北海道白老町の民族共生象徴空間ウポポイでは、9月13日(土)から23日(火・祝)まで、アイヌ民族の豊かな食文化を体験できるイベント「ピリカ スケ・ピリカ ハル~おいしい料理・おいしい食べもの~」が開催される。自然の恵みを巧みに活用し、世代を超えて受け継がれてきたアイヌの食の知恵を、伝統料理から現代的なアレンジまで、幅広く体験できる。
海からの贈り物、フンペ(くじら)料理を味わう
アイヌ民族は、自然の恵みから、どんな食料をいつ・どこで獲得し、どのように料理するのかという知識を受け継いできた。同イベントでは、伝統的なアイヌ料理や食文化とともに、ラーメンやカレーなどアイヌ料理の新たな取り組みについても知ることができる。
さらに同イベントでは、アイヌ民族にとって貴重な食料だったフンペ(くじら)を使った料理も楽しめる。「イペアン ロ!~フンペオハウ(くじらの汁もの)~」では、現在も白糠町で食べられている伝統的なくじら汁を、現地の伝承者から学んだ調理法で再現。なかなか食べることのできない希少な一品を実際に味わいながら、アイヌ文化への理解を深められる機会だ。
また13日(土)夜には「ポロトコタンの夜」と題し、白老に伝わる「フンペ リムセ(くじらの踊り)」も披露。食と芸能を通じて、海の恵みに感謝するアイヌ民族の精神文化に触れることができる。

伝統と現代が融合した、新しいアイヌ料理の可能性
さらに伝統的な食文化をベースにした現代的なアレンジ料理も見逃せない。14日(日)には「ポネオアウラーメン試食会」を開催。阿寒アイヌコンサルンの廣野洋氏と札幌のアイヌ料理店「ケラピリカ」が共同開発した、ウポポイでしか味わえない特別なラーメンを、100食限定で提供する。
動物の骨が入った汁もの、ポネオアウの概念を現代のラーメンに応用した、まさに食文化の進化形といえるだろう。
20日(土)の「シケレベカレー試食体験」では、アイヌの音楽バンド「nincup(ニンチュプ)」の豊川容子氏が手がける、キハダの実、別名シケレベをスパイスに使用したカレーが登場。アイヌの伝統的な食材が、現代の料理に新たな風味をもたらす革新的な一品だ。
自然と共に生きるアイヌの知恵を、現代に伝える
アイヌ民族は長い歴史の中で、自然の恵みを獲得し、調理する知識を培ってきた。
食を通じてアイヌ民族の世界観に触れる、充実した11日間だ。北海道の秋の味覚とともに、日本列島に根ざす多様な文化の豊かさを再発見できるだろう。

ピリカ スケ・ピリカ ハル~おいしい料理・おいしい食べもの~
開催期間:9月13日(土)~23日(火・祝)
開催時間:9:00~18:00(土日祝は20:00まで)
所在地:北海道白老郡白老町若草町2丁目3 ウポポイ園内
公式サイト:https://ainu-upopoy.jp/specialevent-autumn2025/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000057.000122187.html
(春緒)