『女神転生』シリーズから派生し、独自の魅力と進化を遂げて確固たる地位を獲得した『ペルソナ』シリーズ。 1996年にリリースされた1作目を皮切りに、20年を優に超える歩みの中で、様々な作品が生み出されてきました。


悪魔やシャドウといった異質な存在との戦いを通して、少年少女(一部例外あり)の葛藤や成長などを描き続けており、ジュブナイルRPGシリーズとして長く愛され続けてきました。ナンバリングは5作目まで展開されており、新要素を加えて新生する『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』や、シリーズ初のアクションRPGとなる『ペルソナ5スクランブル ザ・ファントムストライカーズ』のリリースも決定しています。

幅広い年代層から支持される人気シリーズですが、まだ遊んだことがない方も少なくないはず。その中には、興味はあるけど、シリーズのどの作品から遊べばいいのかと悩んでいる人もいることでしょう。そこで今回は、『ペルソナ』シリーズはどこから遊べばいいのか、シリーズ未体験の方に向けて紹介させていただきます。平成を駆け抜けた『ペルソナ』シリーズを、令和にデビューしてみるのも一興です。シリーズに興味がある方は、ぜひ参考にしてみて下さい!

【関連記事】
・『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』10月31日に発売! 新キャラや待望の「3学期」などを追加して新生【UPDATE】
・スイッチ/PS4『ペルソナ5スクランブル ザ・ファントムストライカーズ』発表! ω-Forceとタッグを組む、シリーズ初のアクションRPG
◆『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』からでも大丈夫! でも、発売まではちょっと遠い?

『ペルソナ』シリーズはナンバリングを中心に、関連作が多数リリースされています。が、やはり軸となるのは各ナンバリング作品ですし、ナンバリングが新しいほど、時代に合わせた進化を遂げているので、特定の作品が楽しみたいという明確な目的がなければ、最新作である『ペルソナ5』がやはりお勧めです。

そして、『ペルソナ5』では描かれなかった3学期や、新たなキャラクターなどが追加される『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』(以下、P5R)の発売が決定しています。今『ペルソナ5』を遊び、発売後に『P5R』をプレイするのも手ですが、『P5R』の発売まで待ってからまるごと遊ぶというのも選択肢のひとつと言えます。

難点と言えば、『P5R』の発売日は2019年10月31日なので、半年近い時間を待たなければなりません。もちろん、この時間を使って『ペルソナ5』をプレイしておくのも手ですが、初代から『4』までの作品をいずれかを、もしくはスケジュール的に可能ならば一通り遊び、『ペルソナ』シリーズを熟知した上で『P5R』の発売日に臨むのはいかがでしょうか。
万全の体勢で遊ぶ『P5R』のプレイ体験は、また格別なものとなりそうです。

ちなみに『ペルソナ』のナンバリング作品は、他の作品と繋がりが見える部分もありますが、ストーリーはナンバリングごとに完結しているので、「先にあの作品を遊ばないと、こっちのシナリオの意味が分からない」といった心配はありません。時間の余裕があまりない方は『P5R』だけを、そして余裕がある人は各作品も合わせて遊んでみて下さい。

といっても、各作品ごとにプラットフォームやバージョンが異なるので、ここからは初代から『4』までのナンバリング作品について、プレイ可能な環境などをチェックしたいと思います。

まずは、初代から『3』までのプレイ環境をご紹介─『ペルソナ3』の選択が悩ましい!

◆シリーズの幕開けを飾る『女神異聞録ペルソナ』と『ペルソナ2 罪・罰』は、リメイクのダウンロード版がお勧め

まずは、シリーズの原点である『女神異聞録ペルソナ』について。本作はプレイステーションソフトとして登場したため、オリジナル版をPS3で遊ぶ、といった選択肢もあります。

また、もっと手軽に遊びたいのであれば、2009年にリメイクされたPSP版も一考の価値があります。新規ムービーの追加や画面のワイド化、戦闘速度の向上といった改善が行われているので、こちらの方が遊びやすさの点では上です。また、ダウンロード版ならばPS Vitaでも遊べるので、プレイ環境の幅という点でもお勧めです。

続いてのナンバリングタイトル『ペルソナ2 罪・罰』は、二部構成の作品なので、続けて遊んで欲しいところ。プレイ時間も比例して長くなるので、時間に余裕がある方向けのタイトルとも言えます。また、『女神異聞録ペルソナ』で活躍したキャラの一部がこちらに登場しているので、繋がりを知りたい方は『1』と『2』を通してプレイした方がいいかもしれません。


この『ペルソナ2 罪・罰』も、オリジナル版がプレイステーションソフトで、後にPSP向けにリメイクされています。こちらも、ダウンロード版ならPS Vitaでのプレイも可能なので、場所を選ばず遊べる利便性は嬉しいところです。

◆『ペルソナ3』は、後日談があるPS2版と、女性主人公が追加されたPSP版の2択!

