京都・京丹後の間人(たいざ)と宮(みや)地区を舞台に、自然と芸術の融合を目指す集落構想プロジェクト「あしたの畑」が、2025年夏に一般公開される。
このプロジェクトは地域の土や伝統技術を活かしながら、次世代に受け継ぐ価値ある空間を創出する。
時間が静かに流れる、再生的な暮らしの舞台
「あしたの畑」は、食とアートを軸に人のつながりを生み、地域の自然や文化を未来に繋ぐための集落構想プロジェクト。2025年の夏期公開では、京都府京丹後市で土日祝を中心に4つの展示空間が開かれる。目玉は、現代美術家AAWAAが3年かけて手がけた「間人レジデンス」。丹後の朱土や手漉き和紙、木材などを駆使し、自然と共鳴する静謐な空間を生み出した。職人や作家の手仕事が重なり合い、感性を研ぎ澄ませる余白が広がる。

また、築60年の織物工場を再活用した「SEI TAIZA」や、木の温もりに包まれる「間人スタジオ」では、土地の素材と技術を融合させた創造の試みが続いている。これらは単なる建築物ではなく、自然との対話を促す舞台でもある。


土から生まれる、未来への手がかり
宮地区では、竹野神社を見下ろす地に「宮ティーハウス」を建設中。建築家アンナ・へリンガーと陶芸家マーティン・ローチが主導するこの空間は、地域の土と版築技法によって形づくられる。お茶を媒介に人が集い、自然と共に生きる姿勢を育む場として構想された。会期中は、制作過程の模型展示やガイドツアーも実施され、構想の全貌に触れることができる。

10月以降は、ワークショップ形式での建設が進行。土を突き固め、植栽を施す手作業を通じて、人と自然、そして土地の記憶が交わる現場体験が待っている。
丹後の風土が育む美と文化の深層へ
京丹後は古代遺跡と豊かな自然、丹後ちりめんや発酵文化など多彩な文化的背景を持つ土地。「あしたの畑」は、こうした地域資源を礎に、500年後に人々の誇りとなる遺産を創出することを目指している。芸術や建築が一過性で終わらず、地域と共に育ち、次代へと継がれていく仕組みだ。

この夏、都会の喧騒から一歩離れ、丹後の静けさと創造の息吹に包まれる旅へ出かけてみてほしい。アートがただの鑑賞物でなく、自分の時間と対話を生む“場”となる瞬間が、きっとここにはある。
あしたの畑2025:夏期公開
会期:8月9日(土)~9月15日(月・祝)の土・日・月曜、祝日 ※火~金曜休み
開催時間:11時~17時 最終入場16時
会場:間人スタジオ、SEI TAIZA、間人レジデンス、宮のあしたの畑
料金:全会場共通 1,000円(税込)1時間ごとのツアー制/要事前申し込み
アクセス詳細:https://maps.app.goo.gl/gxwhEuCiPwWQpwmj6
公式サイト:https://tomorrow-jp.org/program/2025summer/
チケット購入ページ:https://square.link/u/20G8pcnU
「宮ティーハウス」版築ワークショップ
詳細ページ:https://tomorrow-jp.org/program/rammedearth/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000102137.html
(Fumiya Maki)