視覚と聴覚に訴えかける、類を見ない体験型アートが神楽坂に登場。
5月31日(土)より、ギャラリー「√K Contemporary(ルートKコンテンポラリー)」にて、メディアアート界の異才・Gil Kuno(ギル久野)氏の活動30周年を記念した展覧会「::: Unsound Frequencies :::」が開催される。
世界を魅了してきた多彩な作品群と、音と光の融合が織りなす濃密な時間を堪能しよう。
世界を股にかけた創作──Gil Kuno氏の軌跡と評価
Gil Kuno氏はアメリカ・ロサンゼルス出身、UCLAでメディアアートを学んだのち、東京とニューヨークを拠点に活動してきた。
1995年にはインターネット黎明期において「UNSOUND.COM」を立ち上げ、音楽家やアーティストと共に新たな表現の場を築いた。ギター解体ユニット「Six String Sonics」、インターネットバンド「FLOW」「WIGGLE」など、時代の先端を走る試みを続けてきた。

今回の展覧会は、そんな彼の創造力と独創性の結晶を五感で味わえる場だ。素材や技法に縛られない同氏のアートは、観る者に思考と感性の刺激をもたらし、ただの鑑賞にとどまらない“体験”へと昇華する。
規則とノイズが生む美。Gil Kuno氏の30年を辿る
この展示は、同氏の芸術的な軌跡を網羅する回顧展であり、インスタレーションや映像、立体作品を通じて、その創作の原点と進化を同時に体感できる稀有な内容だ。
代表作である『Noise Maker』や、デヴィッド・ボウイへのオマージュ映像作品『15min of fame』、ギターを解体して生み出した『Six Strings Sonics』など、サウンドを起点とした異素材の表現が並ぶ。

《Noise Makers》 2024年Mixed media (画像:What Café 展示風景)
また、新作『Hangi』なども登場。サウンドアートの多様性と深さを探る構成がなされており、いずれの作品も「規則性と不規則性」をテーマに、視覚と聴覚の両方から鑑賞者を引き込む。

《Hangi》2024年 Laser-cut pine, printing Ink 43 × 28cm
サウンドと共鳴する鑑賞体験
会場では、来場者が無線機を装着し、任意のサウンドトラックを聴きながら作品を鑑賞するというインタラクティブな試みがなされる。これにより、視覚と聴覚の相互作用が生まれ、作品への没入感が格段に高まる。
このシステムを使用したライブイベントも展開され、Gil Kuno氏自身をはじめ、山川冬樹氏、足立智美氏といったアーティストが登壇。このオープニングライブは必見だ。
6月14日(土)には、世界的なテクノアーティストKen Ishii氏がレアなNon-Dance DJ Setを行う。ジャンルの枠を超えたサウンドとアートの共演が感性を研ぎ澄ませた大人の観客に響く、特別な一夜となるだろう。

《Noise Paintings: Nosferatu 01’20 -0’30》2022年Print on aluminum(Gil Kuno, ON::OFF::ON, 2022年√K Contemporary 出展作品)
Gil Kuno氏の30年にわたる創作活動の集大成である同展は、アートを深く味わいたい成熟した観客にふさわしい内容だ。
Gil Kuno「::: Unsound Frequencies :::」
会期:5月31日(土)~ 6月21日(土)
会場:√K Contemporary
所在地:東京都新宿区南町6
休廊日:日・月
公式サイト:https://root-k.jp/exhibitions/gil-kuno_unsound-frequencies/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000116195.html
(Fumiya Maki)