眼鏡をかけた美しい女性が、華麗な格闘術や人知を越えた魔術で、恐るべき天使をなぎ倒していくアクションゲーム『BAYONETTA』(ベヨネッタ)。タイトルと同名の魔女・ベヨネッタがダイナミックなバトルを繰り広げる本作は、多くのユーザーを魅了しました。


ゲームの主人公と言えば、悪を倒すために立ち上がる正義の味方や世界を救う勇者、またはその真逆で、アンチヒーローやダークヒーローなどが数多く存在します。最近では、一般人に近い性格や立場の人間が、プレイヤーと同じ目線で活躍する作品なども増えました。

目的や動機、またはそのキャラクター性を明確にするため、善や悪といった方向に傾倒するか、共感性の高い人物を据えることもある「主人公」という立場。ですが、本作の主人公であるベヨネッタは、善人でも悪人でもなく、そして決して凡庸な人物でもありません。

そんなミステリアスな存在が、身の丈を越すような天使たちを容赦なく狩り、涼しい顔をしながら苛烈な攻撃で敵を圧倒。際立った演出と爽快感溢れるアクション性が、ベヨネッタの個性を更に彩り、国内外で高い評判を獲得する作品となりました。

そんな『BAYONETTA』のデビューを飾ったPS3/Xbox 360版が発売されたのは、2009年10月29日。本日でちょうど10周年を迎えました。そこで今回は、この記念日を祝うと共に、『BAYONETTA』の魅力やその後の展開などを振り返ってみたいと思います。また、本作に熱意を寄せるユーザーからのコメントも届いているので、そちらも合わせてご覧ください。

◆残酷だけども冷酷ではない──妖艶で謎めく魔女が、激戦続くアクションシーンを華麗に踊る

“魔女”というモチーフは、ゲームに限らず様々な媒体で扱われており、民話やおとぎ話などでも活躍しています。立場も多彩で、人を誑かす悪の象徴であったり、ゲームではラスボスとして登場することも。
その一方で、困っている人に手を差し伸べたり、善き道を示し導く魔女もいます。

そして、本作の主人公であるアンブラの魔女・ベヨネッタは、前述の通り善人でも悪人でもありません。日常的に天使を狩り続ける彼女ですが、その手段に容赦は一切なし。両手両足に装備した銃火器と打撃を併用する格闘術“バレットアーツ”を繰り出すだけでも、下級の天使たちはあっという間に霧散します。また、髪の毛に魔の力を宿す“ウィケッドウィーブ”の中には、凶悪な顎で天使を噛み砕くといったものも。

その中でも、拷問器具を喚び出して天使たちを拷問する「トーチャーアタック」は、残酷(と爽快感)の極み。かつて行われた“魔女狩り”の際には、悪しき者として多くの魔女が拷問にかけられて命を落としましたが、その拷問器具を天使に向けて使う皮肉さもなかなかに痛快です。

天使に(そして続編では悪魔にも)容赦しませんし、人類に対して愛情深いかと言えば、少なくとも明確にそうと分かる描写はありません。ですが、人の社会に溶け込みショッピングを楽しむこともありますし、情報屋のエンツォとの接点を保っていたり、敵視されているルカに対しても軽やかに話しかけたりと、人間に対して否定的な態度は見せません。少女・セレッサに世話を焼く場面も、どこか微笑ましいものを感じさせます。

また続編での話ですが、身を呈して庇ったジャンヌを救うべく魔界に乗り込み、多くの悪魔との対峙すら厭わない一面もあります。表情や言動は一貫してクールで軽妙ですが、その内面をあれこれ想像したくなる魔女・ベヨネッタ。
ミステリアスで魅惑的な、善でも悪でもない魅力に溢れた女性です。

そんな眼鏡美人が、アクションシーンでは八面六臂の大活躍。多数の敵を相手に一歩も引かず、格闘や刀、鞭など様々な武器を使いながら、手応え満点かつ多彩なコンボを繰り出すとなれば、楽しくないわけがありません。

また、攻撃面だけでなく、敵の攻撃をタイミング良く回避した際に発動する「ウィッチタイム」も、爽快感に拍車をかけます。このウィッチタイム中は、敵の動きがスローモーションになり、こちらの攻撃が当て放題に。そのため敵の数が多くとも、ウィッチタイムを使いこなすことで、多数の天使を翻弄しながら一方的に打ち倒すことも可能になります。

