暑さが落ち着いて、秋の行楽シーズンがやってくると、お弁当を持って出かけたくなりますよね。
そこで今回は、お弁当にまつわるクイズを出題します!
ご飯、ブロッコリー、玉子焼きを詰めたお弁当に、次のうちどれを加えると栄養バランスがよくなるでしょうか。
A.焼き鮭
B.肉野菜炒め
C.ふりかけ

答えは分かりましたか。
クイズの正解とあわせて、管理栄養士の筆者が栄養バランスのよいお弁当を作る簡単なコツを紹介します!
バランスのよいお弁当とは?
バランスのよい献立は主食、主菜、副菜をそろえることがポイントですが、お弁当作りも同じ。
主食はご飯やパン、麺類などで、炭水化物を多く含み、エネルギー源になるものです。
主菜は肉、魚、卵、大豆製品などを使った料理で、身体をつくるもとになる、たんぱく質を多く含みます。
副菜は野菜、キノコ、イモ、海藻などを使った料理で、ビタミンやミネラル、食物繊維を多く含み、身体の調子を整える働きをします。

主食、主菜、副菜が揃った食事
これにあてはめると、ご飯は主食、卵焼きは主菜、ブロッコリーは副菜です。
最初のお弁当の写真は、主食、主菜、副菜がそろっていることになりますね。
しかし、ご飯は十分な量がありますが、玉子焼き1切れとブロッコリー2房では、主菜と副菜として1食に十分な量ではありません。
選択肢の『A』は主菜のみ、『B』は主菜と副菜を兼ねた料理、『C』は主食、主菜、副菜に該当しないため、このクイズで選んでほしい正解は『B』になります。
ちなみに、選択肢『A』の焼き鮭と『C』のふりかけですが、決して選んではいけないものではありません。
焼き鮭とふりかけはどんな時に選ぶとよいのか、どのように取り入れたらよいのかを説明します。
焼き鮭をお弁当に入れる場合

焼き鮭を主菜にする場合、ご飯やパン、麺類などの主食と、野菜、キノコ、イモ、海藻などを使った副菜もお弁当に入れましょう。
この時、それぞれ1食に十分な量を用意することが大切。
主菜になる玉子焼きを焼き鮭と一緒にお弁当に入れてもよいですが、どのくらい食べたらよいかは性別、年齢、身体活動量によって違います。
そのため、食べる人にあわせて焼き鮭や卵焼きの適量をお弁当に入れるとよいでしょう。
ふりかけを使う場合

文部科学省が公表している『日本食品標準成分表』では、ふりかけは調味料類に分けられています。
ふりかけをご飯にかければ食欲が出て、箸が進むこともあるでしょう。
しかし、バランスのよいお弁当にふりかけは必須のものではなく、使いすぎれば塩分の過剰摂取につながることも考えられます。
まずは主食、主菜、副菜をそろえて、おかずの味で白いご飯を食べてみてはいかがでしょう。
もちろん、ふりかけは使ってよいものなので、ご飯にかけたい場合には、主菜や副菜の塩分を控えめにするなどして調整しましょう。
便利な調味料として、うまく取り入れてみてくださいね。
主菜と副菜を兼ねた料理

肉を使った料理は主菜で、野菜、キノコ、イモ、海藻などを使った料理は副菜なので、肉野菜炒めは主菜と副菜を兼ねた料理になります。
使用する食材の量によっては、それ1品とご飯などの主食でバランスのよい献立やお弁当を作ることも可能です。
クイズのように玉子焼きやブロッコリーと一緒に使って、全体でバランスをとってもよいでしょう。
今回は、鶏肉と秋野菜の甘酢炒めをお弁当に入れました。

完成したバランスのよいお弁当
旬の食材を使えば季節を感じることができますし、好みの味つけでアレンジして楽しむのもいいですね。
ぜひバランスのよいお弁当作りの参考にしてみてください。

フリーランスの管理栄養士、料理研究家。
レシピ開発や記事執筆・撮影、調理、フードスタイリングなど、食や栄養に関するさまざまな業務をおこなう。
健康的でおいしい料理や献立、手軽に栄養摂取できる工夫などを発信している。
⇒ブログ、Instagram、X。grapeにて『今日のごはん、何にする?』を連載中。
[文/小泉明代 構成/grape編集部]