空間を構成する“線”に着目し、透明な彫刻のような家具や照明を生み出すデザインブランド「130(ワンサーティ)」が、原宿で国内初となる個展を開催する。
ミラノデザインウィークで注目を集めたインスタレーションの日本初披露であり、革新的な技術と審美眼が融合した作品群は、本質的な美を再発見させてくれるだろう。
空間を再構築する「130」の革新技術とは
6月13日(金)・14日(土)、東京・原宿「THE PLUG」で開催される「Collection of The Grid – Tokyo Edition」は、デザインブランド130による国内初の個展だ。これは、ミラノデザインウィークで17,000人超を動員したインスタレーションの凱旋展示でもある。
展示されるのは4作品。いずれも130が独自開発した「格子構造」と呼ばれる立体造形技術を用いており、再生PET素材で形成された一本の連続フィラメントから構築されている。この手法により、極めて軽量かつ堅牢な構造体が生まれ、機能性と芸術性を併せ持つプロダクトが実現した。従来の3Dプリントとは異なる“線で空間を描く”設計思想が、現代建築や照明デザインに新たな可能性を提示する。
美と構造、そして循環性の融合
130の作品群に共通するのは、美しさと実用性、そして環境配慮を共存させたバランス感覚だ。特筆すべきは、すべての製品がモノマテリアル(単一素材)で構成されており、使用後は解体し再素材化が可能な設計になっている点だ。廃棄ではなく循環を前提としたサイクルは、時代の要請に応えるアプローチと言える。
Malu
透明なラウンジチェア「Malu」。構造そのものをデザインの中心に据えたチェアは、「座る小さな建築」とも称される存在感を持ち、見た目以上の快適性を備える。

Zabu
「Zabu」は座布団のような親しみやすさと、配置の自由度を兼ね備えたソファで、あらゆる空間にフィットする柔軟性を持つ。

Radiant Light
放射格子が星のように空間を照らす「Radiant Light」。単なる照明器具ではなく、空間そのものを演出する彫刻的存在だ。

Trapper
光を捕らえる立体ライト「Trapper」。空間に多層的な光を演出する。

時代と共鳴する“未来のプロダクト”
デザインとは、美しさを追求するだけでなく、社会との接点をどのように築くかという問いでもある。130の展示は「プロダクトの未来とは何か」という思索に触れる場でもある。
革新性、持続性、芸術性。そのいずれもを妥協せず貫いた130のクリエイションは、価値あるものに囲まれて生きることを望む大人にこそふさわしい。
Collection of The Grid – Tokyo Edition
会期:6月13日(金)12:00~18:00
6月14日(土)12:00~19:00
会場:The PLUG
所在地:東京都渋谷区神宮前6-12-9
公式サイト:https://www.130onethirty.com/collection/lighting
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000138277.html
(Fumiya Maki)