『遊戯王OCG』の新たなリミットレギュレーションにて、「王宮の勅命」と「捕食植物ヴェルテ・アナコンダ」が禁止カードとなりました。『遊戯王 マスターデュエル』のプレイヤーには伝わりにくいかもしれませんが、そこには“ヤバイ”事情があったようです…。


お手軽に融合召喚をサポートできる「アナコンダ」
「王宮の勅命」はともかく、「捕食植物ヴェルテ・アナコンダ」の強さは一見分かりにくいかもしれません。『遊戯王 マスターデュエル』から入った新規プレイヤーには、「なぜ禁止になったの?」と疑問を抱く人もいるのではないでしょうか。実はこのカードが猛威を振るうのは、『マスターデュエル』に実装されていない“とあるカード”と組み合わせた場合でした。

「捕食植物ヴェルテ・アナコンダ」の特筆すべき効果は、「2000LPを払い、『融合』または『フュージョン』魔法カード1枚をデッキから墓地へ送り、その効果を適用する」というもの。2000LPのリスクを元手に、強力な融合モンスターを呼び出すチャンスを得られます。

さらにこのカードが輝くのは、“デッキ融合”を行う融合魔法カードと組み合わせた場合。たとえば「フュージョン・デステニー」は「D-HERO」モンスター、「真紅眼融合」は「レッドアイズ」モンスターを素材に指定した融合モンスターを召喚するための近道。手札・フィールドに素材が存在しなくても、強力な融合モンスターを召喚できる優れものです。

しかしなぜか『マスターデュエル』では、こうしたコンボがあまり使われていません。その理由は、融合モンスターの戦力。現在実装済みの融合モンスターは、単純にカードパワーが不足しているのです。

デッキ融合で飛び出す凶悪モンスターに注目!
『遊戯王OCG』の場合には、事情が異なります。
「D-HERO」「レッドアイズ」それぞれに、カードパワーが高いエースモンスターが存在しました。それが「D-HERO デストロイフェニックスガイ」と「超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ」です。

「デストロイフェニックスガイ」の強力な効果は2つ。1つは自分・相手ターンに1回ずつ、自分フィールドのカード1枚とフィールドのカード1枚を破壊する効果。そしてもう1つは、戦闘・効果で破壊された場合、次のターンのスタンバイフェイズに、自分の墓地から「D-HERO」モンスター1体を特殊召喚できるというものでした。

いずれの効果でも「デストロイフェニックスガイ」自身を選べるため、相手のカードを道連れに破壊した上で、自分だけフィールドに舞い戻る…という凶悪なムーブを連発できます。

また「ドラグーン・オブ・レッドアイズ」は、強い効果をひたすらに詰め込んだモンスター。(1)効果の対象にならず、効果では破壊されない、(2)相手フィールドのモンスター1体を選んで破壊し、その元々の攻撃力分のダメージを相手に与える、(3)魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、手札を1枚捨ててその発動を無効にして破壊し、自身の攻撃力を1000アップする…と、傍若無人をきわめています。

つまり、「捕食植物ヴェルテ・アナコンダ」を使うと、こうした超強力なモンスターがお手軽な条件から飛び出してくることに。対戦相手はたまったものではないでしょう。

「アナコンダ」コンボは強力すぎるため、「ドラグーン・オブ・レッドアイズ」や「フュージョン・デステニー」が禁止カードになるなど、紆余曲折を経ていきます。しかし最終的には、今回の「捕食植物ヴェルテ・アナコンダ」禁止化に落ち着きました。


『遊戯王OCG』と『マスターデュエル』の環境は、この先どんな風に変化していくのでしょうか…。
編集部おすすめ