ニンテンドースイッチの『1-2 Switch』が発売されたのは約3年9ヶ月前。Joy-Conの機能を活かしたさまざまなミニゲームが収録されており注目を集めましたよね。


個人的に一番印象的だったのが「赤ちゃん」です。携帯モードのニンテンドースイッチを赤ちゃんに見立て、うまく揺らしつつも置く時はゆっくりにしなければならない……、というヘンだけどおもしろいミニゲームでした。

◆本物の赤ちゃんがきた!
『1-2 Switch』が発売された当初、筆者はひとりで赤ちゃんをあやしたりして遊んでいました。いま振り返ると何をしているんだと思ってしまいます。

あれから約3年9ヶ月前が経過し、なんと自分の子供が本当に産まれたのです。ニンテンドースイッチで擬似的に赤ちゃんを抱っこしていたというのに、いまや本物を抱っこしている! いやはや、人生は何がどうなるかわからないものです。

毎日自分の子供を抱っこしているのですが、ふと思いつきました。「リアルで赤ちゃんのお世話をしているのだから、『1-2 Switch』の赤ちゃんをあやすやつもめちゃくちゃうまくなっているのでは!?」と。

◆「赤ちゃん」のゲームルールをおさらい
さて、まずは『1-2 Switch』における「赤ちゃん」を軽く説明しておきましょう。Joy-Conのジャイロセンサーが傾きや速度を検知しており、それがほどよく動いていると抱っこしている赤ちゃんが眠ります。

眠ったあとは、いかにゆっくり置くかがポイント。急いで置いたほうが早くクリアできますが、しかしながら投げ捨てるように置いてしまうと揺れて赤ちゃんが起きてしまうのです。
このジレンマが魅力というわけですね。

ちなみに、赤ちゃんが産まれる前の最高記録は22秒でした。このころはまだ独身で、赤ちゃん寝かしつけガチ勢(ゲーム部門)だったので、容易に好記録が狙えていたのです。はたしてリアル赤ちゃんを育てているいま、この壁を越えることができるのか……!

◆『1-2 Switch』の「赤ちゃん」のすごさ
さて、改めて『1-2 Switch』の「赤ちゃん」をプレイしてみると現実との違いが目につきました。違いを挙げるとこんな感じ。

・赤ちゃんに比べてスイッチが軽すぎる
・寝かしつけはミルクを適量与えたか、おむつを替えたかも大事
・ゆらゆらするより、胸をくっつけるのも重要
・ホワイトノイズやおくるみという裏技もある
・ゆっくり置いても急に起きることもある
・ぶっちゃけ、機嫌によってはぜんぜん寝ない

というわけで、『1-2 Switch』の「赤ちゃん」は寝かしつけにおける「うまく動かしてから置く」というポイントにのみ注目しているわけですね。寝かしつけシミュレーターではないので、リアルとはいろいろ違いがあって当然です。

一方で、かなりリアルに感じられる部分もありました。寝たからといってすぐ置くとギャン泣きしたり、最初は興奮しているけれどもそのうち落ち着き、寝るときは吐息が深く・長くなるのもかなり現実に近い。また、揺らすときに腕を振るのではなくヒザで身体全体を動かしたほうがいいことなども、ツボを抑えています。

やはりゲームではあるのですが、一方で赤ちゃんの寝かしつけの重要なポイントをきちんと抑えているわけです。発売されてだいぶ時間が経ってから『1-2 Switch』のすごさを感じました。


◆リアルになるとむしろ……
こうして何度か挑戦したのですが、現在の最高記録は29秒でした。30秒を切るのがやっとで、とてもではないですが20秒代前半は出そうにありませんでした。もはや赤ちゃん寝かしつけガチ勢(ゲーム部門)の見る影なし。しかし、これにはいくつか理由があります。

まず、リアルの寝かしつけを体験すると、いかに素早く行動を終えるかよりも確実に寝かしつけをしたくなります。たとえ寝かしつけが5分で終わったとしてもすぐ起きては意味がないので、30分くらいかけてでも確実に寝て欲しいのです。

また、赤ちゃんはかわいいので雑に扱えなくなります。たとえニンテンドースイッチに表示されているゲームであろうとも、投げ捨てるかのように置くことはできず……。

何より、本物の赤ちゃんは抱っこしていると楽しい。重くて暑くてときには暴れたりもしますが、それでも自分の子供はかわいく感じられ、置くよりもむしろたくさん抱っこしてあげたくなるのです(体力の限界を迎えるまでは、ですが)。

というわけで、結論としてはリアルで赤ちゃんのお世話に慣れたら『1-2 Switch』の「赤ちゃん寝かしつけ」はむしろ下手になるというものでした。しかし、『1-2 Switch』の新たな魅力を垣間見たような気がします。
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