『パワポケ』シリーズといえば、野球ゲームの枠を超えた“衝撃的なシナリオ”の数々でお馴染み。子どもの頃、あまりの怖さに泣いてしまった…というプレイヤーも多いのではないでしょうか。今回は、そんなトラウマシーンを生み出した3人の「彼女キャラクター」を紹介していきましょう。
『パワプロクンポケット9』~広川武美~(DS)
まずは『パワポケ』シリーズでも屈指の人気を誇る悲劇のヒロイン、広川武美。彼女は2006年に発売された『パワプロクンポケット9』の登場人物です。
同作で描かれるのは、商店街の草野球。各地を放浪していた自称“さすらいのナイスガイ”である主人公は、旅の最中に立ち寄った町で、潰れそうな商店街と巨大スーパーとの抗争を見かけます。商店街の人々を気に入った主人公は、野球チーム「ブギウギビクトリーズ」の助っ人となり、“野球が強い商店街”として町おこしを図る…というストーリーでした。
そこで武美は、商店街にある薬屋の店主として登場。しかしその正体は、巨大な悪の組織に作られたサイボーグでした。主人公は彼女を受け入れますが、その体内には組織が逃亡を防ぐために埋め込んだ時限爆弾が…。この爆弾を解除できるかどうかで、グッドエンドとバッドエンドが分岐します。
バッドエンドでは、爆発に巻き込むまいと主人公を突き放す武美と、そんな彼女の意思を汲んで離れていく主人公の姿が。武美はサイボーグであるため、普通の人間のように涙を流せないことをコンプレックスに思っていた模様。最期の言葉は、「くやしいなぁ、くやしいなぁ。 泣けないなんて……くやしいよぉ」というものでした…。
『パワプロクンポケット7』~霧島玲奈~(GBA)
『パワプロクンポケット7』の舞台は高校野球。弱小チームだった主人公の野球部に、「レッド」と名乗る戦隊ヒーローのような転校生が現れます。抜群のセンスをもつレッドのおかげで、チームは連戦連勝。しかし野球部員が謎の失踪を遂げ、「ブルー」「イエロー」などの仲間が現れたことで、野球部はヒーローたちのものに。主人公は野球で勝負し、チームを取り返そうとします。
そこでプレイヤーの感情を揺さぶるのが、野球部のマネージャーである霧島玲奈。初めはヒーローたちに不信感を覚え、主人公を応援していた玲奈ですが、ある日態度が一変。主人公にそっけない態度を取り始め、レッドのことを「レッド様」と呼ぶように…。
実はこの時、玲奈はヒーローたちに洗脳されている状態。主人公が野球で勝てば洗脳は解けますが、敗北すると逆に自分まで洗脳されてしまいます。この時表示される、幼稚園児がクレヨンで描いたような野球部の絵と「し あ わ せ」という文字は、多くのプレイヤーのトラウマとなりました。
『パワプロクンポケット12』~パカーディ~(DS)
『パワプロクンポケット12』は、オンラインゲームを舞台とした異色のタイトル。物語の中心となるのは、関わった人間が次々に失踪を遂げていく“人食い野球ゲーム”です。親友がこのゲームによって失踪したことから、主人公は手がかりを求め、電脳空間を彷徨うことに…。
物語のなかで悲劇を生むのは、オンラインゲーム内で出会うパカーディというヒロイン。「余は~」「~じゃ!」などの口調と、金に物を言わせるプレイスタイルから、ハンドルネームである「パカ王子」をもじって「バカ王子」と呼ばれている名物プレイヤーです。その正体は超巨大財閥の生まれであり、一族を離散に追い込んだ悪の組織を追うためにゲームの秘密を探っていました。
しかしバッドエンドでは悪の組織に見つかり、捕まってしまうことに。そこで悪の組織はパカーディの「脳髄」だけを培養液に漬け、電気信号で永遠に苦しみを与え続ける拷問を加えます。
というわけで、『パワポケ』シリーズの中でも屈指のトラウマシーンを生んだヒロインたちをピックアップしました。最新作『パワポケR』に収録されている『パワプロクンポケット』と『パワプロクンポケット2』のシナリオにも、衝撃的な運命をたどる彼女キャラクターがいるとかいないとか…。気になる方は、十分に覚悟してプレイしてみてはいかがでしょう。