「∞クライマックス・アクション」と掲げた言葉通り、映画のクライマックスを飾るようなアクションシーンがあらゆるバトルで楽しめる『BAYONETTA』。巨大な建造物の壁面を舞台に戦うなど、戦闘を彩る演出も刺激的で目を離せません。そんな良質アクションと、個性的で謎めく美女が融合した本作は、今も語り継がれている名作のひとつです。

◆様々なハードに展開する『BAYONETTA』。ゲスト出演も多く、劇場アニメ化も!

2009年にリリースし、多くのファンを生み出した『BAYONETTA』。ですが、続編の登場が危ぶまれていた時期もあります。
その危機を乗り越え、発売元がセガから任天堂へと変わり、Wii Uソフト『BAYONETTA 2』が2014年9月に発売されました。

しかもこの『BAYONETTA 2』には、Wii U版『BAYONETTA』も同梱されており、2作品をこの1本だけで楽しめる贅沢な仕様でした。ゲーム2本分のボリュームながら、価格は7,700円(税抜)とお手頃だったのも、嬉しいポイントのひとつです。また本シリーズのゲームとしては、日本語音声の初収録も見逃せません。

そして、アンブラの魔女の活躍は、これだけに留まりません。『マックスアナーキー』の初回特典で登場したほか、『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』ではDLCキャラとして参戦。さらに、“全員参戦”を謳った『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』にも参加を果たしました。このほかにWii U関連では、『The Wonderful 101』にも出演しており、幅広い躍進を見せています。

ゲーム以外だと、劇場公開された『BAYONETTA Bloody Fate』も、ベヨネッタファンならば押さえておきたいところ。原作の特徴や魅力を90分という限られた時間で再現したこの劇場アニメは、田中敦子さん演じるベヨネッタの演技も相まって、非常に印象深い作品です。

様々なプラットフォームに展開し、ゲスト出演も多いベヨネッタ。銀幕デビューも果たした魔女の原点に触れたい方は、PS3/Xbox 360、Wii U版の他に、PC版(Steam)という選択肢もあるので、ゲーミングPCなどの環境がある人はそちらも一考の余地有りです。


また、1作目の『BAYONETTA』に加え、続編『BAYONETTA 2』もリリースされているニンテンドースイッチ版という手もあります。しかも、更なるナンバリングタイトル『BAYONETTA 3』が、ニンテンドースイッチ向けに鋭意開発中。シリーズ3作をまとめて楽しむには、ニンテンドースイッチが最適です。妖艶でクールな魔女と共に、天使にきつい一撃をお見舞いしたい方は、『BAYONETTA』と出会ってみてはいかがでしょうか。

『BAYONETTA』に魅了された読者の想いが熱い! 長文や英文コメントも到着!

◆『BAYONETTA』に寄せる読者の想いも“∞クライマックス”! 最新作への期待を綴る方も

『BAYONETTA』10周年に先駆けて、プレイ体験や思い出などを募るアンケートを実施したところ、数多くの読者からコメントをお寄せ頂きました。ご協力、ありがとうございます!

今回コメントを綴ってくれた方々の男女比は、男性65.4%:女性30.8%と、女性からの支持が約1/3を占めていました(無回答 3.8%)。アクション主体のゲームは、男性の支持が圧倒的になりがちですが、妖艶な魔女が放つ魅力は男女を問わず惹きつけたようです。さすがベヨネッタ姐さん。

また年齢別で見ると、20代が最も多く34.6%。そこから、30代(26.9%)、40代(19.2%)、10代(15.4%)と続く形に(無回答 3.8%)。ちょうど10年前に登場した作品なので、当時の中高生が主にプレイしていたと考えると、納得の比率かもしれません。その一方で、10代からも一定の支持を集めており、後に出たWii U版やPC版、スイッチ版などが、『BAYONETTA』人気の裾野を広げる役割を果たしたと言えそうです。


