書家・武田双雲氏が、50歳の節目に新たな挑戦を始める。
7月9日(水)から日本橋三越本店で開催される個展「原天回帰~anew~」では、“書の原点”に立ち返った約250点の作品が一堂に会する。
線の美しさを極めた書、伝統工芸との共演、色彩表現への挑戦など、多彩な作品を通して、武田氏の進化と原点回帰の両面に触れられる展覧会となっている。
書と向き合い直す、250点の「はじまり」
“原天回帰”とは、「原点」を「原天」と表現する双雲ならではの造語だ。そこには、たった一つの「点」から天へ羽ばたき、多くの人を包み込むような存在になりたい──という想いが込められている。
本展では、プライドや信念、思い込みといった“凝り固まった自分”を手放し、ゼロから書と向き合った新作群を展示。3歳から書に触れ続けてきた同氏が、あらためて「書とは何か」を見つめ直す姿勢が表現されている。
「感謝(ありがとう)」1,815,000円(57×102cm/金墨・越前和紙)
0.03mの線にもこだわる繊細な筆運びと、文字が本来持つエネルギーを感じさせる作品群は、観る者に静かな余韻を残す。
素材と技法に宿る、深化した美しさ
展示作品は、越前和紙や金沢箔といった日本の伝統工芸とも融合。
たとえば、越前和紙が乾く前に指で描かれた「感謝(ありがとう)」や、金箔を用いた掛け軸作品「飛翔」などは、書という枠を超えた表現の広がりを感じさせる。
「空(E=mc²)」247,500円(18×18cm/金墨・アクリル・アメジスト・キャンバス)
また、墨一色の世界から、色彩を用いた表現へと踏み出したアート作品群も登場。宇宙や自然からインスピレーションを得た「空(E=mc²)」「楽(生)」では、文字と色の交錯が新たな感性を引き出している。
自分自身を“書き直す”体験として
会場内には大型ミラーが設置され、鑑賞者が自らの内面を映し出すことを意図した仕掛けも。「評価や信念をいったん手放し、自分の原点に立ち返る機会にしてほしい」と語る武田氏のメッセージが込められている。

「日々是好日」495,000円(53×20cm/墨・書道紙)
会期中には、武田氏によるライブパフォーマンスやギャラリートークも実施予定。来場者が自由に書を楽しめる「楽書きコーナー」も常設され、書と向き合う時間そのものが“自分自身を見つめる旅”となるだろう。
武田双雲展「原天回帰~anew~」
会期:7月9日(水)~7月21日(月・祝)※最終日午後6時終了
会場:日本橋三越本店 本館7階 催物会場
所在地:東京都中央区日本橋室町1丁目4-1
特設サイト:https://www.mistore.jp/shopping/event/nihombashi_e/souun_50
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002934.000008372.html
(山之内渉)
※価格はすべて税込
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