9月11日(木)、12日(金)、14日(日)の3日間、東京フィルハーモニー交響楽団の9月定期演奏会が開催。首席指揮者アンドレア・バッティストーニのもと、“自然”をテーマにした名作2曲が披露される。
イタリアのピツェッティ『夏の協奏曲』と、リヒャルト・シュトラウスの交響詩『アルプス交響曲』。19~20世紀の自然観をたどるプログラムに注目したい。
自然への賛歌を音楽で紡ぐ、2つの交響作品
首席指揮者アンドレア・バッティストーニが今回取り上げるのは、リヒャルト・シュトラウスの『アルプス交響曲』と、イタリアの作曲家イルデブランド・ピツェッティによる『夏の協奏曲』の2作品。
『アルプス交響曲』は、バッティストーニが待望していた楽曲であり、大編成を要するこの作品において、オーケストラを存分に鳴らす彼の手腕と、オペラ指揮者として培った表現力が存分に発揮されるだろう。
リヒャルト・シュトラウス(1864-1949)

イルデブラント・ピツエッティ(1880-1968)
一方のピツェッティは、同じくオペラと管弦楽作品を中心に活動した“80年世代”の作曲家。
今回披露される『夏の協奏曲』(1928年)は、東京フィルが日本初演した所縁のある楽曲で、「ピツェッティの田園交響曲」とも称される3楽章構成の作品だ。
アンドレア・バッティストーニ×東京フィル
オペラとシンフォニーの両分野で国際的な評価を高める俊英、アンドレア・バッティストーニ。
1987年生まれのイタリア出身で、今年1月にはトリノ王立歌劇場の音楽監督にも就任し、その活躍の場をさらに広げている。
東京フィル首席指揮者アンドレア・バッティストーニ Ⓒ上野隆文
東京フィルハーモニー交響楽団 Ⓒ上野隆文
共演する東京フィルハーモニー交響楽団は、日本最古の歴史を持つ名門オーケストラ。1911年の創立以来、多彩なレパートリーを展開し続け、国内外の指揮者・ソリストとの共演を重ねてきた。
今回の公演でも、その緻密で壮麗なアンサンブルに期待がかかる。
自然と響き合う、音楽の原風景を体感して
ヨーロッパの風土に根差した2つの交響作品を通して、自然の美しさや人間の営みへのまなざしを感じ取れる今回の定期演奏会。
アンドレア・バッティストーニの情熱的な指揮と、東京フィルの緻密なアンサンブルが織りなす音楽体験は、まさに“生きた風景”そのものだ。
音楽が描く自然の息吹に触れたい方は、会場でその響きを確かめてみてほしい。
東京フィルハーモニー交響楽団 2025年9月定期演奏会
指揮:アンドレア・バッティストーニ
日時・会場:
9月11日(木)19:00 サントリーホール
9月12日(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
9月14日(日)15:00 Bunkamuraオーチャードホール
プログラム:ピツェッティ/『夏の協奏曲』、R. シュトラウス/『アルプス交響曲』
料金(全席指定):SS 15,000円 / S 10,000円 / A 8,500円 / B 7,000円 / C 5,500円
特設ページ:https://www.tpo.or.jp/information/detail-20250914.php
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000105.000053202.html
(山之内渉)