本格スマホカードバトル『シャドウバース(Shadowverse)』は、2016年6月17日の配信以来、国内外で定期的にオンライン大会、オフラインの大規模賞金制e-sports大会が開催されるなど大きな盛り上がりを見せています。
一方で、本作は必要なカードを入手してデッキを組む性質上、他のソーシャルゲームと比べて課金の重要性が高く、さらに対人戦の成績によってビギナーからマスターまでランク分けされるので上級者と初心者に差が付きやすく見えます。
そこで、数々の対戦型カードゲームをプレイしてきた筆者が、「今から始めて上級者に追いつけるのか」を検証してみました。本記事は一つの考察に過ぎず選択したクラスや戦術の違いはありますが、考え方は共通している部分が多いので、『シャドウバース』をこれから始める人の参考になればと思います。
■課金額を抑えながら上級者に追いつく
上級者の仲間入りを果たすのを目標としつつ、できる限り課金をしないで辿り着けるところを探りたく、今回は「ランクをかけて争うランダムマッチング対戦」で、Aランクになるのを一つの区切りとします。
本作は全てのカードを使用できる「アンリミテッド」と、最新の5つのパックとプライズのみ使用できる「ローテーション」の2つのフォーマットがありますが、筆者は「アンリミテッド」で挑戦をしています。
■最終的に課金は避けられないのは心得ている
これまで対戦型カードゲームをプレイしてきた経験から、優れた能力を持つカード無くしてデッキが強くならないのは分かっています。絶対に負けないデッキなどというのは存在しませんし、定期的に新しいパックが出るので同じデッキのままだと戦術は古くなるからです。
もちろん、楽しみ方はそれぞれだと思います。今回はあくまでも上級者に追いつくことを前提に、いつかは避けられない課金をできる限り遅らせました。なぜなら、やみくもに課金をして高レアカードを入手しても勝てません。
優れたカード=高レアカードであることは必ずしも成立しないからです。自分が勝つためのデッキを組むにあたって、本当に必要なカードが決まるまでは、ひたすら仮説と検証を繰り返します。
※本作ではカードパックを購入する以外に、エーテルを溜めることで好きなカードを生成できますが、高レアカードの生成には時間がかかるため、課金ありきで考えています。
■自分の感性に合うデッキを選んだ
本作は8つのクラスから1つを選び、そのクラスでしか使えないカードをメインにデッキを組みます。クラスごとにデッキの特性は解説されているので、自分の好みで選びました。流行のデッキ、扱いやすいデッキを選ぶという選択もありますが、自分の感性にピッタリ来ないと長続きしないと判断したからです。
クラスごとの相性はもちろん、優秀なカードが多いなど現環境で抜きん出ているクラスは間違いなくあります。それでも、できる限り公平になるように運営がゲームバランスを調整している限り、どのクラスでも一番になれる確率はあるはずです。
次のページ:悩み抜いて、ヴァンパイアを選択!
