日本酒3Dガチャ&スタンプコレクションを楽しめるゲームアプリ『サケコレ Sake collection』が3月にリリースされました。先立って2019年にクラウドファンディングが開始されたプロジェクトで、プレイヤーが酒蔵に足を運ぶインバウンドを目的としています。


本作は、「3Dガチャ」から3D日本酒を入手し、コレクション棚に揃えることができます。3D日本酒からは、各銘柄の情報を確認したり、360度ビューで閲覧できたり、ウェブサイトへのリンク先に飛べます。現在、3D日本酒に登録されているのは全国85銘柄で、今後も登録を増やしていく予定です。

また、アプリ内のスタンプラリーに登録されている酒蔵(全28蔵)へ足を運ぶと、GPS感知で酒蔵のロゴマークを取得できます。こちらも随時、各都道府県の酒蔵を登録予定です。

若い世代は日本酒をよく知らない人がほとんど、もったいない!
全国には約1400の酒蔵があり、約2万種類以上の日本酒があります。しかし、若い世代にとって、日本酒はほとんど馴染みがないのが現状です。ワンカップ酒のイメージしか持たない人もいると思います。

日本酒は海外市場でも注目されるなど、古い、オヤジの酒といったイメージが当てはまらない華やかさがあります。そこで本稿では、若い世代に日本酒に親しんで詳しくなってもらうため、普段遊んでいるゲームアプリで良く見る単語を当てはめながら、日本酒を紹介します。

日本酒を分かりやすくレアリティで解説
・日本酒は普通酒と特定名称酒がある
日本酒は「米」から造られたお酒です。米を原料に水を加え、微生物である「麹(こうじ)」と「酵母」の力でアルコール発酵させることでお酒になります。


そして、普通酒と特定名称酒に大きく分けられます。普通酒はリーズナブルに楽しめるお酒で、いわゆるワンカップもこちらに括られます。一方で、特定名称酒は特別な製法で造ったお酒であり、酒蔵が最高の原料と技術を注ぎ込んだ逸品です。ブランドの評価対象は特定名称酒になります。

・レアリティが高いのは特定名称酒
特定名称酒のラベルには、純米酒・吟醸酒などが書かれている
細かい製法の違いはあれど、特定名称酒は米をどれだけ磨いだか(精米歩合)で、大きく「純米酒(または本醸造)」と「吟醸酒」の2つに分けられます。酒造りでは米粒の周りを削ることで、雑味が排除されたきれいな味わいになります。磨けば磨くほど技術もコストもかかるので、値段が上がるわけです。

また、日本酒には香りや味のバランス調整のために醸造アルコールを僅かに加えることがあります。醸造アルコールが加わると、「純米」と名乗れません。これは良し悪しではなく、造りたい日本酒の設計図に合わせて、使用するかどうかを決めているのです。

・特定名称酒の分類をランク分けするとしたら?
<醸造アルコール無しの場合>
・純米酒 Aランク
・純米吟醸酒 Sランク
・純米大吟醸酒 SSランク

<醸造アルコール入りの場合>
・本醸造酒 Bランク
・吟醸酒 Sランク
・大吟醸酒 SSランク

<上記の条件に加えて、特別な製造方法の場合>
・特別純米酒 Sランク
・特別本醸造酒 Aランク

・プレミアム日本酒……生産量が少ない日本酒だと価格が上がる
日本酒は酒蔵ごとに生産量や人気度が違うので、入手難易度が高いお酒があります。いわゆるプレミアム日本酒ですね。
代表的な銘柄に、「十四代」「黒龍」「新政」「風の森」などが挙げられるでしょう。ブランド評価が高い分、同じSSランクの製法であってもレア度は高くなります。

日本酒の味わいをジョブに例えると?限界突破はあるのか?

