時間の流れと共に変化を見せながら、その時代を代表する注目作が常に話題となってきました。直近での話題作といえば、対馬を美しく描いたオープンワールドを舞台に、過酷な道を歩みながらも蒙古に立ち向かう『Ghost of Tsushima』などが思い浮かびます。


また今後のラインアップも、名作が新たな形で蘇る『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リマスター』や『真・女神転生III NOCTURNE HD REMASTER』といった作品もありますし、爽快アクション『天穂のサクナヒメ』や、サイバーパンクな世界観が光る『サイバーパンク2077』など、気になる作品が待ち受けています。

ですが、今年の上半期に登場した注目作も、かなりの強者揃いでした。力強いタイトルたちが毎月のように登場し、市場とユーザーを驚かせたことは、記憶に新しいことと思います。

人はつい、今現在や未来に想いを馳せてしまうもの。そのため、名だたるタイトルがすぐ側にあったことも、忘れてしまいがちです。そこで今回は、2020年上半期にどのような注目作が登場したのかを振り返るべく、1月つきに1本ずつ紹介したいと思います。

まだ未プレイの方は、新たな刺激を上半期の注目作に求めてみるのも一興でしょう。また、既に経験済みの人は、遊んだ時の思い出を改めて振り返ってみてはいかがですか。

1月の注目作:PS4龍が如く7 光と闇の行方』

年明け直後の注目作といえば、『龍が如く7 光と闇の行方』でしょう。人気シリーズの最新作である点も外せませんが、その上で「主人公や主要人物の一新」「バトルシステムが、アクションからコマンドRPGに変更」など、これまでになかった展開が一気に押し寄せ、ユーザーを驚かせます。

いつの時代も「新要素」は、大いなる期待と共に、一抹の不安も感じませます。変化が常に成功するとは限りません。
ですが、新主人公「春日一番」はシリーズの新たな魅力を引き出すキャラクターとして受け入れられ、また『龍が如く』らしい演出がコマンドRPGを盛り上げるなど、大胆なチャレンジは新境地の開拓へと繋がりました。

もちろん、変更点を残念に思うファンもゼロではありませんが、新しいステップを目指した意欲作として、『龍が如く7』は大役を果たしたと言えるでしょう。シリーズに興味はあるけど、どこから始めればいいか分からない・・・と迷っていた方は、本作から遊ぶのもお勧めです。

2月の注目作:スイッチ/PS4『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』

今年の2月といえば、待望の『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』(以下、P5S)が発売されました。少年少女の葛藤や成長を描くRPG『ペルソナ』シリーズは、基本的にコマンド型のRPGが主軸でした。ですがこの『P5S』で、アクションRPGというジャンルに切り込みます。

ペルソナチームとω-Forceのタッグによって生まれた本作は、ペルソナを使いこなす醍醐味はそのままに、スピーディで爽快感のあるアクションシーンを提供。主人公である「ジョーカー」はもちろん、怪盗団のメンバーもプレアブルキャラとして参戦するので、お気に入りの相手を使いこなす楽しさも用意されています。ただし、「ナビ」は前作と同じく後方支援の担当なので、操作できません。残念ではありますが、そこは敢えてのこだわりでしょう。

また本作のストーリーは完全新作で、しかも『ペルソナ5』から半年後の物語が描かれます。ゲーム性は大きく変化しましたが、物語の上では完全に地続きなので、『ペルソナ5』の続編とも言えます。
そのため、『龍が如く7』とは違い、未経験の方にはややお勧めしづらい作品ですが、逆に『ペルソナ5』プレイヤーならば是非遊んで欲しい一作です。

<cms-pagelink data-text="3月・4月は、特に人気の高い注目作が!" data-page="2" data-class="center"></cms-pagelink>

3月の注目作:スイッチ『あつまれ どうぶつの森

今年の3月──に留まらず、2020年を代表する1本との呼び声も高いのが、『あつまれ どうぶつの森』です。ニンテンドウ64向けとなる初代から数え、約19年の時を経たシリーズ最新作となります。

これまでのシリーズ作は村での生活がベースでしたが、本作は舞台も大きく変わり、無人島への移住から始まります。人が暮らす基盤が何もない島だからこそ、大事なのは生活するための手段。住まいや環境などをDIYで改善する日々は、新たな楽しさを生み出してくれました。