いただいたコメントは、ゲーム性や演出、ベヨネッタやジャンヌの格好良さなどに触れる声が多く、いずれも熱量の高いものばかり。また今回は、長文のコメントが多い傾向にありました。『BAYONETTA』への想いが文字として溢れ出てしまった方もいるのかもしれません。さらに、この企画では初となる英文でのコメントも到着。『BAYONETTA』の支持層の幅広さを、改めて知る機会となりました。

魔女ベヨネッタは、妖艶で凛々しい成人女性。アクション主体のゲームにおける主人公としては、比較的珍しいキャラクターです。またゲーム自体も、「∞クライマックス・アクション」の名に恥じぬ、手応えたっぷりの本格アクション。一見するだけでは、アクション初心者が身構えてしまう可能性もゼロではありません。

ですが、ユーモアに溢れ、言動も軽やかなベヨネッタは、美貌と愛嬌を合わせ持ち、女性からも好かれる魅力に溢れています。またアクション面も、攻略のハードルを下げる便利なアイテムが多数存在し、アクションが苦手なユーザーへの救済策も用意。もちろん、ハイスコアを狙う手強いバトルも楽しめるので、ライトとコア、双方のユーザーを満足させてくれます。


第一印象で感じた魅力はそのままに、遊んでみると懐の深さが分かる『BAYONETTA』。10年経っても色褪せない名作アクションについて、筆者よりも遥かに熱く語る読者の声の数々を、こちらからご覧ください。

