キャバクラやガールズバーなどはかなり身近なイメージかもしれませんが、水商売は他にも多々あります。風俗弁護士をしている私の長年の経験からお勧め等の水商売を雑談風に解説してみましょう。
●水商売といっても、さまざまな業種がある
たとえば、ディスコティックラウンジのポーターから、キャバレーのホステスさんまで多様ですが、今回は接待遊飲営業等のお客様を風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律の接待(歓楽的雰囲気を醸し出して客をもてなす行為)をするいわゆるホステスさんに限って検討してみましょう。
業態としては、クラブの高級ホステスから、キャバクラといったものの主な違いをまずみましょう。
●キャバクラ
まず、私たちに最も身近なキャバクラ(ニュークラブ)ですが、ご存じのとおり、キャバクラはクラブのゴージャスさとキャバレーの大衆性を兼ね備えた新業態で、昭和60年くらいに誕生されたといわれています。
料金体系は時間制で、一時間ごとのセット料金で通常はハウスボトルが飲み放題、ほかに税金・サービス料が30パーセント、また指名や同伴の場合は別途料金が発生します。
ただ、時給といっても時間給は、指名や個別ボトルの売り上げで変動して、お客様に来てもらうためには、同伴やアフターを積極的にしなくては、万年ヘルプ(フリーや指名で空いているお客の席に着くこと)のままで、時給等はアップしません。
●高級クラブ
つぎに高級クラブを見ると、キャバクラ以上に個々の顧客の管理は担当ホステスさんの裁量に任されます。高級クラブは、時間制でないところが多く、セット料金とあとは注文したアルコール等からの売り上げが計算される仕組みで、顧客にどれだけ店にお金を落としてもらうかで、所得はかなり上下します。
この場合、同伴やアフターなどはもちろん、それなりに顧客管理して店にきてもらわないと収入がなくなるわけで、極めて個人事業主に近い形態となります(店の指揮監督下にほとんどないとすれば個人事業主といえましょう)。
以上の代表的なクラブとキャバクラを見ると、かなり顧客管理が難しいところでしょう。
これらの、顧客管理が高度に要求される業態に比べて、すこしライトな水商売としてスナックなども検討してみるとよいと思います。ただ、これは2~3人のホステスさんを抱えて営業している小規模な店舗が多く、労働契約締結の際、アバウトなことも多いのも注意ですし、またあくまで風俗営業等の業務の適正化等に関する法律の「接待」を行っている以上、許可を得て営業しているかも注意を要します。
●ガールズバー
ここで、一つのカテゴリーとして最近かなりの数存在するガールズバーについて、法律上ガールズバーが接待をしているかいつも議論の対象となりますが、「決して横に座らず、カウンター越しだから」という理由で接待に該当しないとは法文は規定していません。
実質的に「歓楽的雰囲気を醸し出して客をもてなしているか」を基準に決定されます。
したがって、無許可店などで従事していると思わぬトラブルに巻き込まれることもありますのでご注意を!ある都道府県では、20分以上特定の顧客に特定の女性がカウンター越しでも断章していれば接待にあたるとの基準で取り締まりをしているときいたことがありますので、やはり許可店をお勧めします。
●ピンクサロン
最後にピンクサロンといわれる業態も存在します。これは接待遊飲営業の業態をとりながら、性的サービスを行う業態で郊外などではまだまだ人気です。しかし、個室でないため公然わいせつで摘発された際はホステスさんも処罰の対象となりますし、一度性風俗系の職につくと、キャバクラなどからNGを食らうこともあり注意を要します。
●目的によって仕事を選ぶことが大切
ざっと見た感想ですが、アルバイト程度なら、スナックやガールズバーといった拘束の少ない業種から始められるのがお勧めですが、水商売でとにかくやってやるぞという方は、クラブやハイグレードなキャバクラにいきなり飛び込んで、先輩の仕事ぶりから学び、徐々に自分のお客を掴み成功されるのももちろんよき方法です。
要は水商売でどうしたいか、副業として少しの収入を期待するのか水商売で思いっきり成功したいかなどご自身の目的をよく考えて無理なされずされることをお勧めいたします。
*著者:弁護士 小西一郎(聖マグダラ法律事務所。