長野県飯綱町の「いいづなアップルミュージアム」では、8月30日(土)から9月28日(日)まで、彫刻家・西村大喜氏による企画展「竹から物語 西村大喜の世界」を開催する。
放置竹林問題をアートで啓発する西村氏が、竹という素材の概念を覆す滑らかな曲線と美しい質感の作品で、来場者を魅了する。
existence
りんごの町で出会う、竹アートの新境地
一般的に竹といえば、硬く節のある直線的な素材というイメージがある。だが、西村氏の手にかかると滑らかな曲線と美しい質感を持つ芸術作品に変貌。その圧倒的な技術力と独創性は、見る人の竹に対する固定概念を根底から覆す。
会場となる「いいづなアップルミュージアム」は、“りんごづくしのちょっと変わったミュージアム”として親しまれる施設だ。りんごという身近な果物をテーマにした空間で、竹という日本の伝統的な素材を使った現代アートに触れるという、興味深い楽しみ方ができる。
展示では『existence』『want to be apple』『please eat』『sitting bamboo No.17』など、竹から生まれる想像を超えた美の世界を体験できる。竹の持つ可能性を最大限に引き出した作品群は、来場者に新たな美的体験をもたらしそうだ。

please eat
放置竹林問題をアートで発信する芸術家
西村大喜氏は、放置竹林や放置山林の問題をアートという表現を通じて啓発している現代彫刻家。切った竹のパーツを貼り合わせては削るという工程を繰り返すことで、竹という概念を見事に壊した革新的な作品を生み出している。
1986年兵庫県宝塚市生まれの西村氏は、宝塚造形芸術大学、国立鳴門教育大学大学院にて石彫を学んだ後、2011年から2016年まで彫刻家・大成浩氏のアトリエでアシスタントを務めた。現在は国画会会員として活動している。
2018年頃より竹材の彫刻を軸とした制作を開始し、従来から研究し続ける石彫作品と共に幅広い表現活動を展開。放置竹林は全国的に深刻な環境問題となっているが、西村氏はこの問題をアート作品として昇華させることで、多くの人に問題意識を持ってもらうきっかけを作っている。
身近でありながら奥深い竹の新たな可能性を発見し、同時に環境問題について考える機会にもなる今回の展示。日常では見ることのできない竹アートの世界を、実際に体験してほしい。
竹から物語 西村大喜の世界
会期:8月30日(土)~9月28日(日)
開催時間:9:00~16:30
会場:いいづなアップルミュージアム 企画展示室
所在地:長野県上水内郡飯綱町倉井5
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000227.000076519.html
(春緒)