山形市のブルワリー2社が開発した、県産紅花を使用したビール「BENIBANA ALE」と「BENIBANA LAGAR」が誕生。「山形紅花プロジェクト」の一環として生み出された同ビールは、紅花の普及と認知拡大と紅花産業の活性化にも一役買っている。
山形市内の小売店・飲食店を中心に今後、順次販売場所を拡大していく予定だという両ビールを、手に入れてみたい。
紅花文化から誕生した2種類のクラフトビール
日本遺産、日本農業遺産である紅花文化。山形で脈々と生産されてきた紅花は、かつて染色・化粧用の紅の染料として重宝されていたが、時代の変遷とともに需要は減少している。最盛期には180tあったといわれる生産量は、なんと2023年時点で130kgまで減少。
一方、近年では紅の色素を抽出するために、これまで洗い流されてきた「黄色」の色素の価値が注目され、さまざまな大手飲料品に天然着色料として用いられることで再び注目を集めている。
山形県紅花推進協議会は今回、紅花から抽出される「黄色」の魅力に注目。その価値を食を通じて広めるため、「酒田トラディショナルビール」と「蔵王ブルワリー」の協力のもと、「染めるための赤、味わうための黄」をコンセプトにした、紅花の鮮やかな黄色が特徴のビールを生み出した。
軽やかな味わいが魅力の「BENIBANA ALE」
和食や魚料理などに合う軽やかな風味が特徴の「BENIBANA ALE(ベニバナエール)」は2024年、宮城・秋保地区にある「Great Dane Brewing」の開発により限定販売された。同ビールが好評を博したことを受けて今回、山形県内の「酒田トラディショナルビール」による継続生産が決定した。今後は、年間10,000本の製造が予定されている。

苦味がアクセントのキレのある「BENIBANA LAGAR」
山形初のクラフトビール醸造所である「蔵王ブルワリー」が手掛ける「BENIBANA LAGAR」は、紅花から抽出された天然の色素を使用した美しい色合いが魅力。ほんのりと香る紅花の苦味がアクセントになったラガースタイルのクラフトビールだ。
飲みやすさの中に個性が光る味わいとなっており、紅花の魅力が五感で楽しめる仕上がりとなっている。キレのある風味が特徴の同ビールは、肉料理などのしっかりとした味わいの料理にマッチするだろう。

「1%の紅色を守るため、99%の黄色を広める」をコンセプトに掲げた、同プロジェクトの一環として生み出された2種類のクラフトビール。この機会に手にとって、先人たちが守り続けてきた紅花文化をこれからの世代にもつないでいきたい。
紅花クラフトビール詳細ページ:https://www.ymgt-benibana.jp/craft-beer.html
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000163701.html
(kyoko.)