文士・吉田健一の交遊と蒐集の軌跡を、本そのものでたどる展示会「吉田健一の交遊錄展 献呈署名本、旧蔵書他から」が神保町・東京古書会館で開催される。期間は6月7日(土)~6月14日(土)だ。

色紙や書簡、旧蔵書を含む多彩な資料とともに、文学史に刻まれた“人と本のつながり”を味わえる一週間となる。

吉田健一を“本”でたどる一週間――東京・神保町で「交遊錄展」...の画像はこちら >>

“交遊”から見える文士の肖像

展示の主題は、吉田健一が遺した名著『交遊録』を軸とした人的ネットワークと蒐集の記録。

三島由紀夫、谷川俊太郎、堤清二ら多彩な文化人への献呈署名本をはじめ、河上徹太郎や福原麟太郎など親交の深かった人物にまつわる旧蔵書・色紙・書簡などが並ぶ。

吉田健一旧宅玄関のハウスナンバー

限定版『葡萄酒の色』垂水書房(17部限定本)

垂水書房や文藝春秋新社から刊行された限定本、吉田健一の旧宅から発見された名刺や地図手紙といった資料も見どころのひとつだ。文学と人生が交差した現場に触れるような展示内容となっている。

書き手としての顔だけでなく、読み手・蒐集家としての吉田健一の魅力にも出会えるだろう。

トークイベントも開催、蒐集家が語る“吉田健一の現在地”

会期中には2回のトークイベントを開催予定。

初日の6月7日(土)には『ケンブリッジ帰りの文士 吉田健一』の著者・角地幸男氏が登壇し、企画者の西村義孝氏とともに語る。最終日の14日(土)には、西村氏自身による古書蒐集の実践と解釈が披露される。

いずれも会場は東京古書会館7階。定員制につき、事前申し込みが必要となる。

神保町で、“本と人”の物語に出会う

名作の背景にあった交流や蒐集、そして時間の中で紡がれてきた言葉たち。

この展示は、文士・吉田健一という人物を、書物を通して立体的に浮かび上がらせる試みでもある。

『金沢』河出書房新社 谷川俊太郎宛署名入り

期間中に神保町を訪れて会場に立ち寄れば、書物の声に耳を澄ませる、静かな時間が待っているはずだ。

吉田健一の交遊錄展 献呈署名本、旧蔵書他から
会期:6月7日(土)~6月14日(土)※6月8日(日)は休館
時間:10:00~18:00(土曜は17:00まで)
会場:東京古書会館 2階展示室
所在地:東京都千代田区神田小川町3-22
最寄り駅:JR「御茶ノ水」駅、都営地下鉄・東京メトロ「神保町」駅
入場料:無料
イベント詳細ページ:https://www.kosho.ne.jp/?p=1554

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000160990.html

(山之内渉)

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