青い空と水平線、その向こうに広がる冒険の予感。イラストレーション界の巨匠・永井博氏による版画展「Beyond the Horizon」が、大丸札幌店で開催中だ。
懐かしさと新しさが交差する清涼感ある作品群は、日常を忘れさせてくれる。成熟した大人にこそふさわしい、心に残る体験となるだろう。
青と光のグラフィズムが導く、大人の冒険
5月21日(水)から27日(火)まで、大丸札幌店8階・美術画廊にて開催中の『永井博 版画展 2025-Beyond the Horizon-』。その作品群は、青く澄んだ空と水平線、そしてヤシの木が描き出すトロピカルな景色に満ちている。
永井氏が長年描き続けてきた「夏の風景」は、決して一過性の懐古趣味に留まらない。むしろそれは、未来を想起させる視覚的な冒険の入り口だ。
本展のテーマは「Beyond the Horizon」。地平線の彼方にある、自分だけの物語を手にするための第一歩として、作品が鑑賞者を静かに誘う。
なかでも注目すべきは、ジクレーと呼ばれるデジタル版画技法で制作された7点の新作。精緻な色彩の再現と深い奥行きが特徴で、すべて直筆サインとエディションナンバー入りという稀少性を持つ。

10389 Citrus in a city 画寸455×380mm ED,直筆サイン入り 148,500円(税込)
「Citrus in a city」や「Coral Horizon」など、都会性とリゾート感が絶妙に融合されたタイトルが付けられた作品の数々。現実と夢想の間をたゆたうようなその景色は、慌ただしい日々に静かな余白を与えてくれるだろう。
永井博というスタイルの確立者
1947年生まれの永井博氏は、1970年代からイラストレーターとして活動を開始。とりわけ音楽ファンには、大瀧詠一さんのアルバム『A LONG VACATION』のジャケットを手がけたことで知られている。

10384 Coral Horizon 画寸480×560mm ED,直筆サイン入り 148,500円(税込)
永井氏のアートは、アパレルブランドやステーショナリーとのコラボレーション、さらにはエレキギターブランド「Fender」や「Paul Smith」との協業を通じて、ジャンルを超えて広がってきた。
同氏の作品は単なる鑑賞物ではなく、空間を彩るパートナーとしての価値を持つ。それは、インテリアやライフスタイルにこだわる大人に、所有する悦びをもたらしてくれる。
所有する悦びと、手に入れる“特別感”
本展では、版画購入者への特典も充実している。すべての作品に直筆サインとエディションナンバーが入るほか、オリジナルデザインのレコードスリーヴ仕様カードやレインボーカラーのピックといったアイテムが用意されている。こうした「限定性」もまた、アートを所有する満足感を高めてくれる重要な要素だ。

会場で目にするのは単なる風景画ではない。それは、自分だけの記憶とリンクする風景であり、過去と未来をつなぐ静かなタイムマシンだ。
札幌という都市の静かな美術画廊で、青と光が織りなす冒険の始まりに立ち会ってみてほしい。
永井博 版画展 2025-Beyond the Horizon-
会期:5月21日(水)~5月27日(火)
場所:大丸札幌店 8階 美術画廊
所在地:北海道札幌市中央区北5条西4丁目7番地
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000127.000029095.html
(Fumiya Maki)