■ヴァンパイアデッキの特性
筆者は昔から、ハイリスクハイリターンのデッキ構成が好きでした。なので、本作では、ヴァンパイアというクラスを選択しました。
ヴァンパイアは、自らのPP(ユーザーの体力)にダメージを与える代わりに、強力な能力を持つカードを得意とするクラスです。体力が10以下になると「復讐」状態になり、能力が大きく強化されるカードが多くあるのが特徴。非常に強力なクラスですが、体力を失ったことでリスクも高まるので上手く立ち回る必要があります。あとは高火力なフォロワーが多く、相手の体力やフォロワーにダメージを与えるカードも豊富です。
最終的には全てのクラスを一定のレベルで使えるようになろうと思いますが、短期間でランクを上げるには一つのクラスに注力したほうが近道だと判断しました。
■ヴァンパイアデッキを模索する
まずは練習も兼ねてストーリーモードを進めます。NPCが相手なのですが、ゲームバランスが取れているので初心者でもルールを覚えながら、あまり負けずに進めることができます。
なかなか勝てない時もありますが、高レアカードも含めた構築済デッキをレンタルできるので、クリアするための課金はほぼ必要ないと感じました。構築済デッキは現在、クラスごとに3種類出ているので、基本的なデッキパターンを把握するのに役立ちます。
■トータル3,000円弱の課金
ログインボーナス、ミッションクリアでもらえるカードパック引き換えのコインとエーテルで、新パックやカード入手をまかなえるのですが、ちょうど2周年記念キャンペーンであったこともあり、今回は3,000円ほど課金しました。
それによってヴァンパイアの構築済デッキを2種類手に入れました。最終的にはほとんどデッキに使っていないのですが、それでも仮説と検証の段階ではかなり役立ちました。
それと、『グランブルーファンタジー』とコラボも始まったので、デッキには必要ないのにキャラクター目当てで課金してしまいました。本作はリーダースキンやエンブレム、カードスリーブで、お気に入りのキャラデザインを選べるのが嬉しいですね。カードを遊ぶ人の気持ちを分かってくれています。
あとは、カードを分解してエーテル生み出せるので、他クラスのあまり使わなさそうなカードを分解してヴァンパイアデッキ構築に活かしました。
■対人戦では現環境において“最強”「天狐ビショップ」デッキが7割
ストーリーモードは1日1~2時間ほどプレイし、トータル3日でクリアできたのですが、その後すぐランクマッチに挑むのは怖かったのでフリーのマッチングバトルで対人戦の経験を積みました。
理由は大きく二つ。一つ目は自分のデッキコンセプトを確立できていなかったからです。本作においてデッキ構築は例えるなら「方程式を組む作業」のようで、カード同士が連動したコンボの連発ができないと相手を上回ることがなかなかできません。同じクラスでも戦術パターン(=連動するカードの分類)は様々なので、パッと見て優秀だと思ったカードをデッキに入れても他のカードと噛み合わないことが多いのです。
しかし、これは予想できていたことで、CPU戦から対人戦に進む過程で自分のデッキを研ぎ澄ませる作業は避けて通れません。展開の早さ、連動の巧みさは、例え対戦相手が初心者であっても、ストーリーモードのCPUより上回っているのは、本作に限ったことではないはずです。
二つ目は、現環境において最良の方程式を作り挙げた「天狐ビショップ」の存在。ビショップクラスのデッキなのですが、「天狐の社」を使って回復しながら相手やフォロワーにダメージを与えられるので、自分のフォロワーが無傷で残りやすいという特徴があります。回復系カードが多いビショップでは、1ターン内でこちらが何度もダメージを受けるのがざらでした。まるでロック状態のようで、発動した時点で王手をかけられた心境になります。
すっかり流行しているようで、後に挑戦するランクマッチでも7割以上のユーザーが同デッキの使い手でした。
次のページ:いざ実践!Bランクまで上がったレシピも公開
■結論は6ターン以内に決着をつけられるデッキ
