冷蔵庫に入れておいたナスを切った時に、中が茶色になっていて驚いたことはありませんか。
食べてもよいのか心配になってしまいますよね。
ナスが変色する原因と予防法
『農林水産省』の公式サイトでは、「冷蔵保存しておいたナスを切ったら中が茶色に変色していた」という消費者からの相談に対して次のように回答しています。
茄子は高温と多湿を好み、低温と乾燥を嫌うため、冷蔵庫保管すると低温障害を起こして種が黒くなり、傷みやすくなります。
そのため、空気に触れないよう新聞紙に包み、暑い時期以外は常温で保存しましょう。
農林水産省 ーより引用
冷蔵庫は温度と湿度が低い環境。菌やカビの発生を抑えられるため、野菜の鮮度を保ち長持ちさせられますが、低温障害を引き起こす原因にもなります。
『低温障害』とは、寒さによって野菜や果物が傷んでしまうことです。ナスの場合、皮の表面がボコボコとへこんだり、種が黒ずんだりといった症状が見られます。
冷蔵庫で保存する場合は、ナスを1つずつラップで包み、さらに保存袋に入れて、冷気が直接当たらない状態で野菜室に入れましょう。
アク抜きも変色予防になる

※写真はイメージ
また、切り口が空気に触れる時間が長い場合も茶色に変色してしまいます。調理する直前に切る、もしくは切った後は水にさらしてアク抜きすると、変色を防げるでしょう。
ナスはアクが強いため、水にさらしてアク抜きをすることで、変色を防ぐと同時に苦味も抑えられます。
ただし、あまり長い時間水にさらしておくと、水溶性の栄養素『カリウム』や『ナスニン』が流れ出てしまうというデメリットも。
カリウムは高血圧の予防やむくみを解消させる効果があり、ナスニンは免疫力の向上などの効果が期待できます。これらの大切な栄養素を失わないように、水にさらす時間は10分程度にしましょう。
炒め物や揚げ物など油を使って料理する場合は、ナスを加熱直前にカットすれば、アク抜きせずにそのまま調理しても、変色を防げます。
ナスが変色する原因を解説しました。
野菜は冷蔵庫で保存するのが当たり前と考えている人もいるでしょう。しかし、夏野菜であるナスは低温と乾燥が苦手なため、冷蔵庫で保存すると低温障害を起こしてしまいます。
正しい保存方法と調理方法で、きれいにおいしく食べてください。
[文・構成/grape編集部]