2月6日、千葉県・幕張メッセにて、プロアマ問わずに制作したフィギュアなどを展示・販売する大規模造形イベント「ワンダーフェスティバル 2022[冬]」(WF2022冬)が約2年ぶりにリアル開催されました。同日は当日版権を得たディーラーが、そのスタイルや精神性を込めて制作したガレージキット(造形物全てを含める)を展示・販売していました。
版権元と関係なく、オリジナルの制作物を用意したディーラーも毎回多く、思いの強さを込められているのを目の当たりにできます。

本稿では、オリジナルのガレージキットを展示・販売していたブースを紹介します。全ての写真をご覧いただく場合は、ギャラリーへお進みください。

The cold plastics(Twitter:@tetuham)
立体造形作家・石渡哲さんが、「カミ」の像と可愛らしいものを、有機的な線と機械モチーフで造形しています。

「タマシイ アカ ルリ」「イナヅマ」「タマシイ ユキ」のタマシイシリーズは、3Dプリンター導入を機に製作したそう。車のヘッドライトをイメージしたつくりの顔になっています。

もう一つは、実在の仏像や神話をモチーフに人型に製造されている「心像」シリーズも出展。「神々に貌はない」がコンセプトにあるため、どのメカも表情は作成されていません。

心像「阿修羅」は、興福寺阿修羅像をモチーフに、少年のような身体をイメージ。本来肩から生じている腕を肘からの接続にして、シルエットの差別化を図っています。

心像「金剛」は、東大寺金剛力士像がモチーフ。仏の法が荒廃してもなお守り続ける像を意識しています。


心像「虚空蔵」は、神護寺・宝光虚空蔵菩薩像がモチーフ。実物の黒と緑に彩られた像の美しさをイメージにしています。また、「単純かつアンバランス」がコンセプトの一つであったため、台座の見せ方を工夫しているとのこと。

心像「たたら神(多々羅神)」は、無機質な神々の一柱。別名は「鉄の神」で、 鉄を生んでくれる神は世界的に一つ目であるという伝承をモチーフにしているそう。

次ページ:2021年には初商業作品も!「Mega Sculpture」

Mega Sculpture(Twitter:@Ata36)
オリジナルガレージキットディーラー・Arataさんが動物な伝説上の生き物などをモチーフにしたメカを製造。

未来感あるフォルムは可愛らしさもあり、四肢の可動でアクションポーズを取らせることができるタイプも多くありました。

2021年には初商業作品「チョイプラeos」シリーズが発売されています。

次ページ:10年来にわたってレトロロボットを作り続ける「モデルメーカーボルトナット」

モデルメーカーボルトナット(Twitter:@mm_boltnut)
創作ロボット(レトロイド)やプラモデルなどを造形。20年以上も前から造形を続けていますが、10年ほど前からレトロロボット(レトロイド)シリーズに注力しています。

元々、ブリキのロボットが好きだったことから始まったレトロイドシリーズ。今回の新作では、3Dプリンターを導入したことで、これまで以上に凝った造形が可能になりました。


とくに39号は腕が6本という過去最多数を更新。1~42号まで製造してきましたが、元となる型が崩れてしまったのは廃番となっています。

販売するという点で見ると、オリジナル作品は難しい面があるものの、自分の好きなことを思い切り詰め込めるという喜びは大きいとのこと。

昔懐かしさを感じさせるレトロイドは、基本的に手のひらサイズで可愛らしいです。

撮影:乃木章(Twitter:@Osefly)
編集部おすすめ