スーパーファミコンの次世代機として登場した本機は、同世代のゲームハードと比べて演算能力や描画性能が高く、そのスペックを活かした3Dゲームも数多く展開。
「ニンテンドウ64」の世界累計販売台数は3,293万台、ソフトは2億2,497万本を売り上げました(いずれも2021年3月末時点)。ですが、ゲームハードの魅力をこの数字だけで表現するのは野暮な話でしょう。どんなゲームが遊べたのか、ユーザーにとって大事なポイントはここに尽きます。
そこで今回は、名ハードの25周年を記念し、世界的なヒットを遂げた最新作の原点・源流となった「ニンテンドウ64」のラインナップをピックアップしてご紹介! このハードがなければ、あの最新作は生まれなかったかもしれません。「ニンテンドウ64」が果たした功績の数々、とくとご覧あれ!
■様々な「マリオ」シリーズが、数千万本クラスに……その原点は「ニンテンドウ64」にあり!
マリオといえば、任天堂の顔とも言えるキャラクターで、人気ぶりは改めて記すほどもないくらい圧倒的です。アクションから始まり、パズルやレース、RPGにパーティゲームと、そのシリーズ展開も多岐に渡ります。
(映像は、Wii U向けバーチャルコンソール『スーパーマリオ64』)
その中でも、「ニンテンドウ64」で初めて登場し、後に大きな影響を及ぼした作品と言えば、『スーパーマリオ64』を外すことはできません。それまで2Dゲームだったマリオの世界に奥行きが加わり、立体的な世界を表現。一気に広がったフィールドで探索も楽しめる本作は、当時のユーザーに大きな衝撃を与えました。
この『スーパーマリオ64』が、いわゆる「3Dマリオ」シリーズの原点となり、『スーパーマリオサンシャイン』や『スーパーマリオギャラクシー』といった名作が次々に生み出されていきます。そして、3Dマリオで最も新しい完全新作の『スーパーマリオ オデッセイ』は、2,083万本を販売。
(映像は、Wii U向けバーチャルコンソール『マリオパーティ2』)
「ニンテンドウ64」は、コントローラの差し込み口が標準で4つ用意されていました。当時は、周辺機器(マルチタップ等)で複数のプレイ人数に対応するものが多い中、人数分のコントローラさえ用意すれば、最大4人までスムーズに楽しむことができるため、複数人で遊ぶゲームが数多く登場したのも印象深い点です。
『マリオパーティ』もそのひとつで、「ニンテンドウ64」を起点として躍進を遂げました。本機だけでも、『マリオパーティ』は3作品を展開。以降も、据え置き・携帯を問わず様々なハードにリリースされ、シリーズ作は2桁ものラインナップを誇ります。
『マリオパーティ』シリーズとしてリリース済みの最も新しい作品は、1,479万本を売り上げた『スーパー マリオパーティ』。前述の『スーパーマリオギャラクシー』と比べるとやや下回りますが、『スプラトゥーン2』の販売本数が1,221万本なので、その人気ぶりが揺るぎないものだと分かります。ちなみに、最新作『マリオパーティ スーパースターズ』が10月29日に発売予定。そちらにも注目が集まることでしょう。
(映像は、Wii U向けバーチャルコンソール『マリオカート64』)
こちらは、シリーズの原点とは少し異なりますが、『マリオカート64』が果たした役割も決して小さいものではありません。『マリオカート』シリーズはスーパーファミコンから始まりましたが、『マリオカート64』で3D表現を取り入れ、レースにダイナミックな迫力が加わりました。
その後も『マリオカート』シリーズは積極的に3D表現を取り入れ、こうした流れは最新作『マリオカート8 デラックス』へと繋がります。なお、『マリオカート8 デラックス』の販売本数は、なんと3,539万本。全ニンテンドースイッチソフトの中でも、堂々の1位を獲得するほど。『マリオカート64』が歩んだ3D化は、正しい道程だったと言えそうです。
■「ニンテンドウ64」の功績は「マリオ」シリーズだけじゃない! あのアクションADVの初3Dや大人気スローライフ、そして大乱闘の原点がここに
(映像は、Wii U向けバーチャルコンソール『ゼルダの伝説 時のオカリナ』)
ここまで「マリオ」シリーズについて迫ってきましたが、もちろん「ニンテンドウ64」の功績は他のシリーズ作にも及んでいます。特に大きいのが、「ゼルダの伝説」シリーズ史上初の3D作品『ゼルダの伝説 時のオカリナ』です。
これまでの「ゼルダの伝説」は、(一部を除いて)見下ろし型の2D作品でした。ですが、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』の登場により、その世界が一気に広がりを見せます。愛馬「エポナ」と共に草原を駆け抜ける心地よさや、敵をロックオンして戦う手応え溢れるバトルなど、いずれも3Dだからこそ味わえる興奮がたっぷりと詰め込まれた作品になりました。
ここから「3Dゼルダ」が始まり、『風のタクト』や『トワイライトプリンセス』、『スカイウォードソード』などの作品が登場。そして、「3Dゼルダ」最新作の『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』へと繋がります。こちらの販売本数は、圧巻の2,228万本。
任天堂をはじめ、様々なゲーム作品のキャラクターたちが“ファイター”となり、お互いをふっ飛ばす対戦アクション「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズ。その記念すべき1作目『ニンテンドウオールスター! 大乱闘スマッシュブラザーズ』も、この「ニンテンドウ64」から生まれました。
シリーズの当初は任天堂作品のキャラばかりでしたが、後にスネークやソニックなども加わり、参戦メンバーのラインナップという意味でも“大乱闘”へと至ります。人気ぶりは語るまでもないほどですが、最新作『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』では、2,384万本を記録。更なる新ファイターの参戦も決まっているので、この数字は更に伸びるかもしれません。
(公式サイトより)
「ニンテンドウ64」は、同日に発売された『スーパーマリオ64』から始まり、様々な名作ゲームを支えてきました。その功績は、ソフト展開が最終盤を迎えた2001年にまで及んでおり、スローライフが楽しめる人気シリーズの原点『どうぶつの森』が2001年にリリースされました。
同じ村に住む住民とのコミュニケーションを楽しみながら、自分なりの日々を過ごす「どうぶつの森」シリーズ。作品を重ねるごとに出来ることが増えていきましたが、魅力の核は1作目の時点で確立されており、これまでにない切り口が非常に斬新でした。
ニンテンドーゲームキューブに登場した『どうぶつの森+』の大ヒットを経て、DS版で一大ブームを巻き起こし、最新作の『あつまれ どうぶつの森』ではシリーズ史上最高の3,263万本を記録。この輝きの最初の一歩は、「ニンテンドウ64」にありました。
今回は、特に大きな影響を及ぼし、今も活躍を続ける人気シリーズ作の原点に絞ってお届けしましたが、「ニンテンドウ64」から飛び出した名作はまだまだあります。個人的には、『カスタムロボ』や『罪と罰 ~地球の継承者~』なども思い出深いところです。
そのデビューから締めくくりまで、偉大な功績を残して駆け抜けた「ニンテンドウ64」。当時プレイした方は遊んだソフトに想いを馳せ、未経験のユーザーは、本機がきっかけとなったシリーズ作に触れてみてはいかがでしょうか。