび南カリマンタン州バンジャルマシンの両拠点に設置し、捜索体制を大幅に拡充した。

現場海域には、海軍(TNI AL)の哨戒艦や水上警察(Polairud)の巡視艇など、計15隻以上の公船が急行。さらに空軍のヘリコプターおよび海上哨戒機を投入し、上空からの目視およびレーダー捜索を開始した。当局は現場周辺を航行する民間商船や地元漁船に対しても無線で協力を要請しており、官民一体となった広域捜索網が敷かれている。

しかし、現場海域は依然として波が高く、潮流も速いため、生存者や遺体が広範囲に漂流している可能性が高い。荒天と夜間の視界不良に阻まれ、活動は難航を極めている。

■ 昨年7月まで瀬戸内海を航行した旧「フェリーくるしま」

事故を起こした「Virgo Transport 8」は、日本で建造・運航されていた旧「フェリーくるしま」。1987年4月に来島どっく大西工場(現・新来島ドック、愛媛県今治市)で建造され、関西汽船やフェリーさんふらわあ、松山・小倉フェリーなどの運航により、長年にわたり小倉~松山航路などに就航していた。

2025年7月の同航路の休止に伴って引退した後、インドネシアの海運会社に売却され、現在のスラバヤ~バンジャルマシン航路に投入されていた。


約1万7000の島々からなるインドネシアでは船舶が主要な交通手段となっているが、悪天候や老朽船の運用による大規模な海難事故が度々発生している。
【編集:WR】
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