初めて二週間くらいでランクマッチに挑戦しました。バトルに勝利するとBPが増え、負けると減少し、一定数のBPを蓄積することでランクが上がっていきます。ちなみに1クラスにつき0~3まで4段階あります。
挑戦1日目はビギナークラスだというのに、「天狐ビショップ」ばかりと当たるので全然勝てず。それ以外のデッキはなんとか勝てたので、少しずつ勝利を積み上げてランクを上げていきました。
しかし、Dクラスに上がった時からデッキの格差を感じるように。本作のバトルは、それぞれのユーザーが、相手に先んじて盤面に自分のコンボを展開させることを目的としています。しかし、筆者の場合は、コンボを組むためのキーカードを揃えるために、課金をしなくては厳しい状況でした。構築済デッキ2種類ではまかなえません。
結論として、「天狐ビショップ」、カード格差、この2つを打破するデッキ構築は一つ。こちらの体力が0になってもいい、紙一重で良いから勝つ「肉を切らせて骨を断つ」デッキでした。
■ひとまず完成したデッキリスト!これでBランクまで上がった
筆者が戦力的にも相性的にも苦手としたのが、「天狐ビショップ」に代表されるコントロール系のデッキ。本作において相手の方程式が完成するのは、だいたい6ターン以降。ならば、少々バランスが悪くてもその前に決着をつけられるデッキを目指すことにしました。こちらは高レアカードを必要とせず、コストが大きく抑えられるのも大きかったです。その都度、微調整を加えましたが、基本的なデッキリストは以下の通りです。
<フォロワー 20枚>
蠢く死霊 3枚(コスト1)
呪剣の吸血鬼 3枚(コスト1)
糸蜘蛛の悪魔 3枚(コスト2)
パフォメット 3枚(コスト2)
ベルフェゴール 3枚(コスト4)
ダークエンジェル 3枚(コスト4)
デーモンオフィサー・エメラダ 2枚(コスト7)
<スペル 15枚>
血の取引 3枚(コスト2)
鋭利な一裂き 3枚(コスト2)
群れなす飢餓 3枚(コスト2)
絡み付く鎖 2枚(コスト2)
熾天使の剣 2枚(コスト2)
黙示録 2枚(コスト8)
<アミュレット 5枚>
黒死の仮面 3枚(コスト2)
ブラッドムーン 2枚(コスト2)
■展開の流れ
1ターン目
相手と自分の体力にダメージを与えるフォロワー「蠢く死霊」を場に出す。
2ターン目
「パフォメット」を場に出して、ヴァンパイア・フォロワーをランダムで手に加える。
3ターン目
「ブラッドムーン」を場に出して、体力を損なわずに復讐状態に。
4ターン目
「ベルフェゴール」を場に出して、デメリット無しで手札2枚引く。
※先行なら5ターン、後攻なら4ターンが経過した時点で、フォロワーの能力値を強化する進化ができるので、進化させて相手の体力を削る。
5ターン目
復讐状態ならすぐに相手の体力を削れる「ダークジェネラル」を場に出す。「蠢く死霊」を引いていれば、場に出す。
6ターン以降
「パフォメット」「ベルフェゴール」「血の取引」で手札を大量にドローしつつ、奇襲効果がある「鋭利な一裂き」「ダークジェネラル」で相手の体力を削ります。
フォロワー除去カードはあまり優先しません。防御に関しては急場さえ凌げれば良いので、守護を持つ「糸蜘蛛の悪魔」や低コストでダメージを無効化してくれる「黒死の仮面」の役割は大きいです。
「天狐ビショップ」デッキのアミュレット対策で「熾天使の剣」「デーモンオフィサー・エメラダ」も欠かせません。
速攻型のデッキ以外は、自分に有利な盤面を作り出すのに時間がかかるのと、基本的にフォロワーは場に出した次のターンからしか攻撃できないのを逆手にとります。この構築で、「天狐ビショップ」デッキに対する勝率もだいぶ上がり、対人戦に関しては勝率65~70%にまで上がりました。
■昇級戦
1日10時間以上プレイして試行錯誤しながら、勝率を上げ続けて4日目にしてBクラス昇級試験へ。自動的に上がらないんだ…と内心ビビっていたのですが、ランダムで4人のユーザーと戦って2回勝てば昇級なので、確率は低くないはずと気を取り直しました。
初戦・ビショップ