施設を建てたり、道路を整備するだけでなく、島の形も手を加えられるので、その奥深さはシリーズ随一。グラフィックの向上に伴って臨場感も増し、フレンドを島に呼ぶ楽しさは言葉で語り尽くせないほど。シリーズの魅力を受け継ぎながら、新たな一面で魅了してくれる『あつまれ どうぶつの森』は、今後も話題が尽きぬことでしょう。

4月の注目作:PS4『ファイナルファンタジーVII リメイク』

『あつまれ どうぶつの森』発売後ながら、こちらも大きな話題性で存在感を示したのが『ファイナルファンタジーVII リメイク』(以下、FFVII リメイク)です。1997年に発売され、当時一大ブームを巻き起こした『ファイナルファンタジーVII』をベースに、ビジュアルや戦闘システムなど、全てをフルリメイク。設定の一部も変更し、懐かしくも新たな一作としてユーザーに衝撃を与えました。


大筋の物語は変わっていませんが、主要キャラクターをより深く描いたり、意外な一面を覗かせることも。そのため、原作よりも更に各キャラが好きになったユーザーも現れたほどです。また、アクション性が加わったバトルシーンはシームレスで展開し、コマンドバトルの魅力も備えた独自性の高い戦闘を楽しめます。

残念な点を挙げるとすれば、本作で紡がれた物語は“ミッドガルの脱出”まで。原作では、ここから本格的な冒険が始まるところなので、「もっと遊びたい!」と思った方も少なくありません。一刻も早く続編が出て欲しいところですが、未プレイの方にとっては追いつくチャンスとも言えます。

ちなみに2020年3月には、『聖剣伝説3 トライアルズ オブ マナ』もリメイクを遂げました。今回は1月につき1本の紹介なので見送りますが、好評を博したリメイク作という点では『FFVII リメイク』と共通しており、こちらもお勧めです。

<cms-pagelink data-text="5月は名作の復活、6月は世界的ヒットを記録したタイトルの続編が登場" data-page="3" data-class="center"></cms-pagelink>

5月の注目作:スイッチ『ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション』

名作の復活という点では、『ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション』もひけを取りません。こちらは、2010年に発売されたWiiソフト『ゼノブレイド』を原作に、グラフィックのHD化や一部新規音源の再収録、そしてUIを遊びやすく改善。Wiiを代表する名作RPGが、今の時代に合わせた進化を伴って蘇りました。

本作はリメイク作ではなく、いわゆるリマスター版に当たります。
ですが、前述のようにただ描画が美しくなっただけではなく、全般的に遊びやすく生まれ変わりました。元々、非常に完成度の高いRPGでしたが、描画や演出が進化し、より隙のない作品になったと言えるでしょう。

しかも本作は、ただのリマスター化ではありません。本編の後日談となる追加ストーリー「つながる未来」を新規収録。原作をプレイ済みでも、全く新しい物語を堪能することができます。そのため、『ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション』も経験者から新規ユーザーまで幅広くお勧めできる一作です。

6月の注目作:PS4『The Last of Us Part II』

パンデミックにより、恐怖と混乱に満ちた世界を描いた『The Last of Us』の発売から約6年後、続編となる『The Last of Us Part II』がリリースされました。前作は、混迷の中で愛娘を失った主人公「ジョエル」が、希望の鍵となる可能性を秘めた少女「エリー」を引き連れ、危険の坩堝と化したアメリカを旅する姿が描かれました。

ですが本作では、「エリー」が主人公を務め、しかも復讐の旅路に向かうことに。激しい感情に突き動かされた道行きには、危険な感染者や敵対する組織などが立ちはだかり、前作同様に厳しいサバイバルアクションを展開します。

新たな感染者の出現や、匂いを辿る「犬」の存在など、ゲーム性に新要素が加わりましたが、多くのユーザーが注目したのはエリーの復讐劇とその顛末。前作の結末も様々な解釈を生みましたが、本作もまたユーザーごとに意見が分かれやすい形となっています。
そのため、前作『The Last of Us』をクリアした上でのプレイをお勧めします。
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