日本酒の味わいは、すばり何のジョブか!?
モデル:茶叶小果@chaye_cosplay
/撮影:乃木章
戦士や魔法使いといった職業分けを当てはめるとしたら、日本酒の味わいになるでしょうか。日本酒は一つとして同じ味のお酒はないのですが、おおよその目指す味の方向性があります。

日本酒のソムリエ「きき酒師」を認定する「日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)」では、日本酒の香りや味を「爽酒」「薫酒」「醇酒」「熟酒」の4タイプに分類しています。

・薫酒(くんしゅ)/僧侶
果実を思わせるフルーティーな香りと甘みのあるタイプ。食前酒として愛飲されることが多く、お酒に苦手なイメージを持つ女性にもおすすめです。僧侶を連想させる優しさと爽やかさがあります。

・爽酒(そうしゅ)/戦士
味わいが最もシンプル。香りは控えめで、軽快な味わいのあるタイプ。ともすれば、質実剛健で古き良き日本酒のイメージがありますが、現在は微発砲で口当たりが良いものも増えています。料理に合わせやすく、定番さが最前線に立つ戦士に通じるところでしょうか。


・醇酒(じゅんしゅ)/武道家
米の旨味を感じさせる。ふくよかな香りとコクのある味わいが特徴のタイプ。甘口や濃いめの味わいこそ、「飲んだ気がする」と感じる愛飲家は少なくありません。サワーやカクテル好きな女性にもおすすめしたい銘柄が多くあります。多彩な肉体技を持つ武道家のイメージに近いかもしれません。

・熟酒(じゅくしゅ)/魔法使い
熟成させることによって生まれる、複雑で重厚な香りをもつタイプ。どっしりとしたボリューム感のあるお酒が多く、数年寝かした古酒もあります。日本酒好きは突き詰めると、熟酒を好きになる人が多く、酒のつまみは程々にお酒をじっくり味わいたい人向けです。先に紹介した3タイプとは一線を画すため、老獪な魔法使いのイメージがあります。

日本酒は、限界突破・覚醒でさらにひと手間加える!
日本酒は製法による分類がありますが、より手間をかける特殊な製法で造られるお酒があります。そういったお酒は、従来のレアリティーからの限界突破・覚醒を目指したお酒と言えるのではないでしょうか。

・雫しぼり
日本酒を醪(醪)から絞る時は機械を使って圧力をかけるのが一般的ですが、袋に入れて吊るして自然の重力で滴を集めるのが「袋づり」と言われるやり方です。
「雫しぼり」と別名がつくほどに手間暇かかかるやり方なのですが、生きたお酒に余計なストレスを与えないので香りと旨味が強化されます。取れる量が少なくて大変貴重です。

・「生もと」と「山廃」
日本酒造りでは、腐敗を防ぐために乳酸を入れます。乳酸には蔵や自然の中にいる天然のものと、醸造用のものの二種類があります。天然の乳酸を使った酒造りは「生もと」と「山廃」と二つの製法があり、日本酒発酵に欠かせない酵母の生命力が強まると言われています。出来上がる日本酒は通常より力強く濃厚で、酸味と旨味と強いです。もちろん。製造にかかる労力は通常の造りの比ではありません。

・スパークリング
日本酒でありながらシャンパンと同じ発泡性のあるお酒です。アルコール度数も通常の日本酒よりも低くいのが多く、女性にも好評な逸品が多いです。こちらも製法は様々ですが、本場シャンパンと同じ手間暇かけた製法で造られたお酒も少なくありません。

・古酒
現在は熟成させてから出荷する日本酒が圧倒的に少ないです。
しかし、江戸時代までは3年~9年寝かせてから出荷するお酒が多かったです。明治時代の酒税法の改定によって、現在は造ったらすぐに出荷するのが定番になっていますが、熟成させた日本酒の味わいは通常の日本酒とは全く違うお酒と言っても差し支えありません。古酒愛好家にとって、ハマったら抜け出せない魅力があります。寝かせる分、価格も高騰します。

最後に
日本酒に対する苦手イメージを持つ若い世代は多いと思います。しかし、現在はリーズナブルな価格で日本酒飲み放題のお店が少なくなく、若い世代に好評な人気銘柄を目玉にしている場合もあります。

そして、日本酒にハマったらば酒蔵を訪問するのがオススメです。多くの蔵は年1回蔵開きをして歓迎していますし、常時見学を受け付けてくれる場所もあります。調べてみたら、すぐ近くに酒蔵があるかもしれません。本作をきっかけに、自分好みの日本酒に出会う冒険に旅立ってはいかがでしょうか。

『サケコレ Sake collection』は、基本プレイ無料で配信中です。

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