相手は「天狐ビショップ」でした。運が悪いなと思いつつ、いざバトル。こちらの手札周りが悪い内に相手の盤面が完成して詰み!ギリギリまで粘ったんですけど、後半になればなるほど勝率が落ちるのは分かっていました。
二回戦・ネクロマンス
最初はこちらが優勢な盤面で進めるも、「ラストワード」能力をもつフォロワーで粘られ、こちらのフォロワーは駆除され、盤面上では圧倒的不利に。「黒死の仮面」でなんとか時間を稼ぎます。
その間に、スペルカードで相手の体力を削り、最後は「鋭利な一裂き」「ダークジェネラル」の奇襲攻撃でかろうじて勝利しました。本作は盤面を有利に運ぶゲームなので、盤面が不利でも勝てるのは可能性が広がりますよね。
三回戦・ロイヤル
場に大量のフォロワーを展開して速攻を得意とする相手。相性的には五分だと思うんですが、こちらの盤面が回らないうちに押し切られてしまいました。速攻同士なので、出遅れればあっという間に負けてしまいます。
四回戦・ヴァンパイア
もう後がない最後の相手は同じクラス同士。正直、ヴァンパイアとの勝率が一番高かったので、幸運だと思いました。このクラスは自分も研究していますから。相手はパペットを場に大量に展開するスタイルのデッキで、バーンダメージでユーザーPPを削るという戦法は似ていました。
同タイプなので後で苦しくならないように相手のフォロワーを除去しますが、あちらも除去カードが豊富なのでこちらのフォロワーも除去されることを繰り返します。そうしているうちに、相手にメイルストロームサーペントという切り札で盤面有利に立たれます。でもこちらは、「蠢く死霊」「ダークジェネラル」で相手PPを削る算段がついていたので、精神的にも余裕があって狙い通りに勝てました。
ようやくBランクになりました。ここまでひたすら戦っていると、他クラスのデッキパターンやキーカードも頭に入ってきます。それを見落とさずに除去カードを当てられれば、プレイングミスや対応の遅れが減るので、全カードは頭に入れておくべきだと感じました。
ただし、この先はヴァンパイアデッキをどう突き詰めていくかを悩んでいて、生成リストでカードカタログを見て考える日々が続いています。Aランクに上がるために足りないものを埋めたい!そこで、Aランクやその上のマスタークラスでは、どのような戦いが繰り広げられているのか、どんなデッキが流行っているのか、勝ち進むのに必要なことなど、回答募集のアンケートを実地します。本作の上級者が繰り広げる極限の戦いの模様を教えてください。(締め切りは、8月9日 13時まで)
(C) Cygames, Inc.
一方で、本作は必要なカードを入手してデッキを組む性質上、他のソーシャルゲームと比べて課金の重要性が高く、さらに対人戦の成績によってビギナーからマスターまでランク分けされるので上級者と初心者に差が付きやすく見えます。
そこで、数々の対戦型カードゲームをプレイしてきた筆者が、「今から始めて上級者に追いつけるのか」を検証してみました。本記事は一つの考察に過ぎず選択したクラスや戦術の違いはありますが、考え方は共通している部分が多いので、『シャドウバース』をこれから始める人の参考になればと思います。
■課金額を抑えながら上級者に追いつく
上級者の仲間入りを果たすのを目標としつつ、できる限り課金をしないで辿り着けるところを探りたく、今回は「ランクをかけて争うランダムマッチング対戦」で、Aランクになるのを一つの区切りとします。
本作は全てのカードを使用できる「アンリミテッド」と、最新の5つのパックとプライズのみ使用できる「ローテーション」の2つのフォーマットがありますが、筆者は「アンリミテッド」で挑戦をしています。
■最終的に課金は避けられないのは心得ている
これまで対戦型カードゲームをプレイしてきた経験から、優れた能力を持つカード無くしてデッキが強くならないのは分かっています。絶対に負けないデッキなどというのは存在しませんし、定期的に新しいパックが出るので同じデッキのままだと戦術は古くなるからです。
もちろん、楽しみ方はそれぞれだと思います。今回はあくまでも上級者に追いつくことを前提に、いつかは避けられない課金をできる限り遅らせました。なぜなら、やみくもに課金をして高レアカードを入手しても勝てません。