シリーズの大きな転換点となった『ペルソナ3』。『ペルソナ2 罰』から7年の時を経ての登場だったので、この再始動に多くのファンが関心を寄せ、そして期待を上回る出来映えで好評を博しました。本シリーズの後の展開にも影響を及ぼしただけに、可能ならば『ペルソナ3』もプレイして欲しいところです。

しかし、『ペルソナ3』のプレイ環境については、実に悩ましいポイントがあります。オリジナル版はPS2ですが、後日談を描く『ペルソナ3 フェス』もPS2でリリースされています。その一方で、女性主人公などの追加要素を備えたリメイク版『ペルソナ3ポータブル』(以下、P3P)が、PSP向けに登場。これまでのリメイク作と同様に、PSPのダウンロード版はPS Vitaでプレイ可能です。

ですが、残念ながら『P3P』には、『ペルソナ3 フェス』に盛り込まれた後日談が入っておらず、後日談を楽しみたいのならば、現時点ではPS2でプレイするしかありません。また、女性主人公などの要素は『P3P』だけの特権。各要素を網羅するために両方を遊ぶか、優先したい要素を判断して選ぶか、悩ましい選択を迫られます。


願わくば、『ペルソナ3 フェス』と『P3P』の両要素を取り入れた、新たなリメイク版『ペルソナ3』をリリースして欲しいところです。とはいえ、実現するかどうかは一切不明なので、『ペルソナ3』が気になる方は時間と相談してプレイに臨みましょう。

ちなみに、『ペルソナ3 フェス』を選ぶ場合は、単体で遊べるバージョンと、初回起動時に『ペルソナ3』が必要なアペンド版の2種類があるので、しっかり確認した上で購入して下さい。

悩まずに済むのは『ペルソナ4』! しかし、深みを目指すと大変!?

◆『ペルソナ4』はPS Vita版で問題なし! ただし、派生作が多し

オリジナル版はPS2向けにリリースされた『ペルソナ4』は、こちらもリメイク版が存在しています。このリメイク版『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』は、PS Vitaソフトとして登場。そして、『4』の移植やリメイクはこの1本だけなので、これから遊ぶのならば、新要素などもまとめて楽しめる『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』が間違いなくお勧めです。大画面で遊びたい人は、PS Vita TVという選択肢もあります。

『ペルソナ3』と違い、どちらを選べばいいのか悩まなくていいのは、『ペルソナ4』の嬉しいところ。ですが関連作が多いという特徴もあり、網羅したい方にとっては少々手強いタイトルでもあります。

まず、2D格闘ゲーム『ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ』(PS3、Xbox360)と、その続編『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』(PS3)があります。いずれも、『ペルソナ4』でエンディングを迎えた後の物語を描いており、直接的な続編となっています。

また、シリーズ初のリズムアクションという新たなジャンルに切り込んだ『ペルソナ4 ダンシング・オールナイト』も、その後の物語を綴っているため、『ペルソナ4』の事件解決後の彼らの活躍を知りたい人は、格闘シリーズと『ペルソナ4 ダンシング・オールナイト』も見逃せないところと言えます。


ちなみにリズムアクションとは、この他に『ペルソナ3 ダンシング・ムーンナイト』と『ペルソナ5 ダンシング・スターナイト』がリリースされていますが、物語的な比重は『ペルソナ4 ダンシング・オールナイト』ほどではありません。なのでこちらの2作品は、ジャンルに興味があったり、各キャラともっと触れ合いたい人が、後々遊んでみるといった感じでも大丈夫です。

◆ナンバリングを遊んだ後で? それとも敢えて先に? クロスオーバーなダンジョンRPGもチェック

『ペルソナ』の各ナンバリング作品は以上となりますが、彼らの活躍を描いたゲームはこの他にもあります。特に、他の作品では味わえない魅力が詰め込まれた『ペルソナQ』シリーズは、プレイ候補に加えておきたいタイトルです。

ダンジョン型RPGとなる『ペルソナQ シャドウ オブ ザ ラビリンス』には、なんと『ペルソナ3』と『ペルソナ4』の主要キャラクターたちが、作品の垣根を越えて集結。自由なパーティ編成が可能なので、物語面だけでなくバトル面でも、クロスオーバーを存分に楽しむことができます。

この大胆な試みは、シリーズの続編に当たる『ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス』で更なる発展を遂げ、『3』『4』に加え、『ペルソナ5』の主要キャラクターが新登場するほか、『ペルソナ3ポータブル』で追加された女性主人公も新たに参戦。3作品+αなペルソナメンバーが一同に会する、唯一無二のゲームとなっています。

複数作品の主要キャラがたっぷり登場するので、『3』や『4』などを事前に遊んでおくと、関係性がより深く分かるのでお勧め。また、敢えて『ペルソナQ』でシリーズデビューを果たし、プレイして気に入ったキャラがいる作品を次に遊んでみる・・・といった楽しみ方もオツかもしれません。

『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』が10月31日に発売されますし、シリーズの裾野を更に広げる『ペルソナ5スクランブル ザ・ファントムストライカーズ』も気になるところ。この2作品の動きを見るだけでも、『ペルソナ』シリーズが令和でも更なる発展を遂げるのは間違いないなさそうです。


それらの最新作が発売されるまでの時間を使い、シリーズの過去作を今のうちに楽しんでみてはいかがでしょうか。PS Vitaがあればかなりカバーしやすいのも、嬉しいところですね。

【関連記事】
・「『ペルソナ3』であなたが一番好きなキャラは?」結果発表─意外? それとも納得? ある2キャラに票の“7割”が集中!
・「『ペルソナ5』であなたが一番好きな主要キャラは?」結果発表─主人公vs明智の一騎打ち! ヒロイン対決もアツい
・【特集】『ペルソナ』シリーズの魅力を継承した『幻影異聞録 #FE』のポイントに迫る! 『ペルソナ5』が待てない方にもお勧め
・その物語は7年前に始まっていた─ 劇場版「ペルソナ3」へと至る『P3』と『P4』の紡いだ道程
編集部おすすめ