サンオイルのイメージから、油を肌に塗ると日に焼けてしまうと思ってしまいがちですが、美容に使われているオイルの中には紫外線対策に効果のあるものもあります。逆に、肌のダメージになってしまうオイルもあるため、夏の素肌にやさしいオイル選びのポイントをまとめました。


焦げつきを防ぐための油

「サンオイル=日焼けのときにつけるもの」ではありますが、サンオイルは日焼けを促進させるために塗るものではありません。紫外線によるダメージを防止し、きれいに日焼けするために使用するものです。フライパンで肉や魚を焼くときに、油を敷いておいて焦げつきを防ぐようなイメージですね。

実は、美容オイルの中にもサンオイルと同じような効果を持つものがあるのですが、ここで大切なのはオイルの種類! オイルといっても原料によって特性が異なり、場合によってはかえって肌を傷めてしまうことがあるからです。

UV-Bを防ぐ植物性オイル

紫外線対策に有効なオイルは、オリーブオイルや椿油、シアバターといった植物性油脂で、紫外線の中でもB波(UV-B)を防ぐ効果が期待できます。

日焼けの原因となる紫外線にはA波(UV-A)とB波があり、それぞれに特性があります。
紫外線B波は波長が短く、肌の表面の細胞にダメージを与えるため、肌が赤くなる、水ぶくれ、シミや皮膚がんの原因にもなります。これに対して紫外線A波は波長が長く、肌の奥の細胞まで届くので、長い時間をかけてコラーゲンとエラスチンを変性させ、肌のシワやたるみを招きます。

ただし、植物性のオイルで吸収できるのは紫外線B波だけ。長時間屋外にいるようなシーンや日差しが強いときには、完全に日焼けを防止することはできません。そのため、UVカット効果のある化粧品との併用が必要です。

油焼けの心配があるのは鉱物油

一方、紫外線の強い季節の使用で注意したいのは、馬油などの動物性油脂、ワセリンやパラフィンといった鉱物油です。


これらのオイルには紫外線吸収効果はなく、ワセリンなどの鉱物油ではいわゆる「油焼け」を起こす可能性があります。鉱物油を肌に塗って日に当たると、メラニンの生成を促し、シミやソバカスの原因となることがあるのです。

ワセリンは保湿剤として皮膚科で処方されることもありますが、夜の使用のみとし、日に当たる朝や日中の使用は避けるようにしましょう。

これからの季節、オイルの使用には紫外線吸収効果があるものかどうか、意識することが大切。肌のためによいと思って使ったものが、ダメージの原因となることだけは避けたいですね。