優れたカード=高レアカードであることは必ずしも成立しないからです。自分が勝つためのデッキを組むにあたって、本当に必要なカードが決まるまでは、ひたすら仮説と検証を繰り返します。
※本作ではカードパックを購入する以外に、エーテルを溜めることで好きなカードを生成できますが、高レアカードの生成には時間がかかるため、課金ありきで考えています。
■自分の感性に合うデッキを選んだ
本作は8つのクラスから1つを選び、そのクラスでしか使えないカードをメインにデッキを組みます。クラスごとにデッキの特性は解説されているので、自分の好みで選びました。流行のデッキ、扱いやすいデッキを選ぶという選択もありますが、自分の感性にピッタリ来ないと長続きしないと判断したからです。
クラスごとの相性はもちろん、優秀なカードが多いなど現環境で抜きん出ているクラスは間違いなくあります。それでも、できる限り公平になるように運営がゲームバランスを調整している限り、どのクラスでも一番になれる確率はあるはずです。
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■ヴァンパイアデッキの特性
筆者は昔から、ハイリスクハイリターンのデッキ構成が好きでした。なので、本作では、ヴァンパイアというクラスを選択しました。
ヴァンパイアは、自らのPP(ユーザーの体力)にダメージを与える代わりに、強力な能力を持つカードを得意とするクラスです。体力が10以下になると「復讐」状態になり、能力が大きく強化されるカードが多くあるのが特徴。非常に強力なクラスですが、体力を失ったことでリスクも高まるので上手く立ち回る必要があります。あとは高火力なフォロワーが多く、相手の体力やフォロワーにダメージを与えるカードも豊富です。
最終的には全てのクラスを一定のレベルで使えるようになろうと思いますが、短期間でランクを上げるには一つのクラスに注力したほうが近道だと判断しました。
■ヴァンパイアデッキを模索する
まずは練習も兼ねてストーリーモードを進めます。NPCが相手なのですが、ゲームバランスが取れているので初心者でもルールを覚えながら、あまり負けずに進めることができます。
なかなか勝てない時もありますが、高レアカードも含めた構築済デッキをレンタルできるので、クリアするための課金はほぼ必要ないと感じました。構築済デッキは現在、クラスごとに3種類出ているので、基本的なデッキパターンを把握するのに役立ちます。
■トータル3,000円弱の課金
ログインボーナス、ミッションクリアでもらえるカードパック引き換えのコインとエーテルで、新パックやカード入手をまかなえるのですが、ちょうど2周年記念キャンペーンであったこともあり、今回は3,000円ほど課金しました。
それによってヴァンパイアの構築済デッキを2種類手に入れました。最終的にはほとんどデッキに使っていないのですが、それでも仮説と検証の段階ではかなり役立ちました。
それと、『グランブルーファンタジー』とコラボも始まったので、デッキには必要ないのにキャラクター目当てで課金してしまいました。本作はリーダースキンやエンブレム、カードスリーブで、お気に入りのキャラデザインを選べるのが嬉しいですね。カードを遊ぶ人の気持ちを分かってくれています。
あとは、カードを分解してエーテル生み出せるので、他クラスのあまり使わなさそうなカードを分解してヴァンパイアデッキ構築に活かしました。
■対人戦では現環境において“最強”「天狐ビショップ」デッキが7割
ストーリーモードは1日1~2時間ほどプレイし、トータル3日でクリアできたのですが、その後すぐランクマッチに挑むのは怖かったのでフリーのマッチングバトルで対人戦の経験を積みました。
CPUを相手にするのとは違って、上級者でなくとも最初は全然、勝てませんでした。
