仏壇・仏具の老舗「アルテマイスター」が、デザイナー・緒方慎一郎氏と協働で新たな厨子シリーズ『縁』を発表した。
桐やシャム柿、大麻布といった素材の個性を生かし、現代の空間に調和する4つのかたちを展開。
同シリーズは「厨子屋 銀座本店」にて、展示販売を行っている。
日常に溶け込む“祈りのかたち”をデザイン
「アルテマイスター」は、福島・会津で120年超の歴史を持つ仏壇仏具メーカー。伝統的な技術を受け継ぎながらも、現代の暮らしに合う「祈りの道具」を提案し続けている。
今回発表された『縁(よすが)』は、食・茶・工芸など多領域で活動するデザイナー・緒方慎一郎氏との協働により誕生した。
“よすが”とは「心の拠り所」や「ゆかり」の意。この言葉を体現するように、住空間にしっとりと馴染む静謐な佇まいが印象的だ。
異なる4つのかたちが生む、多様な祈りの風景
シリーズ『縁』では、それぞれ構造や佇まいの異なる4種の厨子が用意されている。空間や暮らしに合わせて選べるラインナップは、いずれも素材の美しさと現代的な感性が息づく仕上がりだ。
立縁(たちよすが)|借景を取り込む、陰影のデザイン
背景が透けて見える“借景”のような構造を採用。鉄製の観音扉と桐の外箱が織りなす陰影が、空間に奥行きを生む。
座縁(ざよすが)|壁面に寄り添う、柔軟な仕様
壁掛け式のスライド扉を備えたモデル。扉の開閉方向に合わせて額や仏台の位置を自在に変えられ、設置スペースに応じて柔軟に対応できるつくりとなっている。
掛縁(かけよすが)|布で仕上げる、簡潔な造形
大麻布やスチールを用いた、布を掛けて完成させる簡潔な構造の厨子。軽やかで凛とした佇まいは、静かな祈りの空気を空間にもたらす。
携縁(けいよすが)|祈りを持ち運ぶ、棗型の携帯厨子
希少な黒柿や縞栃を使用した棗型の厨子。掌に収まるサイズ感ながら、内部には本尊や小さなお骨を納める設計が施されており、携帯性と実用性を兼ね備えている。
伝統と現代が重なり合う、静かな佇まいを店頭で
同シリーズの展示・販売は、東京・銀座にある直営店「厨子屋 銀座本店」で行われている。
由緒ある木材や金属、布の質感をその目で確かめ、手に取ることができる貴重な機会だ。心の拠り所となる、あらたな「よすが」との出会いを探してみてはいかがだろう。
厨子屋 銀座本店
所在地:東京都中央区銀座1-4-4 ギンザ105ビル1F・B1
営業時間:11:00~19:00(火曜定休)
公式サイト:https://www.zushiya.com/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000039.000085131.html
(山之内渉)