街が記憶を宿すなら、そこに重なるモノや人もまた、時間を映す鏡だ。

日本橋兜町に今夏、新たな複合空間「CASICA KABUTOCHO」が誕生する。

木材の街・新木場で生まれたインテリアショップやギャラリー、カフェなどが集まる複合施設「CASICA」の哲学を受け継ぎつつ、今度の舞台は“金融の街”。「アジアの中の東京」をテーマに、雑貨・アート・料理が交わる新たな日常が始まる。

アジアの雑貨と蒸し料理が彩る、“五感の交差点”

「CASICA KABUTOCHO」は、“アジアの中の東京”をキーワードに、兜町で新たな文化の風景を描く。ショップでは、アジアの路地裏に佇む荒物屋のような佇まいを思わせる雑貨やアート、茶器などを展開。道具と出会う“愉しみ”を提案する。

暮らしとアジア文化を紡ぐ複合店。「CASICA KABUTO...の画像はこちら >>

併設レストラン「可視化飯店」では、アジアをひとつの大陸と見立てたクロス・コンチネンタル・キュイジーヌを提供。

点心や蒸し料理を中心に、日本・台湾・中国の味わいを横断するようなメニューが並ぶ。ナチュールワインや中国茶とともに、喫茶の時間も豊かに過ごせる構成だ。

新木場で始まった“可視化”の思想を引き継いで

「CASICA」の原点は、2017年に新木場で生まれた複合施設。銘木倉庫を改装した空間には、古道具ショップやアート、レストランやスタジオが共存し、ジャンルや時代を越えて「生きた時間と空間を可視化する」場として注目を集めてきた。

新店舗となる兜町でも、その思想は変わらない。空間、商品、料理──すべてが誠実に編集され、訪れた人が思い思いの視点で新しい価値を発見できるよう設計されている。

金融の街から文化の街へ。“場づくり”が導く未来

兜町はかつて東京証券取引所に象徴される“金融の中心”だったが、いまその輪郭が静かに変わり始めている。

平和不動産が主導するまちづくりの一環として、「CASICA KABUTOCHO」はこの街に新しい感性を呼び込む拠点となる。

荒物、蒸気、茶器、声。ジャンルの境界を超えた“編集”が街と呼応し、兜町に新しい意味をもたらす。アートでもない、飲食でもない、商業でもない──そんな曖昧さこそが、人の足を引き寄せる理由になるのかもしれない。

CASICA KABUTOCHO
オープン日:8月5日(火)
所在地:東京都中央区日本橋兜町5-1 兜町第1平和ビル
営業時間:11:00~18:00
定休日:月曜・第2・4火曜(祝日にあたる場合は翌火曜休)

公式サイト:https://casica.tokyo/

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000023902.html

(山之内渉)

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