理由は大きく二つ。一つ目は自分のデッキコンセプトを確立できていなかったからです。本作においてデッキ構築は例えるなら「方程式を組む作業」のようで、カード同士が連動したコンボの連発ができないと相手を上回ることがなかなかできません。同じクラスでも戦術パターン(=連動するカードの分類)は様々なので、パッと見て優秀だと思ったカードをデッキに入れても他のカードと噛み合わないことが多いのです。
しかし、これは予想できていたことで、CPU戦から対人戦に進む過程で自分のデッキを研ぎ澄ませる作業は避けて通れません。展開の早さ、連動の巧みさは、例え対戦相手が初心者であっても、ストーリーモードのCPUより上回っているのは、本作に限ったことではないはずです。
二つ目は、現環境において最良の方程式を作り挙げた「天狐ビショップ」の存在。ビショップクラスのデッキなのですが、「天狐の社」を使って回復しながら相手やフォロワーにダメージを与えられるので、自分のフォロワーが無傷で残りやすいという特徴があります。回復系カードが多いビショップでは、1ターン内でこちらが何度もダメージを受けるのがざらでした。まるでロック状態のようで、発動した時点で王手をかけられた心境になります。
すっかり流行しているようで、後に挑戦するランクマッチでも7割以上のユーザーが同デッキの使い手でした。
ヴァンパイアは相性が決して良いとは言えないので、最初の内は当たるとほぼ勝ち目がなかったです。
次のページ:いざ実践!Bランクまで上がったレシピも公開
■結論は6ターン以内に決着をつけられるデッキ
初めて二週間くらいでランクマッチに挑戦しました。バトルに勝利するとBPが増え、負けると減少し、一定数のBPを蓄積することでランクが上がっていきます。ちなみに1クラスにつき0~3まで4段階あります。
挑戦1日目はビギナークラスだというのに、「天狐ビショップ」ばかりと当たるので全然勝てず。それ以外のデッキはなんとか勝てたので、少しずつ勝利を積み上げてランクを上げていきました。
しかし、Dクラスに上がった時からデッキの格差を感じるように。本作のバトルは、それぞれのユーザーが、相手に先んじて盤面に自分のコンボを展開させることを目的としています。しかし、筆者の場合は、コンボを組むためのキーカードを揃えるために、課金をしなくては厳しい状況でした。構築済デッキ2種類ではまかなえません。
結論として、「天狐ビショップ」、カード格差、この2つを打破するデッキ構築は一つ。こちらの体力が0になってもいい、紙一重で良いから勝つ「肉を切らせて骨を断つ」デッキでした。
■ひとまず完成したデッキリスト!これでBランクまで上がった
筆者が戦力的にも相性的にも苦手としたのが、「天狐ビショップ」に代表されるコントロール系のデッキ。本作において相手の方程式が完成するのは、だいたい6ターン以降。ならば、少々バランスが悪くてもその前に決着をつけられるデッキを目指すことにしました。こちらは高レアカードを必要とせず、コストが大きく抑えられるのも大きかったです。その都度、微調整を加えましたが、基本的なデッキリストは以下の通りです。
<フォロワー 20枚>
蠢く死霊 3枚(コスト1)
呪剣の吸血鬼 3枚(コスト1)
糸蜘蛛の悪魔 3枚(コスト2)
パフォメット 3枚(コスト2)
ベルフェゴール 3枚(コスト4)
ダークエンジェル 3枚(コスト4)
デーモンオフィサー・エメラダ 2枚(コスト7)
<スペル 15枚>
血の取引 3枚(コスト2)
鋭利な一裂き 3枚(コスト2)
群れなす飢餓 3枚(コスト2)
絡み付く鎖 2枚(コスト2)
熾天使の剣 2枚(コスト2)
黙示録 2枚(コスト8)
<アミュレット 5枚>
黒死の仮面 3枚(コスト2)
ブラッドムーン 2枚(コスト2)
■展開の流れ
1ターン目
相手と自分の体力にダメージを与えるフォロワー「蠢く死霊」を場に出す。
2ターン目
「パフォメット」を場に出して、ヴァンパイア・フォロワーをランダムで手に加える。
3ターン目
「ブラッドムーン」を場に出して、体力を損なわずに復讐状態に。
4ターン目
「ベルフェゴール」を場に出して、デメリット無しで手札2枚引く。
※先行なら5ターン、後攻なら4ターンが経過した時点で、フォロワーの能力値を強化する進化ができるので、進化させて相手の体力を削る。
