6月13日(金)に映画『リライト』が公開される。
本作は、高校3年生の美雪が、ある小説に憧れて300年後から来た保彦と恋に落ちることから物語が展開していくタイムリープ×青春ミステリ。
現在、過去、そして未来、時を翔けめぐり「リライト」される運命の行方は?
主人公・美雪を演じた池田エライザと、未来人・保彦を演じ、今作が映画初出演となる阿達慶にインタビュー。撮影エピソードや役作りについてかたってもらった。
――最初に脚本をお読みになったときの感想をお願いします
池田「正直、『ここまでやるか』と思いました。美雪の目線で脚本を読んでいたので、『もうやめてくれ』という思いがありましたし、『巻き戻してしまいたい、前のページでとどまっていたい』と思いました」
阿達「自分がいざ、タイムリープする役を演じるとなると、不思議な感覚がありました。脚本を読んだときは、率直に『どう演じたら良いんだろう』と思いました」
――阿達さん、今回映画初出演ということで、オーディションには、どのような気持ちで臨まれましたか?
阿達「オーディションを受ける機会もなかなかなかったので、絶対取ってやるぞ、という思いでした。オーディションでは、本作のワンシーンを演じたのですが、その時点では物語の全貌はわからないながらも、口に出して演じてみると、違和感なく演じることができました。保彦の感情や心の動きは普段の自分と比べてそう遠くなく、似ている部分があるのかなと思います」
――受かったときはいかがでしたか?
阿達「すごく嬉しかったです。舞台の幕間にマネージャーさんから合格の連絡がありました。普段は厳しいマネージャーさんがすごく喜んでいたことも嬉しかったです。
オーディションが終わったときは、やり切れたという感覚だったので、よかったという安心と緊張感もありました」

(C)2025『リライト』製作委員会
――池田さんが映画の現場に感じている思いはありますか?
池田「たくさんあります。
――今回もそういう実感はありましたか?
池田「ありました。バスに乗るシーンを撮影する際、最小限の人数しかバスの中で乗れないので、いろんな部署の方を置いていくのですが、みんなが『いってらっしゃ~い』と手を振ってくれて、帰ってくると『おかえり~』って手振ってくれて。これが映画の現場の素晴らしいところだと思いますし、同じ目標があるがゆえに、みんなが団結するっていうのが大好きな部分です」
――そんな現場で阿達さんが映画初出演を迎えられたのですね
池田「松居組はすごく朗らかで、かつ演出は豊かな現場なので初の映画出演の現場として、すごく良かったと思います」
阿達「『初めてが松居組でよかったね』とたくさん言われます。松居さんも俳優をやられてるので分かりやすいですし、演じることは楽しいことだということを教えていただいた現場でした」
――池田さんは高校生とその10年後の女性を演じられましたが、どのように役作りされましたか?
池田「監督からはすごくシンプルな演出が1つだけ、『身振り手振りを大きくしてください』ということだけでした。それ以外はほぼなかったのですが、小中学生時代に比べると高校時代のことは覚えていることも多いので、なんとなくあの時の、50%しか面白くないことも100%でバカ笑いしていたようなエネルギーを思い出して、気を上げて頑張りました。同級生を演じた周りのキャストの方々も20代だったので、みんなでやれば怖くない、という感じでした(笑)。
10年後の美雪は今の私と同じ年代なので、大人ならではの悩みに直面し、向き合わなきゃいけないこと、映画の中で描かれていない細かなことや、それによってできてしまった表情筋みたいなものも考えて、美雪の表情を表現することができたのかなと思います」

(C)2025『リライト』製作委員会
――阿達さんは、"未来人"を演じるために気を付けたことはありますか?
阿達「経験豊富な方々が周りで演技されるなかで、自分は初の映画出演だったので、変に作り込みすぎたり、考えすぎたりしないようにしました。映画のなかでも保彦が物語をかき回しますが、周りの方たちが解決してくれる部分もあるので、その保彦のように自分も責任を持ちつつ、相手に委ねたり、自然に肩の力を抜いたりすること意識しました。そうすることによって、うまく保彦を表現できれば良いなと思いました」

