食材の効果を生かした組み合わせを知って夏バテを即効解消。焼肉、にんにく、酢など夏バテ対策食の定番は、かえって夏バテを促進することも。
新しいスタミナ食を紹介。

疲れをとるつもりで食べて、かえって疲れることもある
「焼肉やにんにく」でスタミナ補給、「お酢」をたっぷりかけて疲労回復など……。食べている時は元気になったつもりでも、後からぐったりしたことはありませんか?
管理栄養士の森由香子さんによると、実はこうした「夏バテに効く」と思って食べている食事で、夏バテがかえって促進されることもあるのだとか。

例えば焼肉は大事なたんぱく源ですが、焼肉をメインで食べると野菜が足りなくなり、食物繊維やビタミンCが不足。また、肉を食べ過ぎると胃腸に負担をかけたり、腸内の悪玉菌が増えたりして、かえって体がダルくなることも。
にんにくも栄養満点ですが、元気な時にはよくても夏バテ状態でたくさん食べると、抵抗力が落ちて疲れを感じやすくなります。「酸っぱいものは疲れに効く」とお酢をとり過ぎてもダメ。強い酸が、食道や胃に負担をかけ、栄養の吸収を妨げてしまいます。
疲労物質を排出、不足する成分を補って、炭水化物も忘れずに
とはいっても、最近の夏は暑くなる一方。さらにエアコンの効いた室内と外気温との温度差で、体はバテバテになっています。そんな時は何を食べれば、本当の疲労回復になるのでしょうか。

それには、疲れのモトを「出す」成分と、疲れによって体内で消費され、不足する成分を「補う」ことが大切です。

また、意外なポイントが、毎食しっかり炭水化物を摂ること。炭水化物はすぐにエネルギーに変わるので、バテにくくなるのです。とはいえ、炭水化物をエネルギーに変える時にはビタミンB1が必要になり、これが不足すると疲れやすくなるので注意しましょう。
食べれば疲れが吹き飛ぶ これが「新スタミナ食」3品
それでは「焼肉、にんにく、酢」にかわる「新スタミナ食」をご紹介しましょう。どれも毎日の食卓に取り入れやすいものばかりです。

1、トマト納豆
不快な暑さや不眠などが続くと、血中から亜鉛が減少して疲れやすくなります。この亜鉛を効果的に補うのが納豆。疲労で大量消費されるビタミンCを豊富に含むトマトとの組み合わせが、夏バテには最強です。

2、もやし炒め
疲れると老廃物の排出が悪くなります。アンモニアも疲労によってたまる老廃物のひとつ。そのアンモニアを体外に排出する力のあるアスパラギン酸が豊富な食材が、もやしです。火を通し過ぎると栄養素が流れてしまうので、サッと炒める程度にしましょう。


3、豚肉じゃが
豚肉は糖質の代謝を助けるビタミンB1とともに、老廃物を排出するアスパラギン酸が豊富な食材。血流をよくする玉ねぎ、カリウム豊富なじゃがいもと組み合わせると、疲労回復スピードをアップしてくれます。
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