2018年8月27日、漫画家・さくらももこさんが乳がんで亡くなったと発表されました。さくらももこさんといえば、「ちびまる子ちゃん」「さくらももこ劇場 コジコジ」といった漫画作品でも有名ですし、「もものかんづめ」「さるのこしかけ」などエッセイでも才能を発揮していました。そして、さくらももこさん独特の世界観を活かしたゲームもこれまでいろいろと発売されています。今回の特集では、哀悼の意を込めてさくらももこさんに関連したゲームをご紹介しましょう。◆『ちびまる子ちゃん おこづかい大作戦!』「ちびまる子ちゃん」を題材にしたゲームはとてもたくさん出ていますが、その記念すべき第一作が1990年にゲームボーイで発売された『ちびまる子ちゃん おこづかい大作戦!』です。これはまる子が欲しがるさまざまなものを買うため、いろいろな人とミニゲームで勝負してお小遣いを増やしていくという内容になっています。子供向けということでシンプルな内容になっているのですが、残念ながら出来栄えはあまりよくない(とにかく運しか問われず、ひたすらにギャンブルを続けるかのような子供らしかぬ内容な)のでインターネット上では悪い側面ばかりが取り上げられるゲームです。セーブ機能がなかったのもつらいところ。当時遊んでいた子供たちは、「ちびまる子ちゃん」のゲームということで楽しんではいたと思いますが、同時に「なんでこんなにお金がなくなるんだろう……?」と疑問を抱いていたかもしれませんね。◆『ちびまる子ちゃんの対戦ぱずるだま』「ちびまる子ちゃん」のゲームはいろいろなハードで登場しています。ゲームボーイ、ファミリーコンピュータ、PCエンジン、メガドライブ……。そしてセガサターンでは1995年に『ちびまる子ちゃんの対戦ぱずるだま』が発売されました。『対戦ぱずるだま』シリーズは、コナミ(現:コナミデジタルエンタテインメント)が手がける落ちものパズルゲーム。もちろん本作では「ちびまる子ちゃん」に登場するさまざまなキャラクターを使うことができるのです。連鎖の時の演出も大きな魅力のひとつでした。◆『さくらももこ劇場 コジコジ』さくらももこさんといえば、「コジコジ」のことも忘れてはなりません。この作品は、不思議な宇宙生命体であるコジコジがメルヘンの国でのんびりと毎日を楽しむという内容。愉快な仲間たちはもちろん、コジコジがいきなり哲学的なことを言い出すところもおもしろいですよね。本作は2000年にドリームキャストで『さくらももこ劇場 コジコジ』というゲームになっています。メルヘンの国の人たちと一緒にボードゲームを楽しめますし、いろいろなミニゲームも収録。マイクでコジコジに話しかけるなんてモードもありました。さくらももこさんのほんわかとした作風は、特にボードゲームと雰囲気が合うのかもしれません。この後にもまた似たような作品が登場します。◆『さくらももこのウキウキカーニバル』2002年にはゲームボーイアドバンスで『さくらももこのウキウキカーニバル』が登場します。本作はカーニバルを成功させるために事件や謎を解いていくというアドベンチャーゲームなのですが、インターネットを使って情報収集するというシステムもあったのです(もちろん本当のインターネットではなく、あくまでそれっぽい“ごっこ遊び”ですが)。これは当時にしてはかなり物珍しかったでしょう。ホームページはもちろん、メールや掲示板も駆使して情報を探したりチャットをするというシステムも搭載されていました。ゲーム中ではオリジナルのホームページを作ることもでき、通信ケーブルで友達と交換することも可能。通信ケーブルでホームページを交換するというのも、今になってみるとなかなかおもしろいですよね。なお本作の企画は、さくらももこさんの実姉である三浦範子さんが任天堂に持ち込んで実現したそうです。当時のインタビューもまだ任天堂のサイトで公開されています。◆『エブリパーティ』『エブリパーティ』はさくらももこさんがキャラクターデザインを担当しているパーティーゲームなのですが……、正直なところ不憫な話が多いタイトルです。本作はXbox 360のローンチタイトルとして発売されたのですが、初週に641本しか売れなかったというのですから。ゲームとしてはとてもオーソドックスなすごろく型パーティーゲームで、さまざまなミニゲームなどが収録されています。ちからっ子というお邪魔キャラを配置して相手を妨害したり、サイコロ代わりになるルーレットにも特殊なものが多いという独自性もあるにはあるのですが。やはり問題は、Xbox 360ユーザーとさくらももこさんのファン層がかぶらなかったということでしょうか。とはいえこのゲーム、熱心なファンによって毎年の秋に大会が開かれていたりもするんですよ。◆『ちびまる子ちゃん Dream Stage』そして、「ちびまる子ちゃん」はスマートフォン向けゲームにもなっています。それが『ちびまる子ちゃん Dream Stage』。一時期は「リセマラで永沢を狙う」なんて話題で盛り上がっていたので、なんとなく聞いたことのある人もいるのではないでしょうか。本作はジュエルを揃えて消していく3マッチ形式のパズルゲーム。基本無料タイトルなので、ルーレットという名前のガチャシステムも採用されているのがおもしろいところ。各アイテムはもちろん、キャラクターも“引く”ことができるわけです。それにしてもゲームボーイからスマートフォンまで、「ちびまる子ちゃん」はゲームの面でもさまざまな進歩を続けてきたわけですね。まさしく一時代を築いた、いえ、まだ築き続けている作品だといえるでしょう。