(C)2025『リライト』製作委員会

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――2人の役者としての相性はいかがでしたか?
阿達「池田さんがセリフにないこともたくさんパスをしてくださって、そのパスも分からないぐらい必死になっちゃったので、パスを受け取れていなかったり、弾いていたりしてしまいました。そこが未来人の保彦を演じるうえで活きたというのもありますが、少し申し訳なかったですし、感謝しかないです」
池田「美雪の演技は、受け身の芝居が多く、そこが楽しいポイントでもあったので、『保彦の未来人っぽさはどうやって出てくるだろう?』と考えて、『あっ、エイがいる』とかいろいろふっかけていたんです(笑)。
それを(阿達が)拾ってくれた時に、たまたま『未来人って何も知らないじゃん』という言葉が出て、自分でその言葉を言いながら、『そっか、未来人が全知全能だと思ったら大間違いで、未来人は、私たちのことも知らないよな』と気づけたりもしました」
阿達「完成した映画を見て、自然と保彦が引き出されていたなと改めて思いましたし、すごく助けていただきました」
――お互いに役柄にぴったりだと感じるエピソードはありますか?
池田「阿達くんに『好きなご飯何?』って聞いたら、『お母さんのご飯が好きです』と言っていて、そこで(阿達に)未来人を感じました。私と阿達くんは10歳くらい違うので、予想していることとは違う回答をもらうことも多く、10歳下は私からしたら未来人なんだと納得しました。保彦=阿達くんだと感じましたし、年齢差がいい感じに活きたと思います」
阿達「物語上でも保彦に現代のことを教えてくださって、阿達慶としてもたくさんのことを教えていただいたので、本当に感謝という言葉じゃ伝えきれないぐらいです。ありがとうございます」
――尾道が舞台となっていますが、撮影時の思い出に残った場所やエピソードはありますか
池田「商店街の中にある海鮮丼のお店が本当に忘れられないです。その海鮮丼のお店は、すごく安いのですが、新鮮でおいしくて。撮影後に2人の女の子のマネージャーさんと一緒に海鮮丼を食べるのがルーティンになって、楽しかったです」
阿達「とにかく毎日必死だったので、ホテルにいて台本を読むことが多かったのですが、その息抜きとしてレンタルサイクルを借りて、尾道を走っていました。
人もあんまりいなかったですし、夏だったので、青空と山を見ながら自転車で走っていて、気持ちよかったです」

(C)2025『リライト』製作委員会
――この映画を見る方に作品を通して伝えたいところや見どころ、メッセージをお願いします
池田「夏とファンタジーは相性が良いですし、私は劇場で見ることをお勧めします。暑い夏、外から涼しい劇場に入って、全く知らない人たちとこの事件を目撃する、そんなひと夏の思い出を体験しに来てほしいなと思います。夏に夏を感じてもらって、いつか思い出して、あれは何だったんだろうって思ってもらえるといいなと思います」
阿達「遠い300年後から来た未来人、と聞くと自分と切り離して考えちゃうかもしれませんが、300年後も今も意外と変わらない部分があったりするのかなと演じながら感じました。そこを感じることができるのが『リライト』ならではの魅力だと思います。尾道の風景も綺麗で、視覚的にも物語的にもすごく楽しいので、是非、見てほしいです」

(C)2025『リライト』製作委員会
文=HOMINIS編集部
映画情報
映画『リライト』
2025年6月13日(金)全国公開
出演:池田エライザ、阿達 慶、久保田紗友、倉 悠貴、橋本 愛 他
監督:松居大悟
脚本:上田 誠
原作:法条 遥 「リライト」(ハヤカワ文庫)
製作・配給:バンダイナムコフィルムワークス
©2025『リライト』製作委員会
