秋の彼岸が訪れる頃に咲く、彼岸花。
鮮やかな赤い花びらと、細長く伸びた雄しべと雌しべが特徴的で、不思議と見入ってしまう魅力があります。
各地で彼岸花が満開となった2025年9月下旬、Xでは、ある『彼岸花の写真』が話題になりました。
「一瞬、彼岸花に見えませんか?」花の正体は…
公開された1枚には、とても美しい『彼岸花』が写っています。
しかし、添えられていた言葉に、違和感を覚える人が続出したのです。
「一瞬、彼岸花に見えませんか?」
この言葉を頭に浮かべながら、次の写真をご覧ください。頭が混乱するかもしれません…!

「一瞬どころか、彼岸花にしか見えないけれど!?」
ネットでは、そんなふうに思ったという人が続出。
しかし、よく見てみると…この彼岸花は、洗濯バサミで作られているのです!
こちらは、『洗濯バサミフォトグラファー』として活動する、岡本なう(@okaphotoart)さんによる作品。
鮮やかな彼岸花が、見事に洗濯バサミで再現されており、驚きますね。
光の入り方によって、彼岸花が持つ神秘的な雰囲気も演出されています。
岡本さんの作品は、公開から2日で、22万件以上の『いいね』がつくほど、大きな反響を呼びました。
・「普通に彼岸花じゃん。何をいっているんだ?」と思って拡大して、洗濯バサミだったから、めちゃくちゃビックリした。
・洗濯バサミを芸術的に撮ろうという発想からして素晴らしい!
・見事に騙された!彼岸花にしか見えなかったよ。
・「え、違うの?」って思ったら、ええー!?天才現る!
洗濯バサミフォトグラファー・岡本なうさんが語る『彼岸花』制作秘話
これまで、あらゆる物を洗濯バサミで表現してきた、岡本さん。
実は岡本さんにとって、洗濯バサミの彼岸花は、毎秋恒例の作品となっています。

2024年に公開された洗濯バサミの彼岸花
grapeは、岡本さんを取材し、2025年の新作である今回の『彼岸花』について、詳しい話をうかがいました。
――新作となる今回の『彼岸花』では、どのようなところにこだわって制作されましたか?
以前の作品から、針金で作った雄しべの先端に取り付ける、半球のパールビーズの部分を改良しました。
針金の先端に固定するのが難しかったのですが、強力な接着剤を見つけたことで解決できました。
そして何より大切なのは撮影です。毎年、洗濯バサミで作った彼岸花が『本物らしく見える』背景や光を探していますが、今回は偶然、秋ならではの繊細な光に出会えたことが大きな収穫でした。
――岡本さんが彼岸花を作り始めたきっかけは、なんだったのでしょうか?
最初に作ったのは、2022年頃だったと思います。秋を迎えるにあたり、彼岸花を作ろうと思ったのがきっかけでした。
ただ、当時は思うように仕上がらず、フォロワーさんから「青い彼岸花が人気ですよ」とコメントで教えていただいたことがありました。
それをきっかけに青い彼岸花も制作したのですが、偶然それが大きな反響をいただきました。
その経験から「みなさんは彼岸花が好きなのだな」と実感し、以来、秋になると毎年制作と撮影を続けています。

2022年に公開された洗濯バサミの青い彼岸花
――今作は、22万件以上の『いいね』を獲得するなど、多くの人に届きました。
普段から、洗濯バサミの投稿が注目されるのは簡単ではないと感じています。
そんな中で、自分自身の『最高の1枚』が多くの方に届いたことは本当に稀で、特別なことだと思います。
日頃から応援してくださるみなさま、そして今回反応してくださったみなさまのおかげです。心より感謝しています。
岡本さんは、ほかにも多彩な『洗濯バサミの彼岸花』を制作、撮影しています。

空をバックに撮影した洗濯バサミの彼岸花

LEDで光る洗濯バサミの彼岸花
クオリティの高さはもちろんのこと、洗濯バサミでアートを作るという発想は、たくさんの人に衝撃を与えました。
普段、何気なく使っている洗濯バサミが、このようなアートに変身するなんて、ワクワクしますよね。
岡本さんの作品は、これからも多くの人に驚きや感動を届けることでしょう!
※本記事は投稿者様の許諾を得た上で掲載しております。
[文・構成・取材/grape編集部]