5ターン目
復讐状態ならすぐに相手の体力を削れる「ダークジェネラル」を場に出す。「蠢く死霊」を引いていれば、場に出す。
6ターン以降
「パフォメット」「ベルフェゴール」「血の取引」で手札を大量にドローしつつ、奇襲効果がある「鋭利な一裂き」「ダークジェネラル」で相手の体力を削ります。
フォロワー除去カードはあまり優先しません。防御に関しては急場さえ凌げれば良いので、守護を持つ「糸蜘蛛の悪魔」や低コストでダメージを無効化してくれる「黒死の仮面」の役割は大きいです。
「天狐ビショップ」デッキのアミュレット対策で「熾天使の剣」「デーモンオフィサー・エメラダ」も欠かせません。
速攻型のデッキ以外は、自分に有利な盤面を作り出すのに時間がかかるのと、基本的にフォロワーは場に出した次のターンからしか攻撃できないのを逆手にとります。この構築で、「天狐ビショップ」デッキに対する勝率もだいぶ上がり、対人戦に関しては勝率65~70%にまで上がりました。
■昇級戦
1日10時間以上プレイして試行錯誤しながら、勝率を上げ続けて4日目にしてBクラス昇級試験へ。自動的に上がらないんだ…と内心ビビっていたのですが、ランダムで4人のユーザーと戦って2回勝てば昇級なので、確率は低くないはずと気を取り直しました。
初戦・ビショップ
相手は「天狐ビショップ」でした。運が悪いなと思いつつ、いざバトル。こちらの手札周りが悪い内に相手の盤面が完成して詰み!ギリギリまで粘ったんですけど、後半になればなるほど勝率が落ちるのは分かっていました。
二回戦・ネクロマンス
最初はこちらが優勢な盤面で進めるも、「ラストワード」能力をもつフォロワーで粘られ、こちらのフォロワーは駆除され、盤面上では圧倒的不利に。「黒死の仮面」でなんとか時間を稼ぎます。
その間に、スペルカードで相手の体力を削り、最後は「鋭利な一裂き」「ダークジェネラル」の奇襲攻撃でかろうじて勝利しました。本作は盤面を有利に運ぶゲームなので、盤面が不利でも勝てるのは可能性が広がりますよね。
三回戦・ロイヤル
場に大量のフォロワーを展開して速攻を得意とする相手。相性的には五分だと思うんですが、こちらの盤面が回らないうちに押し切られてしまいました。速攻同士なので、出遅れればあっという間に負けてしまいます。
四回戦・ヴァンパイア
もう後がない最後の相手は同じクラス同士。正直、ヴァンパイアとの勝率が一番高かったので、幸運だと思いました。このクラスは自分も研究していますから。相手はパペットを場に大量に展開するスタイルのデッキで、バーンダメージでユーザーPPを削るという戦法は似ていました。
同タイプなので後で苦しくならないように相手のフォロワーを除去しますが、あちらも除去カードが豊富なのでこちらのフォロワーも除去されることを繰り返します。そうしているうちに、相手にメイルストロームサーペントという切り札で盤面有利に立たれます。でもこちらは、「蠢く死霊」「ダークジェネラル」で相手PPを削る算段がついていたので、精神的にも余裕があって狙い通りに勝てました。
ようやくBランクになりました。ここまでひたすら戦っていると、他クラスのデッキパターンやキーカードも頭に入ってきます。それを見落とさずに除去カードを当てられれば、プレイングミスや対応の遅れが減るので、全カードは頭に入れておくべきだと感じました。
ただし、この先はヴァンパイアデッキをどう突き詰めていくかを悩んでいて、生成リストでカードカタログを見て考える日々が続いています。Aランクに上がるために足りないものを埋めたい!そこで、Aランクやその上のマスタークラスでは、どのような戦いが繰り広げられているのか、どんなデッキが流行っているのか、勝ち進むのに必要なことなど、回答募集のアンケートを実地します。本作の上級者が繰り広げる極限の戦いの模様を教えてください。(締め切りは、8月9日 13時まで)
(C) Cygames, Inc.
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