<Font Size="3">【読者の声】</Font>
爽快感のあるコンボが良かった。様々な巨大な敵を倒す快感あった。
最高難易度クリアのために長時間、夜通しでやりこんだ。コントローラのスティックが削れてダメにするくらい。
ゲーム開始直後、ベヨネッタが墓地で天使を殺しまくるムービーで彼女に惚れた。
ゲームが苦手な私でも練習をしていけば上手に遊べるようになるのが嬉しかったです。ダッヂオフセット様様! ジャンヌが大大大好きです。「おねがい!キューティーJ」ずっと待っています。
こうゆうアクションゲーは何度もプレイしたことあるけど、ベヨネッタだけちゃんと全クリするまで遊べた初めての作品!! PS4で是非1と2を出してほしい作品でもあります!!
難しい。
あの三角木馬は忘れられません(笑)。
たまに入るムービーのポーズがなんか面白かった、2がただの続編としてでなく1作目を補完する形になっていて良かった。
ベヨネッタはアクション性やストーリーなどとても面白く今でもプレイしています! ジョイのトーチャーアタックは衝撃なので見て欲しいところです。沢山あるのですがベヨネッタとジャンヌの戦闘シーンや後半のシーンが好きです!
思いのままに動かせるアクション性で何度クリアしても飽きませんでした。なんといってもクリア後のスペシャルムービーにて躍り狂うベヨネッタがたまりませんでした。笑
ラストでベヨネッタさんが「LET'S DANCE BOYS!」といってから『LET'S DANCE BOYS!』が流れ出すムービーがたまらなくかっこよくて、1週間ほどずっとこの曲を聞き続けてました。
初見殺しのコマンド入力で何度死んだことか…(笑)。最終的にはBGMでどこのステージか分かるくらいにはやり込みました。
僕の思い出は、最初ベヨネッタ様を見た瞬間【何だこの御方は…美しい…そして残酷で妖艶だ…】と思い一目惚れしてゲームを買いました。ベヨ姐さんの魅力的なシーンが沢山あってとても興奮しました!
わりと発売近づくまで全く知らなかったのですが、体験版でこれは面白いと思い、即Amazonで予約しました。その判断は正しかった。
最初に触れたのはPS3版、クリーチャーを面白おかしくグロテスクに虐殺できると聞いて購入しました。レベルアップの概念がプレイヤースキルに任されており、自分が上手くなるほどベヨネッタも強くなるという感覚が気持ちよかったです。バース分けされたマップ構成と評価システムが上手く噛み合っており、周回するのも苦にはならなかったです。個人的に一番欲しかった長い舌のクリーチャーが居なかった(厳密にはいる)のが2でも同じだったのが心残りでした。
白髪ロングのキャラが大好きなのでジャンヌ目当てでゲームを買いました。しかしアクションゲームは苦手でなかなか解放できず半分ゲームを投げ出している時に公衆電話でジャンヌの解放ができらしいとゲーム上手の知人からウエメセで教えてもらい渋々その方向で………するかっ 一念発起し全プラチナ達成を成した瞬間コントローラーを床に投げつけ生まれてはじめてリアルで「よっしゃぁあああああ!」と叫びガッツポーズをしました。 受験でもそんな事しなかったのに…自分がこんなにも激しい喜びを表現できたのはベヨネッタだけです。良ゲームをありがとうございました。
ゲームデザイナー神谷英樹氏の新作という事で、当時発売を心待ちにしていたのを記憶しております。避けてスロー中にコンボを叩き込む爽快感! アクション性の他にもデザインやビジュアル面、サウンドなど全てにおいて開発スタッフのこだわりが随所に感じられ、ゲーム人生における最高に刺激的な1本です!
one thing that really stands out to me is the amount of references that were used to create Bayonetta - the spectum includes literature / art / dance / mythology / religion / movies / anime / music / video games the list goes on - also her no holes barred attitude, she is everything you could ever want.
アクションが良くできている作品でした。発売前から元カプコンの方々が多く関わっていると知っていたので期待大! ルート666やミサイルに乗って戦うステージのコツが掴めず、高ランクを取れずに苦戦した記憶があります。ストーリー、キャラクター、グラフィック全て良い! ベヨネッタからプラチナ節と言いますか、プラチナらしい特徴的な素晴らしさが輝いてきたと思います。発売してから10年近くになりますが未だに手放さずソフトを持っています。続編はできればプレステ機で遊びたかったのですが、事情が事情なので残念でしかたありません。プラチナゲームズのゲームはプレステ機でこそもっともっと発展すると信じてるので、そろそろ…ね? アニメも面白かったです!
ベヨネッタは、銃が主体のアクションと思ってましたが。修羅刃を手にした時にはめっちゃ感動しました。斬る斬撃音も最高ですが、最大為で斬った時に画面も一瞬割れる演出も好きでした。あとは、ちゃんと火に当たればダメージ食らうし、落ちれば死ぬってゲーム的にもやりごたえあるし。ミニゲーム楽しかったです。クライマックスも笑えたりかっこいい演出もあったし。最後の銃弾を額にぶち込むのは鳥肌立つぐらいかっこいいよかったー。やればやるほど、楽しくなる最高のゲームでした。
自分は「スマブラfor」に参戦するまで知らなかったが、参戦してくれたことによって気になって一気にのめりこんだ。まともにプレイできたのはNintendoSwitchで、「ベヨネッタ2」は∞ClimaxでALLピュアプラチナを取るくらいにはやりこんだ。
中学生の時成績が悪すぎて、親に「テストの成績が良かったら買ってあげる」と言われ、頑張った結果買ってもらったのがこのゲームでした。PS3のゲームの中で唯一プラチナトロフィーを取ったのがベヨネッタです。
一番最初のステージ、墓場でエンツォの車をベヨネッタが壊したのに天使のせいにするところ。あと、ルート666のバイク乗ってステージ駆け巡ったり、ミサイルに乗ってシューティングしたりが思い出深い。
ウィッチタイムの圧倒感、ウィケッドウィーブの破壊感、ダッヂオフセットの万能感と挙げれば切が無い巧みなゲームデザインに惚れに惚れ込み、没頭したのはいい思い出。お陰様でベヨネッタ愛C賞入選したときの嬉しさたるや。やり込みを裏切らない最高のIP。続く3も楽しみです。
BAYONETTAは私の人生を変えてくれたゲームです。2008年のTGSトレーラーではじめて観たときから、今でもその魅力に心を奪われ続けています。この10年、BAYONETTA中心で生きてきてすべては書ききれないので一部だけですが…。最初はダッヂオフセットもできずなかなか上達しなかったのですが、アルフヘイムの「プラチナゲームズからの挑戦状」という言葉を見て火がつきました。そこから全難易度オールピュアプラチナや∞Climaxハンドガンオールプラチナクリア、エンジェルスレイヤーにロダンもクリアできるまでにやり込みました。ここまで飽きることなく何度も繰り返しプレイしたのはBAYONETTAだけです。BAYONETTAをこの世に生み出すことに関わった全ての方に、心から感謝しています。3の続報、待ってます!!!!!!

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